おととい、伊東温泉の「やまだ屋」に泊まった。
今回の部屋は「寿老人の家」。
6畳と4畳半の部屋からなる離れである。
部屋の風呂は源泉掛け流しでいつでも好きなときに入れる。
お茶とお菓子でまずは一服する。
そして、散歩に出かけた。
宿は伊東駅近くにありながら、別世界だ。
商店街は土曜日夕方ながら人は少なかった。
若干寂しいくらいの落ち着いた雰囲気が好きである。
宿に帰り温泉で汗を流してサッパリした後、ビールを呑む。
当然ながら旨い。
18時半から夕食をいただく。
次々と料理が部屋に運ばれてくる。
小海老が立っていたり、塩で現した川を稚鮎が泳いでいたり、かなり細かく遊んでいるのが楽しい。
いちじくの天ぷらは前回も口にした。
刺身は一人前とは思えぬほどに盛られている。
ここにも遊び心発見。
酒は部屋の冷蔵庫に入っていた地酒にする。
巨大な煮魚、これだけで一食となるようなステーキなど、申し訳ないくらいの料理だった。
美味しいのだが、次回はあらかじめ量を減らしてもらうように伝えたいと思った。
夜、花火大会があるとお姉さんがおしえてくれた。
腹ごなしも兼ねて出かけることにした。
会場は海沿いの公園らしいが、距離がかなりある。
宿近くをフラフラ歩きながら、眺めた。
この夏最後の花火大会らしい。
夏も終わりに近づいている。
温泉にまた入り、汗を流す。
浴後すぐに就寝はしなかったのだが、それでも身体がいつまでも熱を持っているかのようだった。
迎えた昨日の朝。
7時半過ぎに朝食の支度がなされた。
朝もしっかりとしたおかずが並んだ。
とろろ昆布が入った味噌汁が美味しかった。
食後にはコーヒー。
1950(昭和25)年開業らしいから、73年の歴史を持つことになる。
別荘風離れの宿のコンセプトは時代をかなり先読みしたかのようである。
建物のメンテナンスなど、今では職人もいなくなって大変だとも耳にした。
次々と昔ながらの宿が消えていく中で、いつまでも頑張っていただきたいと今回も思った。
他の客の気配も一切なく、静かに過ごせた一夜。
満足して宿を後にした。
伊東駅まではわずか3分ほどの近さである。