こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と歌は世につれというテーマで
DISCO ディスコ(2008)
(原題:DISCO)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★歌は世につれとは?
↑本シリーズの概要はコチラ!
本作は2008年に公開されたフランス映画。
タイトルからも想像して頂けると思いますが、本作はディスコ・ナンバーをこよなく方に向けに作られた作品!
フランス映画にも関わらず本作で使用されている音楽は「サタデー・ナイト・フィーバー」などで使用されていた往年のディスコの名曲たち!!
という事は本作は、1980年代前後を舞台にしたフランスのディスコ映画?
いいえ。
本作は、現代のフランスのル・アーヴルという静かな港町を舞台にした、ディスコ・ダンスにしか才能を見出せなかった中年男性の物語なのです。
冒頭で流れるのはディスコの名曲である
Boney Mの「サニー」!
そんなサニーと共に移される映像は
NYが舞台かと勘違いしてしまいますが…
ですが港には「LE HAVRE」の文字!
本作はル・アーヴルという
フランスの小さな港町を舞台にした
現代のディスコ映画なのです!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
むむむ。
なんか痛々しい解説ですね
そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り。
① 主人公のディディは、ル・アーヴルで母と一緒に暮らしているバツイチで無職の男。かつてはル・アーヴルのディスコキングとしてディディエ・トラボルタと名乗っていましたが、ディスコブームは既に遠い過去の話となり、相棒だったウォルターとヌヌイユは、それぞれ港湾労働者の組合長と家電ショップの販売員として活躍していました。
母と同居しているディディエ。
無職の彼の唯一の仕事は、
母が作る食事の材料を
街まで買いに行く事でした…
② ある日、かつて町一番のディスコ・クラブだった「ジンフィズ」が再オープンする事となり、オープン記念イベントとしてディスコ大会が開催される事となり、ジンフィズのオーナーのジャクソンから大会に参加するよう要請されますが、以前の大会において決勝戦で敗れたディディエは、大会には参加したくないと返答します。
ジンフィズのリ・オープンの大会に
元ダンスキングとして参加してくれという
ジャクソンの依頼に向かって
不参加を言い渡したディディエ。
「もうダンス熱は冷めたんだ…」
③ ですがイギリスで暮らしている元妻から、夏休みに遊びに来るはずだった息子のブライアンを無職のディディエの元には行かせられないという手紙を受け取ったディディエは、一念発起してディスコ大会で優勝し、賞品であるオーストラリア旅行のペアチケットでブライアンと最高の夏休みを過ごす事を決意します。
心には愛するブライアン。
首にはダンスの神ジョン・トラボルタ。
よし、もう一花咲かせるぜ!!!
④ ディディエは、嫌がるウォルターとヌヌイユを説得し、伝説のダンスチーム「ビー・キング」を再結成させますが、彼らのステップは1980年代で止まっており、なんとしても新しいダンスを生み出さなければならないディディエは、体を鍛え直すために子供向けのダンス教室に通う事にしますが、そこでインストラクターをしていたフランスという美女に一目惚れしてしまったのです!
新しいダンス・スタイルを学んで
コンテストに優勝するぞ!
…あれれ?
これって「サタデー・ナイト・フィーバー」と、ほぼ同じ展開なのでは?
さて、果たしてディディエ率いるビー・キングは、斬新なダンスで優勝して、ブライアンをオーストラリア旅行へと連れて行く事が出来たのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
「俺たちの戦いはこれからだ!」
「あら見て!3バカよ!!」
そんなディディエたちの明日はどっちだ!
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は、もし「サタデー・ナイト・フィーバー」のラストでジョン・トラボルタが演じるトニーが「ダンス卒業」を選択しなかった場合、一体どうなってしまっていたかを描いたような「もしもの世界」のようなコメディ映画。
70年代のブルックリンでダンスの王者として振る舞っていたトニーは、将来の事を考えて勉強にも身を入れているステファニーと出会った事で自身も勉強しようとダンス引退を決意するのですが、ディディエは引退のタイミングを掴めないまま中年になってしまっていたのです。
ダンスに明け暮れていたトニーは
将来の事を考えいるステファニーと出会い
ダンスは遊びである事を自覚!
その後、色々な出来事を体験し
トニーは一人、引退を決意します。
では、もしトニーがダンスを辞めず
中年になってしまっていたら…
そう。
ダンス・ステップというのは、同時代の人たちが共有する事がてきる想い出のようなものであり、自分の青春時代のダンス・ステップを生涯の仕事するのは、なかなか難しい選択だと考えられるのです。
フランス、僕たちのダンスどう?
………
という事は本作は、時代遅れのディスコ・ダンスを笑いものにするような作品?
いいえ。
本作は、ディスコを愛する観客にとって郷愁を誘うような、ディスコ全盛時代の音楽やダンスの練習風景などがいっぱい詰まった宝物のような作品となっており、むしろ本作のようなディスコ映画や、ディスコ以降に起こったファンクやユーロビート、ヒップホップなどの時代を席巻した様々なダンスの作品を作るヒントとなっているような気もするのです😁
さぁ、まずは10年後のステップを
身に付けましょう!
新しいダンスを頑張るヌヌイエ!
ああ、これぞダンスの練習風景ですね。
私見ですがそんな本作はキネマ旬報社さんの解説のようにかつてディスコキングとして鳴らした40男が、若者に交じってダンスコンテストに挑む姿をユーモラスに描く“オヤジたちの青春ドラマ”であると同時にディスコやダンス・ホールは、ダンスが好きな同世代人が集まっていた場所であると同時に、別の世代のダンス好きの人たちとクロスオーバーな関係を築く事ができる可能性を秘めた場所であり、様々なジャンルのダンスを楽しめる人が集う場所として再生されるのも良いかもしれないと思うキッカケとなる作品としても観る事ができる作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
古いダンスと若者が出会い、
新しいダンスとシニアが出会う場所、
それがディスコという施設に
求められてい事なのかもしれません!
という訳で次回は
その頃アメリカでは…
というテーマで
ハッスル&フロウ
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たいクロスオーバー・ディスコの作品
「ザナドゥ」
オリビア・ニュートン=ジョンが演じる
芸術のミューズ(女神)によって、
「雨に唄えば」のジーン・ケリーが
1940年代のステップを
80年代に伝えようとした
夢のディスコ「ザナドゥ」でしたが
当時の観客は作品を嘲笑し
ザナドゥの夢は露と消えてしまいます…
ですが2020年代には
40年代と80年代のダンスが
お互いに刺激し合えるディスコは
人気になりそうな気がいたします!