会合の集合時刻になると、主催者側から「集合の時間となりましたが、まだいらっしゃらない方もいるようですので、もう少しお待ちください」などというアナウンスを聞かされることがよくあります。
遅刻者に合わせる神経がわかりません。
大規模な交通の混乱があったとか、主賓の到着が遅れているとか、やむを得ない理由もあるとは思います。
しかし、大抵の場合は遅刻者の怠慢が理由であり、大多数の正直者は遅刻者のおかげで貴重な時間を無駄にする、というとんでもないことになっています。
まさに、正直者が馬鹿を見ることになっているのです。
ところが、身の回りに正直者が馬鹿を見る仕組みがあることを知り、驚いた事例があります。
それは、JRの運賃です。
おそらく、鉄道マニアの方などには常識なのでしょうが、一般的にはあり得ないことがあったのです。
私は、東京の池袋からJRを利用することがほとんどです。
下は、池袋からそれぞれの駅までの乗車券を買った場合の運賃です。
池袋→宇都宮 1,890円
池袋→長野 3,890円
新幹線を利用するのなら、上記運賃に新幹線特急券の料金を加える。
これが、普通の買い方です。
ところが、途中駅の大宮で区切って、それぞれ2枚の乗車券を買うと下のようになります。
池袋→大宮 380円
大宮→宇都宮 1,280円
合計 1,660円(230円安い!)
池袋→大宮 380円
大宮→長野 3,260円
合計 3,640円(250円安い!)
つまり普通に目的地まで買うよりも、大宮で区切った2枚の乗車券を買ったほうが安いのです!
キセル乗車でもなく、れっきとした正しい乗り方です。
ましてや、上記の例の場合、池袋から大宮までは湘南新宿ラインを利用し、大宮から新幹線に乗車してそれぞれの目的地に行くことが多いので、不自然なカンジもしないのではないでしょうか?
池袋発に限った話ではなく、JR運賃の「東京都区内発着」「東京山手線内発着」の場合の計算方法や、100キロを超えると20キロごとに運賃が変わる運賃形態を知っていれば、「どこで区切れば安くなる」というのは簡単に知ることができます(ここでは言及しません)。
こうして何百円かを節約して、プライベートだけではなく出張でも利用しているのですが、経費削減に貢献したとして経理から褒められたことはまだ一度もありません。
結局は、正直者は馬鹿を見るのでしょうか。