昨夜は18時頃から夕食をいただきました。
もちろん、部屋食です。
部屋に置かれた「加満田だより」に、「今月の献立」として載っている料理が運ばれてきます。
一品ずつ運ばれてくる懐石風料理ではなく、何品かずつまとめて運ばれてくる料理です。
気取らず、美味しく味わうことが出来ます。
酒は岐阜の「三千盛」を燗でいただきます。
こちらの宿で知った辛口の酒で、その後しばしば愛飲しています。
宿は酒もおしえてくれるのです。
デザートまで完食し、お腹も落ち着いた後には露天風呂に出かけました。
趣ある廊下を進みます。
「加満田」は文人の宿でもあります。
廊下の壁には、さまざまな興味深い史料が掲示されています。
これらはかつて滞在したときにほぼすべて完読しています。
2つある露天風呂は、空いていれば内側からから鍵をかけて、貸し切りで使用できるものです。
2つとも空いていたため、左側に入りました。
東京から近いのに遥か遠い山奥の温泉宿にいるかのような静寂。
肌触りの良い、良質な源泉掛け流しの温泉。
初めて訪れてからまもなく15年になろうかとしていますが、自分にとってはとてもいつも居心地が良く、マイベスト温泉宿の上位にランキングされています。
そして、目覚めた今朝。
男女が入れ替わり昨日とは別の大浴場に行きました。
曇り空ではありますが、雨はやんだようです。
浴場の大きな窓から眺める山の緑は、春の雰囲気がいっぱいです。
その足で、露天風呂にも出かけました。
昨夜は左側に入ったので、今朝は右側にしました。
心身共に、すっかり洗われた気がしました。
部屋に戻れば布団が片付けられ、やがて運ばれてきた朝食。
量は少なめですが、その分しっかり完食させていただきました。
朝食後、昨日はお会い出来なかった女将さんが挨拶にいらっしゃいました。
昨日はインバウンド関連のセミナーに出席されていたそうです。
時流、人手不足、日本旅館のあるべき姿、世代交代、等、20分以上お話を伺った際のキーワードです。
ご苦労も多々おありのようではありますが、大学を卒業されて社会人として一般企業で修行中の息子さんの「湯河原愛」は相当なものらしく、「加満田」の将来は希望あるものと感じられたのでした。
日本旅館の形態が大きく変わる昨今、今なお昔ながらのスタイルを守る「加満田」に、これからも自分は通い続けると思います。
県境の山を越えれば、40分ほどで熱海の自宅マンションに帰宅出来ました。
そんなご近所になったのです。
「ぜひまた、温泉に入るだけでもよいので遊びにいらしてくださいね。ビジネストークではございませんからね」
宿を発つときに女将さんからかけられた言葉が、今も耳に残っています。