こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑲というテーマで
太陽に向って走れ(1956)
(原題:RUN FOR THE SUN)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
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本作は1956年に公開されたアメリカ映画。
1956年と言えば1945年に第二次世界大戦が終結してから10年が経過し、戦後レジュームと呼ばれる世界秩序の体制や制度が確立されつつあった時期。
本作は「ローマの休日 (1953)」で若き王女アンがヨーロッパの新秩序を確立するために奔走し、前回ご紹介させて頂いた「ボスを倒せ! (1956)」では最前線の兵士たちが引退を考えるようなになった同時期を描いていながらも、第二次世界大戦時の体制の復活を望みながらジャングルの奥地に身を潜めて暮らしている人間が登場する、なんだか不気味なアドベンチャー映画なのです。
前人未踏のジャングルの中で
第二次世界大戦の続行を望む人間とは…
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り。
① 雑誌記者のカティは、突如失踪した気鋭の小説家のマイケル・ラティマーの行方を見つけ出してスクープ記事にしよう考えた編集部からの指令を受け、ラティカーが出没していると噂されているメキシコのサム・マルコスという村にセスナ機で向かいますが、そこはラティカー以外の白人は存在しないような過疎の港町でした。
何もないサム・マルコスの飛行場に
降りたった新聞記者のカティは…
失踪したラティマーを探すために
繁華街に向かいますが…
② 港でラティカーを発見したカティは、自分が記者である事を隠してラティカーに接近して親しくなりますが、最愛の妻に裏切られたショックで小説が書けなくなっのがラティカーが失踪した理由だと知ったカティは、彼の心をさらに傷つけるような記事を書きたくないと考え、真相を告げずに帰国する事にします。
当初はスクープ記事のために
ラティカーに近づいたカティでしたが、
妻に裏切れた事を悲み
執筆できなくなったラティカーに
心から同情したカティは、
彼をそっとしておく事にして
帰国を決意します。
③ けれど僻地のサム・マルコスにはアメリカへの定期便などなく、道路もかなり劣悪な状況。女性一人で帰国するのは無理だと考えたラティカーは、自らセスナ機を操縦してカティをメキシコ・シティの空港まで送る事にします。
気のいい村人たちに見送られ
メキシコ・シティに向けて離陸する2人。
④ 鬱蒼としたジャングルの上空を越えて一路メキシコ・シティへ向かった2人でしたが、カティの持っていたメモ帳に付属していた磁石付きのボールペンをセスナのコンパスの横に置いてしまったために航路が分からなくなり、遂にはガス欠となったセスナはジャングルの奥地に不時着する事になってしまったのです!!
メモ帳に張り付くような
磁石付きのペンの入った
ハンドバックをコンパスの横に
置いたために…
航路が分からなくなったセスナ機は
やがてガス欠となってしまい
ジャングルの奥地に不時着しました!
…そ、それって絶望的な状況なのでは
さて、未開のジャングルに降り立ったラティカーとカティには、一体どんな運命が待ち受けていたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
絶体絶命の2人の明日はどっちだ!?
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作の後編は、1960~70年代に多く作れらた「ナチスの残党モノ」の最初期の作品!
第二次世界大戦で敗北したナチスドイツですが、莫大なユダヤ人の財宝を奪ったナチス党員はまだ全滅した訳ではなく、ブラジルやチリ、ペルーといった中南米の国々や、絶海の孤島に落ち延びて捲土重来のための準備をしているという噂は都市伝説のようなものと考えられていましたが、1960年のナチス親衛隊のアドルフ・アイヒマンがアルゼンチンで逮捕され、1979年に殺人医ヨーゼフ・メンゲレがブラジルで死亡していたのが発見された事で、南米=ナチス残党の隠れ家説は、事実だった事が証明されて行くのです。
そう。
邪悪な人間は、劣悪な環境でも生き残れるもの。
ラティカーとカティが密林の中で出会った2人のドイツ紳士は、自分たちの権威を再び世界に認めさせる事を目標として、密林の王国に君臨している狂気に憑りつかれた男たちだったのです!
中南米の奥地で息を潜め
再起のチャンスを狙っている
ナチスの残党たち!
私見ですがそんな本作は中南米を舞台にしたサバイバル系のアクション映画であると同時に歪んだ思想に憑りつかれた持った人間は、たとえ一時的に社会から排除できたとしても、自分が排除された事で更なる狂気に陥り、再度世界に復讐しようと考える可能性がある事を描いた作品として観る事もできる作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?
俺たちに協力しないと殺す!
俺たちを批判するなら殺す!
俺たちから逃亡するなら殺す!
俺たちの存在を知ってるから殺す!
…なんだ、結局殺すんですね。
近年、偏狭な自己主義や思想を
声高に主張される方々が
世界中に多数散見されますが
彼らの考え方の行きつく先はきっと
ナチスの偏狭さと
同質なのではないでしょうか?
性的少数者が!!
脱炭素社会が!!
クジラが!!
昆虫色が!!
おっと、この話は
この位で辞めておきましょう…
という訳で次回は
家族という縦糸
というテーマで
ミュージックボックス
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品作品
「ブラジルから来た少年」
ナチスの残党の逃亡先の南米で
アウシュビッツで人体実験を繰り返していた
ヨーゼフ・メンゲレが指揮している
謎の計画が進行中!
ナチスとは何の関係もない
世界中の公務員100人の殺害を命じた
メンゲレの真意とは?
人は夢が潰えてしまった時
その夢をもう一度再現するという行為が
新たな人生の目標となってしまい
捲土重来の妄執に
憑りつかれる事があるのです…