こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と70年代クラヤミ・ホラーというテーマで
悪魔のゴミゴミモンスター(1978)
(原題:MILPITAS MONSTER)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★想像力と70年代クラヤミ・ホラーとは?
本シリーズは70年代に公開された、おどろおどろしいホラー映画を特集したもの!
60年代のカウンターカルチャーの終焉や環境汚染問題、核戦争の恐怖や校内暴力、そして政治不信などが吹き荒れていた70年代のホラーは、どこか病んだ感じがする鬱展開のホラー!
ですがエンターテイメント系ホラーとは異なり、鬱展開のホラーは観終わった後についまでも記憶の中に残るような、忘れられない作品でもあるのです…
本作では、そんな70年代に作られた暗闇系のホラー映画を特集させて頂きました🎃👻💀😆
本作は1978年に公開されたアメリカ映画。
「悪魔のゴミゴミモンスター」という邦題は、1984年に日本でも劇場公開された「悪魔の毒々モンスター (THE TOXIC AVENGER)」という作品の類似作を感じさせるタイトルですが、「悪魔の毒々○○○○」は、トロマ・エンターテイメントという配給会社の作品に付けられる邦題であり、そんなトロマ作品と似て非なる邦題の本作は、「悪魔の毒々モンスター」より以前に作られていた日本未公開作品をビデオ化する際に、類似作のようなフリをして付けられた全く関係ない作品!
1988年の「悪魔の毒々おばあちゃん」も
トロマ・エンターテイメント作品!
尚そんな本作は意外な事に、地域の高校生たちの手によって作られた、ゴミ投棄の問題をテーマにした社会派映画なのです😆
町のみんなと考えよう、ゴミ問題!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
そんな本作の冒頭の内容は以下の通り 。
① カリフォルニアの小さな町ミルピタスは、1954年の発足時は農業の町として栄えていましたが、周囲の町のゴミを投棄する場所を提供するという産業を興しました。
設立当初は農業の町だったミルピタスですが…
周囲の町のゴミを引き受けた事により
ゴミ投棄地となってしまいました。
② 1950年代は投棄されるゴミも可燃ごみばかりでしたが、産業が高度化してゆくにつれ自然や人体にとって有毒な物質も投棄されるようになり、いつしかミルピタスの川や沼には魚がいなくなり、代わりに謎めいた生物が生息するようになります。
汚染された川の中で光る2つの目!
③ ある日ミルピタスの町で、人々の家の前に置いてあったゴミバケツが無くなっているという事件が発生します。ゴミバケツが無くなった地域は広範囲であるだけでなく、その後巨大な生物によってゴミ収集車が横転させられ、積んでいたゴミが奪われたという通報があったため、人々は不安になり、真相を究明するよう役場へ直訴しに向かいます。
こんなの人間技じゃねぇだろ
④ 事態を重く見た町長は、町の重鎮たちを極秘に招集して対策会議を開き、専門家の助言に従ってオドローラという秘密兵器を購入して使用する事を決定しますが、その間にもゴミの強奪事件は増え続けていたのです!!
極秘で召集される町の住人たち。
町民たちに知られず事件を解決せよ!
…人を襲わないでゴミを持ち帰るのなら、悪魔のモンスターじゃないような気がするのですが😅
さて、果たしてミルピタスの町のゴミを奪い去っていったのは、どんな怪物だったのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
ちなみに移動遊園地のゴミを
漁りに来た怪物の身長は15メートル!
こんな巨大な怪物の存在に
気づかないミルピタスの人々の
明日はどっちだ!
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、前述した通り本作は1970年代にミルピタスの高校の美術教師が、授業で生徒が描いた架空の怪獣映画のポスターを見て、ゴミ問題を社会に提起する短編映画を撮ろうと提案した事によって生まれた自主制作映画!!
高校生の架空の落書きから生まれた映画!
1970年代と言えば環境問題が世界的にも叫ばれ「吸血の群れ (1972)」や「悪魔の赤ちゃん (1974)」といった環境に起因したホラー映画も数多く作られていた時代だっために、この企画はミルピタスの町の全面的な支援を受けて作られる事となり、救急車やパトカーやヘリコプターといった高校生映画ではちょっと用意できない小道具も、実物が使用されているのです!!
高校生映画の製作に参加してくれた
当時の消防士や警察官たち!
本作のメイキング風景はコチラ(英文)
そう。
映画というのは、地域全体の想いを映像化する事も許される媒体!
ですので、もし当時ミルピタスの町にジョン・カーペンターやティム・バートンやミシェル・ゴンドリーのような、学生時代から自主映画を製作していたような才ある人間が混じっていたとしたら、本作は歴史に残る学生映画となった可能性がありましたが、現実には彼らのような才覚のある学生は存在していなかったらしく、完成した本作は「Z級映画」などと酷評されて別れ去られる事となってしまったのです…
怪獣襲撃シーンの撮影風景。
ですが仕上がった映像は暗すぎて
何も映っていなかったのです
私見ですがそんな本作は、ゴミ問題について想いを馳せていた1970年代のミルピタスの高校生のイマジネーションから生まれた環境問題モンスター映画であると同時に、映画というメディアは製作する人間の才能が非常に重要になる媒体であり、もし映画の才能がある人材が2020年代の今、ミルピタスに住んでいにっしゃるようなら、クラウドファンディングなどで資金を集め、再度本作を映画化したなら、今度は「悪魔のゴミゴミモンスター」などという屈辱的な邦題がつけられない作品となるかもしれないのではないかと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?
意外と特撮でがんばっている
シーンもある本作ですがシナリオが弱く
登場人物たちが素人のため
感情がこもった演技ができていないのが
本作の致命傷だと思いますので
もし心ある、映画の才能ある若者がいれば
本作をリメイクする事によって
今度こそミルピタスの公害問題を
世界に発信できるかもしれなのです…
という訳で次回は
WE LIVE!!!!!
と言うテーマで
燃える昆虫軍団
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい日本未公開1970年代ホラー
「THE COMEBACK(1978)」
新曲を書くために呪われた邸宅に
籠っていたミュージシャンは
殺された妻の幽霊に憑依されますが
やがて彼女を殺した犯人が
屋敷に現れるらしいのです!!
ちょっと気になりますね😊