大人になったらやりたい、と思っていたこと。
国際線のファーストクラスに搭乗する、とか、
ホテルのバーにボトルを入れる、とか、
馴染みの高級旅館に連泊する、とか、
年間予約席のボックスシートで野球を観戦する、とか、
エロい外車に乗る、とか、
ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを楽友協会の黄金ホールで鑑賞する、とか、
若干バブル時代の香りは否めないですが、
いろいろ憧れはありました。
40歳を超えて、とりあえずそれらはクリアすることができました。
けれど、まだまだ実現していないこともあります。
そのひとつが、料亭。
その昔、実家の近くに結構な門構えの料亭があり、そこには家族で行ったこともありますし、社会人になって同期会の幹事になったときには、そこを利用しました。
どんなに気取っても、料亭を使えなければ、カッコいい大人とは思えなかったのです。
しかし、お金の問題以前に、独り行動がスタンダードの自分にとっては、なかなか難しい挑戦であります。
「独り料亭」はあまり美しくないし、かといって「料亭に行こうよ」「いいよ」みたいな関係の相手もいないし、接待として使うほど駆け引きの必要がある毎日も送っていないし。
そんな折、料亭が併設する素敵なカウンターの店があると知り、出かけることにしました。
神楽坂にある「牧」というお店です。
神楽坂といえば、昔ながらの料亭も多い、伝統ある街。
「牧」は、料亭のほうは当然ながら一見さんお断りらしいのですが、カウンターのお店のほうは大丈夫という情報を聞きつけ、予約して出かけたのです。
一人でも受け付けてくれました。
本多横丁という趣きある通りを進むと、
小さな「牧」の看板を発見。
路地の再奥にひっそりと佇むお店です。
久々に、わずかの緊張を持ちながら、お店の扉を開けました。
この先、画像はありません!!
およそ2時間半、わずか6席しかないカウンターで、季節感あふれる料理と共に、美味しいお酒をいただきました。
それだけにとどめたいと思います。
高橋料理長は、業界ではとても有名な方だそうです。
見事な包丁さばきを目の前に見られることに、幸せを感じます。
ちなみに左は仕事帰りの中年男性2人組、右は地元に住んでいるというセレブ系の夫婦でした。
自分はセンターの席で独り!
初めは、誰か一緒に付き合ってくれないかなー、と思う肩身の狭さも感じました。
しかし、酒が進み、料理も進めば、独りでも心地よい感覚に包まれてきます。
料理長が、酒や珍味をふるまってくれました。
その中の一つ、イサキの脂身の部位は、マグロの上トロのような食感でした。
途中、女将さんも挨拶に訪れます。
この女将さんは、もともと地元で芸者として活躍されていた、と予習で学んでおりました。
初訪問の自分に対しても、優しい笑顔で話しかけてきてくれました。
「まあお若いのに」
と言われ、
「若作りなだけです」
と、極めて洒落っ気のない返答をしてしまい、もう少し気の利いた言葉を吐けばよかった、と後から反省した次第です。
そもそも、某クレジットカード会社の「料亭プラン」でこちらのお店を知ったのですが、プレ料亭としてこちらのカウンターのお店は、とても素敵でした。
次は、本当の料亭にも行ってみたいと思ったのですが、行く理由も、行ってくれる相手も思いつかないところに、自らの限界を知る気がします。
そうか、自分がどれだけのものか?を知る、ということも、料亭の意義なのかもしれません。
会計を済ませ店を出れば、別の扉から女将さんも出てきてくださいました。
「お会いできてよかったですわ」
と握手を求めていただき、若輩者の自分は舞い上がります。
路地から横丁までお見送りに来てくださいます。
「今度はもっと気楽に来てくださいね。お料理なしで、遅い時間にお酒だけ召し上がってもいいんですよ」
などと言っていただきました。
わずか6席しかないのは、本当に来たいというお客様だけに来てほしい、という思いがあるからのようです。
もしかしたら、料亭の「一見さんお断り」は、紹介のあるなしだけでなく、どれだけ本気で入店してくるのか、というお互いの思いの確認儀式のようにも思えてきた、そんな神楽坂の夜でした。
