こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑲というテーマで

 

もしお許し願えれば女について話しましょう(1964)

(原題:SE PERMETTETE PARLIAMO DI DONNE)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、惜しまれながらも2022年3月に終了を迎えた、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ!

 

 

ヨーロッパ・ショートショート・ムービー①

 

本作は1964年に公開されたイタリアのラブコメディ映画。

 

メチャクチャ長いタイトルですが、原題の「SE PERMETTETE PARLIAMO DI DONNE」が「よろしければ、女性についてお聞かせください」という意味ですので、原題に忠実なタイトルとなっています😊

 

日本版DVDは仏版の

「PARLONS FEMMER)」

のポスターを使用しており

大変オシャレな雰囲気となっています。

 

日本版DVDジャケット。

 

 

そんな本作は、男女のやり取りを描いた短いエピソードを集めたようなショートショート・ムービーとでも言うようなオムニバス作品!

 

昭和の時代には日本でも作られていたショートショート・ムービーですが、現代ではホラー以外ではあまり見られる事が少なくなりつつあるよう思われます。

 

日本でも1970年代頃には

ショートショート・ムービーが

多く作られていました。

こちらはアニメのショートショート

「ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!(1971)」

 

 

尚、本シリーズでは、本作に加えて「フランス式十戒」という60年代ヨーロッパのショートショート・ムービーがセレクトされており、60年代の世相を理解する上でも、有意義なセレクションとなっているのです!

 

 

 

アメリカ映画における歴史映画の多くは、私達日本人にはあまり馴染みがない北米植民地時代を描いたものが多く、興味をもてない方も少なくないかもしれませんあせる

 

あれ?60年代なのに結構モダン!?

60年代は、どんな時代だったのでしょう?

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

ルッジェーロ・マッカリと「三月生れ」のエットーレ・スコラが共同でシナリオを執筆、エットーレ・スコラが演出した艶笑譚。

撮影はサンドロ・デヴァ、音楽は「昨日・今日・明日」のアルマンド・トロバヨーリが担当した。

出演は「史上最大の喜劇 地上最笑の作戦」のヴィットリオ・ガスマン、「夏物語」のシルヴァ・コシナ、「太陽の誘惑」のアントネラ・ルアルディ、「ローマで夜だった」のジョヴァンナ・ラリ、「女の部屋」のエレオノーラ・ロッシ・ドラゴ、「危険なデイト」のジャンヌ・ヴァレリーなど。
 

 

 

 

…「艶話って何?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、これはラブコメディとほぼ同義語!

 

崇高な愛や高尚な恋愛観を描いた恋愛映画とは異なり"恋愛あるある"が描かれたようなラブコメディは、観客にとって等身大の恋愛映画!

 

本作では、愛を至上のものと考えるイタリア人たちの、下世話だけど情熱的な9つの"恋愛あるある話"を楽しむ事ができるのです😘

 

第1話は、猟銃を肩にして家にやって来た男に、夫を殺されると勘違いした妻が取った行動な話

 


家の前で夫を待っている

ライフルを持つ男!

このままでは夫が殺されちゃうあせる

 

 

第2話は、外ではメッチャ陽気でナンパ大好きなイタリア人男性は、家に帰るとどんな夫になるの!?
 

外ではハイテンションのイタリア人男性。

だけど家では…

 

 

第3話は、ナンパして女性の部屋にしけこんだ男が彼女の部屋で見つけたのは昔の親友との結婚写真!え?ひょっとして彼女は…

 

事が終わって着替えている時

相手の夫が、学生時代の友人だと

気づいてしまったナンパ男!

…ど、どうしよう汗

 


第4話は、妹が男に騙されて泣いている!母親から相手に文句を言うよう命じられ、不安いっぱいでナンパ男の元へと向かう兄に待っていた出来事とは!?
 

「あんた!落とし前つけて来な!」

「え?俺があせるあせる

 

 

 

ねっ。

 

崇高な愛でも、高尚な恋愛観などカケラもない下世話な艶話ですね😅

 

 

 

さて、一体果たして残り5つの話は、どんな艶話が展開されるのでしょう?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 


ベッドで目覚めた美女は大慌て!

彼女の身に一体何が!?

 

 

【私の感想】60年代のポップカルチャーの黎明期

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、前述したように本作は「愛は永遠」とか「誠実な愛」とか「純潔の尊さ」などが一切登場しない、いわゆる"今どき"のラブコメディ映画!

 

ですが本作が公開されたのが1964年ですので、この"今どき感覚"は60年前のもの!!

 

という事は、大人が眉をひそめるような今どきの男女関係という愛のカタチというのは60年前から既に顕在化していたという事なのです!!

 

 

 

そう。

 

昔の人たちは、私達現代人がイメージしているほど清廉潔白な日々を送っていた訳ではありません。

 

 

特に第二次世界大戦が終わった1945年以降に、世界中で爆発的に激増した子供たちが大人になった1960年代は、戦前の大人たちとは全くちがう価値観やモラルを持った若者たちによるカウンターカルチャーが吹き荒れた時代であり、恋愛関係もまた、それまではちがう価値観やモラルによって、塗り替えられつつあった時代だったのです。

 

廃品回収業者を家に招いた

上流階級のマダムの目的とは…

恋の流儀は新時代へ!

 

 

私見ですがそんな本作は60年代に勃興していた若者文化の影響を受けたラブコメディ映画の源流を観る事ができる貴重な作品であると同時に恋愛観や倫理観というものは、常にの世代の若者たちの価値観によって上書きされ続けるものであり、現代の若者たちが求める恋愛感情が、自分たちの世代と異なっている事に危惧する必要がない事を証明する作品として観る事がものではないかと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

自家用車の本格的な普及だって

1960年代頃から!

 

だから自動車を使っての

過激なラブシーンも

1960年代頃に生まれます。

 

その時代を生きる若者たちは

恋愛の在り方を

変化させてゆくものなのです😄

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

妻を(再度)めとらば

 

というテーマで

 

イタリア式離婚狂想曲

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい発掘良品!
「パリ、テキサス」

 

では80年代の恋愛観は?

 

恋はいつの時代でも

とても切ないものなのです…