こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と70年代クラヤミ・ホラーというテーマで
インモラル個人教師(1974)
(原題:THE TEACHER)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★想像力と70年代クラヤミ・ホラーとは?
本シリーズは70年代に公開された、おどろおどろしいホラー映画を特集したもの!
60年代のカウンターカルチャーの終焉や環境汚染問題、核戦争の恐怖や校内暴力、そして政治不信などが吹き荒れていた70年代のホラーは、どこか病んだ感じがする鬱展開のホラー!
ですがエンターテイメント系ホラーとは異なり、鬱展開のホラーは観終わった後についまでも記憶の中に残るような、忘れられない作品でもあるのです…
本作では、そんな70年代に作られた暗闇系のホラー映画を特集させて頂きました🎃👻💀😆
本作の原題は「THE TEACHER (ザ・ティーチャー)」。
タイトルが「ザ・ティーチャー」と「インモラル個人教師」では、かなり作品に対するイメージが異なるのではないかと思いますが、実は裸体が登場する海外作品に対して、とてつもなく煽情的な邦題を付けるのは日本映画界のお家芸でもあり、70年代のホラーやサスペンス作品の中にも「SWEET SUGAR (1972)」が「性獣女徒刑囚」に「LOVE ME DEADLY (1970)」が「愛欲のえじき」に「TORTURE DUNGEON (拷問ダンジョン 1970)」が「拷問の密室/伯爵の淫らな毒牙は鮮血にまみれた」などというトンデモないタイトルにされてしまっているのです😖
ですので本シリーズではこれから数回、70年代のトンデモない邦題ホラー作品の内容について解説してみたいと思います。
尚、邦題だけでなく原題も
煽情的な作品が多いのも70年代の特徴!
1972年の「痴漢ドワーフ」の原題は
「THE SINFUL DWARF (淫らなドワーフ)」
なのです…
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
不倫に溺れる青年が思わぬ事件に巻き込まれるエロスサスペンス?
かなり内容が間違っていますね
尚、そんな本作の冒頭の内容は以下の通り 。
① 映画の冒頭は夏休み初日。高校教師のダイアン・マーシャルは、夫が所有しているボートを港の沖合で停泊させ、一人で日光浴を楽しんでいますが、ラルフ・ゴードンというストーカーが彼女を尾行しています。
ダイアンの自宅も知っているラルフは
筋金入りのストーカー!
② 港の古い倉庫の上から双眼鏡でダイアンの裸身を覗き見てほくそ笑んでいたラルフでしたが、そこにダイアンが担任をしているショーン・ロバーツとラルフの実弟のルー・ゴードンがやって来ました。二人もダイアンが船上で日光浴をするのを知っており、覗きくためにやって来たのです!
人気のない倉庫でダイアンのボートを
覗いていたラルフでしたが…
そこにラルフの弟のルーが
親友のショーンを連れてやって来ました!
③ ルーにダイアンを覗いていたのを知られるのが恥ずかしくて身を隠したラルフでしたが、弟たちがダイアンの裸体を観て喜んでいるのに我慢ができなくなったラルフは、巨大なナイフをかざして2人を脅しましたが、驚いたルーは足を滑らせ倉庫から転落死してしまったのです!!
ち二人を脅そうとしたラルフですが
驚いた弟は転落死!!
④ 突然の親友の死に顔面蒼白となるショーンでしたが、元々統合失調症気味だったラルフは、弟の死よりも自分か裁かれる事を恐れて、この事件の事を誰かに言えばお前を殺すと脅し、以後ラルフの事をつけ狙うようになってしまいますが、常に放浪生活を送っている夫に愛想を尽かしていたダイアンは、自分の友達の息子でもあるショーンに接近して愛を囁き始めたのです!
…え?
でもこの状況だと。、ダイアンに恋しているラルフは、更にショーンを憎むようになるのでは
さて、果たしてダイアンからの熱い視線によってラルフに憎まれるようになったショーンは、一体どうなってしまうのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
別にダイアンが好きでもないのに
一方的に言い寄られた挙句
ストーカーのラルフに憎まれてしまった
ショーンの明日はどっちだ!?
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は1967年に公開されて大ヒット作となった「卒業」という作品のストーリーを意識したような作品。
「卒業」は、大学を卒業した後にやりたい事がみつからず無為な日々を過ごしていたベンジャミンという青年が、母親の友人で、幼なじみのエレインの母親でもあるミセス・ロビンソンと肉体関係に陥った事で、周囲の人間すべてから否定されて絶対的な孤立を味わう青春映画ですが、この作品の「年上の女性からの誘惑される」という甘美な展開と「母親の友人から性の手ほどきを受ける」という背徳的な行為というプロットは、青春映画だけでなく、サスペンスやホラーにも展開できると考えたのではないかと思われます。
そう。
一つの名作が誕生すると、その作品に刺激を受けた別のシチュエーションの作品も生まれて来るもの!!
私見ですがそんな本作は「卒業」の主人公を高校生にして、ストーカーとの対決というサスペンス展開にした意欲作であり、邦題のような「インモラル個人教師」というような展開ではないと考えるのですが、皆様はどう思われますでしょうか?
「卒業」と同じく本作は
性体験のないショーに対して
人妻のダイアンが誘惑するのですが
有閑マダムのエレインとちがい
教師としての仕事もあり
放蕩生活を謳歌している夫と
別れる事を決意しているダイアンは
主体性のある女性!!
本作のラストでは
そんなダイアンの決意によって
「卒業」とは全く別の
カッコいいダイアンの姿を
観る事ができるのです😆
という訳で次回は
長い邦題問題
というテーマで
愛欲の魔神島・謎の全裸美女惨死体
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい日本未公開1970年代ホラー
「TRIP WITH THE TEACHER (1975)」
タイトルも似ていますが、ポスターも
「インモラル個人教師」と似ている本作は
日本では「学園バスジャック」
という邦題でTV放映された作品!
是非、配信&DVD発売をお願いいたします😄