国際線のファーストクラスに搭乗する、とか、
ホテルのバーにボトルを入れる、とか、
馴染みの高級旅館に連泊する、とか、
年間予約席のボックスシートで野球を観戦する、とか、
エロい外車に乗る、とか、
ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを楽友協会の黄金ホールで鑑賞する、とか、
若干バブル時代の香りは否めないですが、
いろいろ憧れはありました。
40歳を超えて、とりあえずそれらはクリアすることができました。
けれど、まだまだ実現していないこともあります。
そのひとつが、料亭。
その昔、実家の近くに結構な門構えの料亭があり、そこには家族で行ったこともありますし、社会人になって同期会の幹事になったときには、そこを利用しました。
どんなに気取っても、料亭を使えなければ、カッコいい大人とは思えなかったのです。
しかし、お金の問題以前に、独り行動がスタンダードの自分にとっては、なかなか難しい挑戦であります。
「独り料亭」はあまり美しくないし、かといって「料亭に行こうよ」「いいよ」みたいな関係の相手もいないし、接待として使うほど駆け引きの必要がある毎日も送っていないし。
そんな折、料亭が併設する素敵なカウンターの店があると知り、出かけることにしました。
神楽坂にある「牧」というお店です。
神楽坂といえば、昔ながらの料亭も多い、伝統ある街。
「牧」は、料亭のほうは当然ながら一見さんお断りらしいのですが、カウンターのお店のほうは大丈夫という情報を聞きつけ、予約して出かけたのです。
一人でも受け付けてくれました。
本多横丁という趣きある通りを進むと、
小さな「牧」の看板を発見。
路地の再奥にひっそりと佇むお店です。
久々に、わずかの緊張を持ちながら、お店の扉を開けました。
この先、画像はありません!!
およそ2時間半、わずか6席しかないカウンターで、季節感あふれる料理と共に、美味しいお酒をいただきました。
それだけにとどめたいと思います。
高橋料理長は、業界ではとても有名な方だそうです。
見事な包丁さばきを目の前に見られることに、幸せを感じます。
ちなみに左は仕事帰りの中年男性2人組、右は地元に住んでいるというセレブ系の夫婦でした。
自分はセンターの席で独り!
初めは、誰か一緒に付き合ってくれないかなー、と思う肩身の狭さも感じました。
しかし、酒が進み、料理も進めば、独りでも心地よい感覚に包まれてきます。
料理長が、酒や珍味をふるまってくれました。
その中の一つ、イサキの脂身の部位は、マグロの上トロのような食感でした。
途中、女将さんも挨拶に訪れます。
この女将さんは、もともと地元で芸者として活躍されていた、と予習で学んでおりました。
初訪問の自分に対しても、優しい笑顔で話しかけてきてくれました。
「まあお若いのに」
と言われ、
「若作りなだけです」
と、極めて洒落っ気のない返答をしてしまい、もう少し気の利いた言葉を吐けばよかった、と後から反省した次第です。
そもそも、某クレジットカード会社の「料亭プラン」でこちらのお店を知ったのですが、プレ料亭としてこちらのカウンターのお店は、とても素敵でした。
次は、本当の料亭にも行ってみたいと思ったのですが、行く理由も、行ってくれる相手も思いつかないところに、自らの限界を知る気がします。
そうか、自分がどれだけのものか?を知る、ということも、料亭の意義なのかもしれません。
会計を済ませ店を出れば、別の扉から女将さんも出てきてくださいました。
「お会いできてよかったですわ」
と握手を求めていただき、若輩者の自分は舞い上がります。
路地から横丁までお見送りに来てくださいます。
「今度はもっと気楽に来てくださいね。お料理なしで、遅い時間にお酒だけ召し上がってもいいんですよ」
などと言っていただきました。
わずか6席しかないのは、本当に来たいというお客様だけに来てほしい、という思いがあるからのようです。
もしかしたら、料亭の「一見さんお断り」は、紹介のあるなしだけでなく、どれだけ本気で入店してくるのか、というお互いの思いの確認儀式のようにも思えてきた、そんな神楽坂の夜でした。



