こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と今昔まんがまつりというテーマで

 

ウェンデルとワイルド(2022)

(原題:WENDELL & WILD)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★"今昔まんがまつり"とは?

近年発表されるアニメーション映画の本数は膨大なものとなり、すべてのアニメーション映画を閲覧する事は不可能な時代へと突入しています。

 

推しのアニメを一生見続けられるというのは幸せな事ではないかと思いますが、その一方で、自分が知らないアニメと出会うための時間を作るのは、簡単な事ではなくなりつつあるのではないでしょうか?

 

本シリーズはそんなアニメの百花繚乱時代において、かつて日本に存在していた「東映まんがまつり」や「東宝チャンピオンまつり」のような、雑多なアニメが一挙に上映されるようなイベントがもし存在したとしたら、どんな効果があるかをシミュレーションしてみようという夏休み企画!

なんとなく立ち寄った古本屋さんに素敵な本が見つかったり、何気なく観に行った3本立ての名画座で、大好きな作品巡り合えるような、そんな偶然をご提供できればと思っております😊
 

 

↑本シリーズの概要はコチラ!

 
 
どんな作品?

 

本作は2022年にNetflixで公開されたアメリカ映画。

 

ポスターをご覧頂ければお分かり頂けると思いますが、本作はホラーテイストのストップ・モーション・アニメ!

 

そんな本作をセレクトさせて頂いた理由は、もし「子供むけ」まんがまつりの作品をセレクトするのであれば、お化け、妖怪ものは外せないと考えたから!

 

 

尚、これまで「子供むけ」まんがまつりの作品としてご紹介させて頂いたのは…

 

① 「ユニコ」=手塚治虫

② 「ピノッキオ」=ギレルモ・デル・トロ

③ 「マドレーヌちゃん」=ルドウィッヒ・ベーメルマンス

④ 「花と木」=ウォルト・ディズニー

⑤ 「スポンジ・ボブ」=ステファン・ヒーレンバーグ

 

という「著名クリエイターの作品」でしたので、「子供向け」最後となる本作も、ストップモーション・アニメの神様と言われている著名クリエイターであるヘンリー・セリック監督をセレクトさせて頂きました!

 

ヘンリー・セリック監督は

映像の魔術師と言われている

ストップモーション・アニメの

神様のような存在なのです!

(「ジャイアント・ピーチ」より)

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「シネマトゥディ」さんによれば本作の解説は以下の通り。

 

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』などのヘンリー・セリックが監督を務めたストップモーションアニメーション。

生者の世界で暮らすことに憧れる悪魔の兄弟が、夢をかなえようと、ある少年との取り引きに応じる。

『ザ・プロム』などのキーガン=マイケル・キー、『アザーフッド 私の人生』などのアンジェラ・バセットのほか、『NOPE/ノープ』などのメガホンを取り、本作のプロデューサーを担当しているジョーダン・ピールらが声の出演を務めている。
 

う~ん。
 
本作とヘンリー・セリック監督の関係性を解説する作品を挙げるのであれば「コララインとボタンの魔女」「モンキー・ボーン」などが相応しいのではないでしょうか?
 
目がボタンを縫い付けた人形
という斬新なデザインの
「コララインとボタンの魔女」!
 
 

 

尚、そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り。

 

① 舞台はラストバンクという街。ビールの醸造所が成功した事で、豊かな街となっていたラストバンクでしたが、ある晩、醸造所のオーナーであるエリオット夫妻が運転していた車が橋の上から転落し夫婦は死亡!同乗していた幼い娘のカットは一命を取りとめますが、天涯孤独の身となってしまいます。

 

スリップして川に転落して

死亡してしまったエリオット夫妻。

 

 

② 事故から5年後、孤児となった後に学校内で傷害事件を起こして少年院送りとなってしまっていたカットは、更生のためにラストバンクにあるラストバンク・カトリック校という私立校に転入する事なりましたが、久しぶりに故郷へと戻ったカットが見たのは、廃墟同然となってしまっていたラストバンク!父母の死後、謎の火災によって焼失してしまった醸造所の跡地には、クラックス社という企業による巨大刑務所の設置計画が進んでいたのです。

 

孤児となったカットは虐められ

傷害事件を起こして少年院行きに!

 

事故から5年後、カットは更生のために

ラストバンク・カトリック校へ!

