こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力とさらばレンタル映画屋さんというテーマで
星くず兄弟の新たな伝説(2017)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★想像力とさらばレンタル映画屋さん?
本シリーズは令和5年10月31日を以て閉店となるSHIBUYA TSUTAYAのレンタルDVD事業への感謝をこめてお送りする特別企画。
2万6000本もの在庫を用意し、渋谷系というカルチャーの萌芽期から若者たちの映画の図書館のような存在だったSHIBUYA TSUTAYAさんに敬意を表し、閉店直前まで4階の特設コーナーで企画されていた作品群をご紹介させて頂ければと思います😉
10月3日現在、TSUTAYA SHIBUYA4階で開催されている企画の一つに「第34回 東京学生映画祭」というコーナーがございます。
東京学生映画祭さんのホームページを引用させて頂くと…
東京学生映画祭とは「東学祭」の名で知られる、日本で最も長い歴史を持つ国内最大規模の学生映画祭です。
学生の製作した映像作品を全国から募集し、コンペティション形式でグランプリを決定しています。
当映画祭は、学生ならではの自由な発想や感覚を大切にするため、多くの方々のご協力をいただきながら、学生のみで企画・運営を行っています。
との事ですので、学生ならでは感性や想いや情熱を感じさせるような作品がエントリーされる映画祭ではないかと考えられます。
本日は、前回ご紹介させて頂いた「東京学生映画祭」のコーナーで紹介されている手塚眞監督の「星くず兄弟の伝説」の32年越しに作られた"まさかの続編"をご紹介させて頂ければと思っております😆
こちら1985年の「星くず兄弟」!
そしてこれが2017年の…
あれ?「星くず兄弟」が若返ってる
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
そんな本作の冒頭の内容は以下の通り 。
① 本作の舞台は近未来の東京下町。80年代はスターダスト・ブラザーズとして一世を風靡していたシンゴは既に老人となり、芸能生活を離れて小さなカラオケスナックのオーナーとなっていました。
近未来の明成27年の東京下町で
カラオケスナックを営んでいたシンゴ。
② 自分たちが活躍していた昔のビデオを観ながら「昔は良かった」とグチるシンゴですが、既に地球ではロックは廃れており、スターダスト・ブラザーズが人気になる可能性はゼロ。
けれどそんな時、インターネット広告の中に「実力シンガー募集」という文字を発見します。
おっ、実力シンガー募集!俺の事だ!!
ロックはNGという文字を無視するシンゴ。
③ ただし募集地は地球ではなく月面。けれど何事にもポジティブなシンゴは「地球でダメでも月では成功するかも」と考え、今や人気DJとして活躍していたカンを拉致して、怪しげな医師に若返りマシーンを操作させて若き日のスターダスト・ブラザーズのような容姿となって、いやがるカンと共に月へと旅立ちました。
シンゴとは違いDJとして
人気を博していたカンはシンゴに拉致され…
怪しげな医師の機械によって
若さを取り戻します!
スターダスト・ブラザーズ再始動!
④ ですが月に到着してると、シンガーを募集していたアストロプロモーションは、在籍ミュージシャンが2人しかいない底辺企業であり、この会社に頼っても成功する事はおぼつかないと悟った2人は、月のどこかに埋まっていると噂されている「ロックの魂」という鉱石を探す旅に出る事にしたのです!
月に到着したシンゴとカンでしたが…
件のアストロプロモーションは
開店休業状態のような事務所でした。
さて、果たして若返ったスターダスト・ブラザーズの2人は、月でロックの魂を手に入れる事ができたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
尚、前作同様、本作も豪華なゲストが多数登場!
なんとあの野宮真貴さんも!!!
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は1980年に公開された「ブルース・ブラザーズ」の続編にあたる「ブルース・ブラザーズ2000 (1998年)」と少し似たテイストを感じさせる同窓会ムービー!
1985年に公開された「星くず兄弟の伝説」のラストで、シンゴとカンが射殺されて死ぬラストは、恐らくですがニューウェーブやサブカルチャーという文化は永遠ではなく、遠くない未来、自分たちの存在は忘れ去られてしまうかもしれないという80年代の若者たちの自嘲的な想いが描かれていたように思われます。
きっと俺たちの時代は終わるのさ…
という諦観は、80年代のサブカルチャーの
底流に流れている想い!
この引退や死を予見するような描写は
同時期の多くの作品に観られる特徴です。
(「To-y トーイ(1987)」より)
ですが、前作に参加したアーティストたちは、一人を除いて全員が生き残ってしまいました!
これは幸いな事なのですが、だからこそ前作公開後に早逝されてしまっヒロイン役の戸川京子さんへの想いは、本作を製作する方々の心に残り続けていたのではいかと拝察されます…
前作でヒロインのマリモを演じた
戸川京子さんは2002年に帰らぬ人に…
そう。
同窓会が寂しくなるのは、大事な誰かが欠けてしまった時…
私見ですがそんな本作は、80年代に輝いていたニューウェーブやインディーズやサブカルチャーの人々が、再び集まって作り上げた80年代のテイストを後世に繋げてゆくための作品であると同時に、故戸川京子さんへの「俺たちはまだ頑張ってるよ!」という鎮魂のメッセージのような作品でもあると思われるのですが、皆様はどう思われますでしょうか?
映画の終盤、哀しい結末にした
80年代代表の手塚眞監督のライトに
疑問を呈した新世代の記者(江口ヒロミ)は
哀しいラストではなく
みんなが幸福になれるような
ラストにしようと申し出ます。
そしてきっとこれは
手塚眞監督が肌で感じている
80年代と2010年代との
感覚の違いなのだと思われます…
ラストに流れるこの曲は
「若者よ死ぬな」という想いが込められた
涙なしには聴けない鎮魂歌なのです…
ですが哀しい事に2023年7月6日に
両作の音楽を手掛けられた
ミュージシャンの赤城忠治氏が
そして2023年の8月5日に
両作に出演されていたISSAYさんもまた
帰らぬ人となられてしまいました。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます…
という訳で次回は拙宅ですので
東京学生映画⑤
というテーマで
HOUSE ハウス
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