こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑲というテーマで

 

異教徒の旗印(1954)

(原題:SIGN OF THE PAGAN)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、惜しまれながらも2022年3月に終了を迎えた、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ!

 

 

アッティラって誰??

 

本作は1954年に公開されたアメリカの歴史映画。

 

本シリーズの「遥かなる地平線」という作品は、2006年に公開された「ナイト・ミュージアム」という作品に登場するサカジャウィアというネイティブ・アメリカンの姿が描かれた作品でしたが、本作は同じく「ナイト・ミュージアム」に登場するアッティラというフン族の王について知る事ができる作品!

 

 

アッティラ大王という名前が歴史の教科書に書いてあった事を覚えていても、何をやった人物かを覚えている方は、日本人ではあまり多くはないかもしれません汗

 

ですがヨーロッパ人にとってアッティラは、「神の災い」や「神の鞭」「大進撃(The Great Ride)」などと言われ恐れられた恐怖のシンボル!!

 

 

 

本作はそんなアッティラが、絶体絶命な状況に何度も陥りながらも群雄割拠の諸民族を統べる覇王へとなってゆく姿を描いた、歴史ドラマとなっているのです!

 

常に命を狙われながら

征服王となったアッティラとは

どんな人だったのでしょう?

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

「タンガニイカ」のアルバート・J・コーエンが1954年に製作した古代ローマを舞台とするシネマスコープで、「フォルウォスの黒楯」のオスカー・ブロドニーと「地上最大のショウ」のバリー・リンドン合作の脚本を「心のともしび」のダグラス・サークが監督した。

撮影は「心のともしび」のラッセル・メティ、音楽は「心のともしび」のフランク・スキナーとハンス・J・サルター。「戦いの矢」のジェフ・チャンドラー、「アロウヘッド」のジャック・パランス、「ホフマン物語」のリュドミラ・チェリーナ、「夜の人々(1954)」のリタ・ガム、ジェフ・モロー、ジョージ・ドレンツらが出演する。
 

 

 

 
はい。

 

本作は1930年代から映画を撮り続けているベテランのダグラス・サーク監督によるシネマスコープという横広映像の歴史スペクタクル!

 

広大な風景を撮るのに適している
シネマスコープの横広映像!
 
 
 

そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り。

 

① 東ローマが、ローマ皇帝から分離独立を画策していた西紀450年。フン族の王アッティラはローマ帝国を目指して進軍しており、進軍中に襲撃した村でローマ帝国の百人隊長マーシアンを捕えます。


足に矢を受け捕えられた

百人隊長マーシア。

 

 

② マーシアンからローマ軍の戦術を学ぼうと考えたアッティラは、彼を戦術指南役に任じて部下を訓練させますが、マーシアンの任務は東ローマがローマ帝国から独立しないよう要請する親書を東ローマの首都コンスタンチノープルにいるシオドシアス帝に届ける事であったため、矢傷が癒えたマーシアンは、隙をみてアッティラの愛馬を盗んで脱出してしまいます。

 

捕虜を部下にする度量がある

アッティラに雇われたマーカスでしたが…

 

マーカスはアッティラの白馬を奪って

コンスタンティノープルへ。

「畜生!やられたぜ!!」

 

 

③ 親書をシオドシアス帝に渡したマーシアンですが、既にローマ帝国からの独立する決断をしていたシオドシアス帝はマーシアンの進言を断り、ローマ帝国攻略の先兵として利用するために近隣の諸民族を招集します。

 

ローマ帝国を滅ぼす気まんまんの

シオドシアス帝は、マーシアンを懐柔し

味方につけようとします。

 

 

④ ですが諸民族の中にいたアッティラは、自分が兵を率いてローマ帝国を滅ぼしてみせると約束し、ローマ兵と戦うための兵士を要請するために、再びマーシアンを自分の配下につけるよう要請したのです!

 

他の民族より遅れて来た

アッティラがローマ攻略を請け負います!

 

 

 

さて、果たしてアッティラは、本当にローマ帝国を滅亡させてしまうのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

衆人環視の中、東ローマの強者を

圧倒するアッティラ!

彼はローマを滅ぼしてしまうのか!?

 

 

【私の感想】1960年代の社会風俗とは?

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はフン族のアッティラを蛮族ではなく類まれな策士として描いる作品!

 

一度裏切ったマーシアンを罰するどころから優遇してしまうアッティラは、内紛によって分裂しようとしているローマ人たちよりずっと優れた戦略家として描かれているのです。

 

ローマ人がいない諸民族の前では

ローマ帝国を倒した後で

東ローマも制圧すると宣言する

戦略家のアッティラ!

 

 

 

そう。

 

常に隣国と戦っているヨーロッパ人は、近親憎悪を繰り返している民族。

 

 

ヨーロッパ人は常に自分たちが世界を統べていると慢心しているからこそ、時より発生するアジアや中近東からの攻撃には、どう対処して良いか分からず右往左往する事となるのです。

 

敵の強さを知らないだけでなく

己の弱さも知らないヨーロッパ人は

百戦危ういのですあせるあせる

 

 

 

私見ですがそんな本作はフン族の英雄アッティラの戦いの軌跡を描いた作品であると同時に現在、顕在化しつつある中東やアジアの勃興や、白人中心社会を崩壊させようとする動きに対し、白人同士が己の利権で争っている現代の状況と重ね合わせて観る事ができる作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

当世一の戦略家アッティラが

唯一理解できなったのが

博愛と救済というキリスト教の定義!

 

ですがそんなキリスト教すら

自ら否定しつつある現代の白人たちは

果たして次の時代も

世界の中心でいられるのでしょうか…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

ダグラス・サークの視点

 

というテーマで

 

愛する時と死する時

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい発掘良品作品!
「SF核戦争後の未来・スレッズ」

 

現在も世界を破滅させる

可能性が高いのは白人たち!

 

ロシアとアメリカが争うなら

その結果は世界中の人々が

享受しなければならないのです。

 

無知な白人の断末魔を描いた本作は

並みのホラー映画よりも

遥かに恐ろしい展開なのです…