こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と歌は世につれというテーマで
スタージル・シンプソン: SOUND & FURY(2019)
(原題:SOUND & FURY)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★歌は世につれとは?
↑本シリーズの概要はコチラ!
本作は2019年にnetflixにて公開されたアメリカのカントリーシンガーであるスタージル・シンプソンのアルバム「SOUND & FURY」を映像化させた作品。
カントリー・ミュージックと言うと、アイルランド音楽の流れを汲んだような古き良きアメリカの音楽を想像される方も少なくないと思いますが、近年カントリーは、様々なジャンルに分散化しつつあり、打ち込みをミックスしたエレクトリック・カントリーや、もの悲しいブルース調のダーク・ロック、シューゲイザーのようなデス・フォーク、果てはビービーレクサ(Bebe Rexha)のようなラブソング寄りの歌や、リンジー・スターリング (Lindsey Stirling)のようなクラシック寄りの曲を発表している女子カントリー・ミュージシャンも大活躍されています😍
ヒップホップ的カントリーのビービーレクサ!
コスプレ大好きリンジー・スターリング!
ではスタージル・シンプソンのカントリーは、どんなタイプなの?
本作はそんなスタージル・スターリングが目指しているカントリー・ソングの世界観を、日本のアニメ制作会社の神風動画が映像化した、観客の度肝をを抜くのようなエクストリームな作品となっているのです!!
これがスタージル・シンプソンが目指す
カントリーの世界観だ!!
「キネマ旬報社」さんのデータベースには本作の解説がありませんので、Netflixさんの解説は以下の通り。
むむむ。
全然内容が分かりませんね
そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り。
① 前提:本作の舞台は世界規模の大戦があったと思われる近未来の荒廃した地球。ですので曲の多くは、NYらしき都市が崩壊する様子や、無人となった東京、奴隷状態となって強制労働に従事させられている黒人たち、上空から猛爆撃を受けるアメリカの荒野などの様子が描かれています。
舞台は崩壊した世界!
東京も無人の街となっていました…
② ですが、地球がそんな状態となる以前に、日本らしき場所の山奥の鍛冶場で惨劇が起きていました。昔ながらの鍛冶職人の仕事場に2人の殺し屋が現れ、鍛冶職人全員を惨殺していったのです!
鍛冶屋を襲撃した殺し屋①
人を殺害するとポターブルの
印刷機から結果が印字される
次元大介系レシート男(仮)
鍛冶屋を襲撃した殺し屋②
人体内に蓄積されている猛毒ガスを
キセルから吐き出す
フランス貴族系毒霧男(仮)
※とても残酷なので閲覧注意!
③ その後、再び舞台は荒廃した都市となり、疾走する車を運転する鎧武者が現れます。鎧武者は屑鉄拾いで生計を立てている棄民たちを支配している列車メカをカーバトルで破壊しますが、その後、世紀末覇者として棄民たち君臨している次元大介系レシート男(仮)とフランス貴族系毒霧男(仮)が、鎧武者のいる場所に向かって山車に乗ってやって来ます!
車で列車に特攻をかける鎧武者は
列車ごと敵を撃滅!!
④ 山車に向かって突進する武者は殺し屋2人の攻撃によって車ごと大破!?、と思っていると車2つに分かれてロボットとなり、武者姿の女の子と共に、再び殺し屋に向かって攻撃して来たのです!
おお、倒された鎧武者の車が
トランスフォーーム!?
さて、果たして殺害された鍛冶屋と鎧武者の女の子には、どのような関係があったのでしょうか!?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
ん?この映像と音楽の組み合わせは
ミュージック映像ではなく
別の何かに似ているような…
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は日本アニメの特質でもあるオープニング映像に似たテイストで、スタージル・シンプソンの楽曲を演出したという斬新な挑戦を試みた作品!
ご存知の方も多いと思いますが、1980年代の日本アニメのオープニングは歌謡曲とのタイアップが多く、曲と画面がちぐはぐなものが多かったのですが、90年代以降のアニメのオープニングは、アニメ本体とは異なる映像表現の場となり、様々な試行錯誤を繰り返した事で、今やアニメ文化の一つの側面として、世界中で高く評価されるようになりました。
そう。
他国ではやっていない事に挑戦し続けると、自国だけの文化へと昇華するもの。
本作は、そんな日本アニメのオープニング映像に魅力を感じたスタージェル・シンプソン氏が、アルバム全曲に様々なバリエーションの日本アニメ風の映像を用意しようと考えて生み出された、ある種のコンセプトアルバムとなっているのです😆
アニメを担当された神風動画さんは
「ポプテピピック」などの作品で
今まで観た事がなない映像を生み出すという
難しいテーマに挑戦されてる会社!
誰も観た事がないダンス・バリエーションが交錯する
傑作オープニングの「ポプテピピック」。
皆さんは、これ以上のポーズを生み出せますか?
私見ですがそんな本作はスタージル・シンプソン氏の「SOUND & FURY」というアルバムの全曲を、日本のオープニング・アニメーション仕様にした作品であると同時に今後、日本のアニメのオープニング仕様は、アニメを越えて様々なコンテンツを表現する方法の一つとなってゆくという可能性を示した時代を先取りした作品としても観る事ができる作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
尚、神風動画さん側はインタビューで
MV『A Good Look』の制作時に
「この曲はダンスナンバーなんだ。
北野 武監督の『座頭市』のタップダンスが面白かった。
あれをイメージしてほしい」
というシンプソン氏からのリクエストを踏まえ、
ルックとカメラワークが変幻自在に切り替わる、
CGの強みを最大限に引き出した
ダンス映像が作ったと仰っています。
※インタビューは、コチラの記事を
引用させて頂きました。
そんな進取の気性に富んだ日本アニメの発芽は、すでに様々なメディアで行われるようになっており、先日発売「ワンピース」の単行本のイメージ映像が誕生した事から、今後は様々なマンガの単行本の内容をイメージしたオープニング映像が生み出されていく可能性も誕生しているのです😊
正に歌は世につれですね!
という訳で次回は
ビートルズ愛、果てしなく!
というテーマで
アクロス・ザ・ユニバース
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