先日、釜山(プサン)では「サム ウォンジャン モーテル」に泊まった。
理由はわからないが「三原荘」の別称もあるらしい。
南浦洞(ナンポドン)エリアの繁華街、「ホルモン焼き通り」という路地にある宿である。
宿泊日の未明、日本の自室のベッドの中でスマホをいじってエクスペディアから予約した。
宿泊料金は4,061円ととても安く、クレジットカードで事前決済した。
料金、ロケーションもさることながら、サイトに載る写真から想像される妖しい雰囲気も魅力だった。
そして、やはり相当に妖しい宿だった。
韓国でいうモーテルは、ラブホテルも兼ねた安宿のことであるらしいことは学習していた。
モーテルといっても駐車場があるわけでなく、クルマ1台がやっと通れるくらいの路地にその宿はあった。
薄暗い建物にに入ってもフロントのようなものが見当たらない。
フラフラ、キョロキョロしていったん外に出て、再び中に入る。
奥の方から不愛想なおじさんが扉を開けて出てきて、韓国語で何か言ってきた。
とりあえずエクスペディアから予約しているということを英語で返す。
「エクスペディア」という単語にのみ反応してくれ、紙とボールペンを渡された。
予約番号と名前を書け、と言っているようだった。
壁に貼られたWi-fi情報でアクセスし、予約記録を見せる。
言われた通りに紙にも予約番号と名前を記す。
おじさんはいったん奧に戻った。
確認がとれたようで、ようやく客室へと案内された。
パスポートチェックも宿帳への記入も求められることはなかった。
階段をあがる。
階段や廊下のいたるところには寝具類やゴミの類が無造作に置かれていた。
3階の廊下はまだきれいなほうだった。
画像左が案内された303号室。
部屋の前もゴミ(?)の山。
わずかの期待と多くの不安を抱きつつ中に入る。
靴は脱ぐタイプだ。
そして、こんなカンジだった。
古いけれど、めちゃくちゃ汚い!というカンジでもなかった。
デスクの奥にマスクや空のペットボトルが落ちていたり、備え付けのブラシに髪の毛がからまっていたり、歯磨き粉が普通の家庭用の大きなもので共用だったり、気にする人は気にするだろう。
ただ、気にしなければいいし、使わなければいい、と割り切れば関係ない。
目に見える範囲では、寝具も含めてそれなりに悪くはなさそうだった。
シャワーの水圧はとても低かったが、温かいお湯はしっかりと出た。
鉄格子の窓の先には通りを挟んでスターバックスも見えた(この画像ではわからないが)。
街の片隅でひっそりと潜む隠れ宿、という趣きで過ごせばよいのだ。
なにせ、街歩きには絶好の場所である。
すぐに出かける。
注意を促すドアの貼り紙のメイン言語は日本語だった。
廊下で掃除のおばさんに話しかけられた。
韓国語なので理解できなかったが、その身振りと笑顔とも言えぬ笑みを浮かべた表情から、「女の子はいらないのか?」と言っていると察した。
笑ってテキトーにごまかした。
女の子よりもビールを欲していた。