こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑱というテーマで

 

バッジ373(1973)

(原題:BADGE 373)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、惜しまれながらも2022年3月に終了を迎えた、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ!

 
 
実話に基づいた70年代のNY移民問題

 

本作は1973年に公開されたアメリカ映画。

 

60年代の若者革命が終わった1970年代の初頭は、世界中で今まで語られる事がなかった様々な問題が一気に噴出して来た混迷の時代。

 

 

本作は、そんな混迷期のニューヨークを舞台にした実話ベースのサスペンス映画!

 

剛腕で知られていたベテラン刑事のエディが目にしたのは、激増したプエルトリコ移民によって変質してゆく自分の知らないニューヨークの姿だったのです…

 

映画の冒頭の事件の責任を取らされ

停職処分になったエディ!

任務を果たした俺がどうして停職に!?

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

ニューヨークの刑事として19年間警察勤めをし、停職処分を受けたエディ・イーガンの実話の映画化。

製作は監督のハワード・W・コッチとローレンス・アプルバーム、脚本は“ニューヨーク・ポスト”のリポーターだったピート・ハミル、撮影はアーサー・J・オーニッツ、音楽はJ・J・ジャクソン、編集はジョン・ウッドコックが各々担当。

アドバイザーはエディ・イーガン。出演はロバート・デュヴァル、ヴァーナ・ブルーム、ヘンリー・ダロウ、エディ・イーガン、フィリップ・ルシアーノ、ルイス・コンセンティノ、ティナ・クリスティアニ、マリナ・デュレルなど。

 

 

ええっ!
 
19年間警官として勤務していたベテラン刑事が突然停職処分!?
 
 
はい。
 
主人公のエディは、長年ニューヨーク゛勤務していたベテラン刑事!
 
 
ある晩、麻薬摘発のためにダンス・ホールを急襲したエディは、売人がプエルトリコ人のチコという男だと知って愕然とします。
 
 
プエルトリコからの難民申請を受理され、英語を教えてもらい、様々な支援いを受けていたはずなのに、チコは既に一度刑務所に収監されていた男。
 
エディにとって、難民として受け入れてもらえただけでなく、再起のチャンスまでもらえているのに、チコが何故犯罪に手を染めるのかが全く理解できなかったのです。
 
ですがエディに問い詰められたチコは「施しを受けたが、尊厳が奪われた!」と吐き捨てるように言ってエディから逃亡を試みた末に、誤ってビルから転落して死亡してしまったのです!!
 
エディたちが逮捕したかったのは
最近急成長しているシンジケートのボスの
イート・ウィリアムという男でしたが
彼の一味は麻薬を所持しておらず…
 
そんな時、会場から逃亡したのは
プエルトリコ難民のチコ!
 
チコは麻薬を投げ捨てながら
屋上へと逃亡した事で
エディに追い詰められてしまいます。
 
エディはチコを捕えようとしますが…
 
スキを突いて逃げようとしたチコは
誤って転落死してしまいます!
 
 
むむむ。
 
これは不可抗力の事故ですね汗汗汗
 
 
ですがマスコミは、プエルトリコ難民だったチコが暴力警官によってビルから突き落とされて殺されたと報道したために、世論の反発を恐れた上層部の命令によって、エディは停職処分にされてしまったのです!
 
仕方なくエディは、しばらくの間バーテンダーをする事にしたのですが、ある日、エディの相棒だった刑事のジジが殺害されたという報を受け取ったのです!!
 
 
さて、果たしてジジの死因はエディの事件と何か関連があるものだったのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
停職となったエディの代わりに
ジジの相棒となったのはディエゴという刑事。
あれ?ディエゴという名前は
中南米系ですよね。
ひょっとしてディエゴもプエルトリコ人?
 

 

【私の感想】多民族共生社会とは?

 

本作はミステリー映画ですので、皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作で描かれているのは、70年代の初頭にじわじわとアメリカ社会へと浸透しつつあった中南米系の難民たちと、エディたちアイルランド系との軋轢を描いた作品!

 

1961年の「ウエスト・サイド物語」で既にNYに定住し始めていたプエルトリコ人の若者は、それ以前からNYに住んでいたイタリア系の若者たちと激しく激突して行きますが、「ウエスト・サイド物語」から10年経った本作では、プエルトリコ人たちは様々な形でNY社会に進出し、それまでの住人たちとの間に新たな軋轢を生み出していたのです。

 

死んだジジには愛人がいたという

自分が知らない情報を得たエディは

リタという愛人の住所を突きとめ

留守宅を物色すると証拠の写真を発見!

あれ?リタも中南米だし

2人と一緒に写真に写っていてた男は

ダンス・ホールにいた

イート・ウィリアムじゃないか!?

まさかジジは捜査情報を

ウィリアムに流していたのでは…

 

 

そう。

 

難民が市民権を得れば、彼らはその国の市民!

 

 

そして市民として認められた以上、彼らがどのような生活をし、どのような職に就き、どのような人生を送るのかは、彼らの自由なのです。

 

気が付けばトレンチコートを着ている

アイルランド系はエディだけ。

プエルトリコ人がNYで暮らすのは

市民として認められた権利なのです…

 

 

私見ですが本作はキネマ旬報社さんの解説の通りニューヨークの刑事として19年間警察勤めをし、停職処分を受けたエディ・イーガンの実話を映画化したものであると同時に元々移民だったアイルランド系のエディが、自分たちの街だと思っていたNYがプエルトリコ系の人間に奪われてゆく姿を、忸怩とした想いで観ている姿を描いた作品であり移民問題についての問題提起をしている作品としても観る事ができるのではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

難民→市民→次は政治だ!!

プエルトリコの国旗しかない政治集会は

アメリカのための政治活動なのでしょうか?

移民問題とは軽々に決断すべき問題では

ないかもしれませんね…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

冤罪!断罪!また断罪!!

 

というテーマで

 

消えた拳銃

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい発掘良品!
「フリーダム・ライターズ」

 

多くの人種のが共存する街

ロサンジェルスでは

高校内でも学生間で一触即発の

民族対立が起こっていました。

 

そんな学校に赴任したエリンは

それぞれの学生がどういう境遇で育ち

どんな悩みを抱えているかを

学生たちがお互いに知るべきだと考え

交換日記を始めます。

 

貧困や劣悪な環境で生きている学生が

自らの手で綴った日記は

民族を超えてお互いに共感できる環境を

作り上げていくのです。

 

希望に満ちた作品なのですが

現状のロサンゼルスの姿を見ると

エリン先生の熱意は

伝わらなかったのもしれません…