 

 

③ 一方その頃、死者の遊園地の王ベルザーの息子のウェンデルとワイルドは、父親の不興をかって強制労働を送る日々に嫌気がさして脱走を考えており、父親の目が届かない地上で、自分たちがイメージした遊園地を開園したいと考えていました。

 

父のベルザーが運営しているのは

人間の魂を傷めつける地獄の遊園地!

 

そんなベルザーの遊園地を

嫌っていたウェンデルとワイルドは

罰として強制労働の日々!

こんな地獄から抜け出したいよあせる

 

 

④ 父母の死因が自分の過失であり、自分は死に憑りつかれていると信じているカットは、誰とも仲良しない孤独な人生を歩もうとしていましたが、幼いカットが川に落ちて臨死体験をしていた時に彼女の存在を認識していたウェンデルとワイルドは、カットの父母を蘇らせるという嘘の約束を餌に、自分たちを地上に召喚してもらおうと接触して来たのです!

 

そんなウェンデルとワイルドは

カットが川に落ちて死にかけていた時に

彼女の存在に気づいていました。

そうだ彼女を騙して、

俺たちを地上に召喚してもらおう!

 

 

 

さて、カットは一体どうして傷害事件を起こしてしまったのでしょうか?そして、カットを利用して地上にやって来ようとしているウェンデルとワイルドは、どんな遊園地をイメージしていたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

可愛かったカットは…

 

少年院を出所した後は

空条徐倫みたいな風貌に!

そんなカットの明日はどっちだ!?

 

 

 

【選ばせて頂いた理由】亡くなった方の作品の行方

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作を選ばせて頂いた理由は以下の3つ。

 

選ばせて頂いた理由① 地獄は遊園地

 

本作を監督されたヘンリー・セリック監督の作品には、必ずと言って良いほど地獄(または異界)が登場するのですが、どの地獄も遊園地のような雰囲気となっており、これはヘンリー・セリック監督の死後の世界のイメージが、遊園地のようなものである事を物語っていると思われます。そんな本作の冒頭で描かれているベルザーの遊園地は、ちょっと仏教の八大地獄に似た雰囲気となっており、観客のイマジネーションを刺激させてくれるのです😊

 

ベルザーの体に設置されている

死者が行く地獄の遊園地!

 

そして地獄=遊園地というのは

ヘンリー・セリック監督作品では

何度も描かれているのです!

 

 

選ばせて頂いた理由② 黒人が主人公の映画として

 

本作は登場人物のほぼ全員が黒人という多様性に配慮された作品!このような作品は近年少なくないのですが、本作では登場人物の喋り方から、行動様式までが全て黒人的であるため、70年代の黒人によって作られた作品のような雰囲気があり、観ていて違和感がない作品となっています。

 

 

そう。

 

偽善的な目的で作られた多様性配慮の作品は、観ていて違和感を感じてしまうもの。

 

本作は、そんな最近の映画界の風潮に対して、良い意味で一石を投じた作品となっているのです😊

 

ラストバンクを牛耳るクラックス社の

イルムガードとレーン夫妻も黒人。

 

本作は人種間の対立を煽るような

良い黒人 vs 悪い白人の映画ではなく

良い黒人 vs 悪い黒人の映画であり

この構図こそがリアルな

黒人映画の描き方だと思います😉

 

 

選ばせて頂いた理由③ 手作りの魅力!ストップモーション

 

本作は、ギレルモ・デルトロ監督の「ピノッキオ」と同様のストップモーション映画ですが、ストップモーションは、1コマ1コマ人形を少しずつ動かしながら撮っていく、大変根気のいる作業によって作られた作品!

ですので本作のようなストップモーション映画は、子供たちに「根気のいる作業の大切さと面白さ」を理解してもらえる作品となっていると思われます。

 

映画のラストで明かされる

ストップモーションだからできる事!

あれ?カットがいたよ!!

 

 

 

 

 

という訳で次回からは少し年齢層を上げさせて頂き、

 

今昔「思春期向け」まんがまつり①

 

というテーマで

 

好きになるその瞬間を。

~告白実行委員会~

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たヘンリー・セリック作品
「モンキー・ボーン」

 

 

ヘンリー・セリックの描く地獄は

パペットと怪物が蠢く

極彩色のシュールな世界。

 

自分の描いたキャラと一緒に

現実世界へ帰還せよ!