メキシコからキューバに来たのは7月28日でした。
早起きし、前日に買っておいたパンと水で朝食としました。
階下に行けば、タクシー運転手。
どちらかが間違えて、6時半と伝わっていたようです。
もっとも、準備は完了していたので、出発することにしました。
朝のメキシコ・シティは渋滞もなく、7時前には空港に到着しました。
搭乗するのは、ハバナ行きのインテルジェット2900便。
11時15分発です。
出発まで4時間以上あるにもかかわらず、すでに搭乗手続きは始まっていました。
公式ホームページから予約済みです。
運賃は3,539.21ペソ、約21,000円といったところです。
予約時に発券国を米国やカナダに替えるとそれぞれの国の通貨で決済となるのですが、比べてみたところ、メキシコ・ペソがいちばん換算レートが良いかと思いメキシコ発券としました。
クレジットカード会社の請求がどんなレートになるかはわからないので、その選択が正しかったかはわかりません。
出発までかなりの時間があります。
ダイナースクラブのカードを提示して、こちらのラウンジで過ごすことにしました。
客が少ないので、暇を持て余したお姉さんが注文を聞きにきては運んできてくれました。
きょう2回目の朝食。
LCCとはいえ、前後のシートピッチは広めです。
2時間ほど滞在しました。
出発まで45分、という頃に搭乗ゲートに行きました。
しかし、搭乗開始の気配はありません。
11時頃から搭乗開始となり、決められた搭乗順のグループごとに呼ばれて列を作ります。
自分が搭乗したときには、すでに11時15分は過ぎていました。
それでも画面は「定刻」の表示のままです。
機材はエアバスA321型機です。
自分の座席は19C。
奥に進ませてくれ!と、心の中で叫びます。
しかし、短足の自分には関係ありません。
それより、横幅!
いつも思うことです。
2時間半ほどの苦行、と考えて、ひたすら目を閉じることにします。
シートポケットの機内誌はあまりに汚くて、じっくりと眺める気になれません。
出発は定刻を55分ほど遅れた12時10分頃でした。
遅延に関する機内アナウンスも一切ありません。
やがて、離陸。
2時間半くらいおとなしくしていられないのかと思うくらい、トイレだかなんだか行ったり来たりする人も多くて、落ち着きません。
やかましい音楽がどこからか音漏れしてきたりもします。
安いから、すべてよし。
深呼吸して、ただひたすら目を閉じていました。
しばらくして、機内サービスのワゴンが来ました。
機内食?
かと思ったら、スナック菓子。
ちなみにスナック菓子は、3種類から選択出来ました。
ささやかな贅沢?
飲み物はジュースはなく、ビールは缶ごと、コーラはペットボトルごとくれるようでした。
あまりにテンションが低かったので水にしました。
ハバナのホセ・マルティ国際空港に到着したのは15時半を回った頃でした。
着陸すると、機内では大きな拍手がわき起こりました。
自分も、別の意味で拍手したい気分でした。
苦行終了。
と思いきや、入国審査の長い列。
なかなか出て来ず不安になるスーツケース。
外貨両替のための銀行窓口前の列。
とにかく並ぶのが嫌いな自分にとっては、なんとも気の重いキューバの旅のスタートとなってしまいました。
折しも外は激しい雷雨。
銀行前で声をかけてきたぼったくりタクシーの誘いは無視し、公認タクシーに乗りました。
ハバナの旧市街にある宿をめざします。
事前に料金を確認すれば、『地球の歩き方』に書かれていた金額よりも安く、少しだけ得した気分です。
行列や喧騒からようやく解放されて、気分も落ち着いてきました。
街を走るクラシックカーを見ると、キューバに来たのだという実感が湧いてきます。