こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑰というテーマで
イカリエ-XB1(1963)
(原題:IKARIE XB 1)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
↑今月のラインナップの詳細はコチラ!
本作は1965年に公開されたチェコスロヴァキア 映画。
チェコスロバキアとは、1993年にチェコ共和国とスロバキア共和国に分離してしまい現在は存在しない国。
今は亡きチェコスロバキアの国旗。
けれど国が亡くなってしまっても、その国で生まれた文化は時代を超えて存続し続けます。
TSUTAYA発掘良品では、本作と第64弾の「闇のバイブル 聖少女の詩」という2作のチェコスロバキア作品がセレクトされているのですが、1995年にチェコスロバキアが無くなって27年の月日が経過した現在においては、どちらの作品も「今は亡き国で作られた美しい童話」のような存在となっているのです😘
チェコスロバキアの文化が綴れたファンタジー
「闇のバイブル 聖少女の詩」!
チェコスロバキアの人々の思い描いていた
未来が描かれた「イカリエ-XB1」。
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は共産主義政権の国だったチェコスロバキアの世代を1980年代のUFOの乗組員に投影し、西側への憎悪を抱き人類同士で殺しあいを望んでいる世代を終わらせ、人種や性格を越えてお互いに分かり合おうとするイカリエ-XB 1号の乗組員のようにならないかと、観客に問いかけているような哲学的な作品!
新しい知的生命体を探すために年齢の壁を越えてイカリエ-XB 1号に乗船した乗組員たちは、人間同士が争う事になんの価値を感じない、冷戦マインドを越えた世代であり、そんな彼らだからこそ、映画のラストは希望に満ちたものとなっているのです。
そう。
人類はお互いに争い合っている間は、幸福になれる事はありません。
そんな本作は、スタンリー・キューブリック監督によって換骨奪胎され「2001年宇宙の旅」で再び、殺し合う人類の壁を超越し、イカリエ-XB 1号の乗組員のようになれるのかを観客に問いているように思えます…
1968年の「2001年宇宙の旅」の宇宙服は…
1963年公開の本作の宇宙服に似ていますし
宇宙船の中でマラソンをするのも
本作のスポーツジムに通じる気がします…
私見ですがそんな本作は、密室の中で徐々に狂気に汚染されていく宇宙船の乗組員たちのサスペンスフルな人間ドラマと、近未来のユートピア的世界を独創的なスタイルで映し出した映画であると同時に2022年の私たちはイカリエ-XB 1号の乗組員のような理性と抑制力を持った人類なのか、それとも人間同士で憎しみ合って死滅した1980年代の人類の残滓なのかを観客自身が考える作品という観点からも観る価値のある作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
映画のラストには宇宙に赤ん坊!
これも「2001年宇宙の旅」のラストと
似ているような気が…
本作の日本公開は2018年ですので
2つの作品の類似点について考察するのは
これからなのではないかと思います😉
という訳で次回は、いよいよ本シリーズの最終回!
مترجم عربي
というテーマで
桜桃の味
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品のチェコスロバキア作品!
「闇のバイブル 聖少女の詩」
少女の夢を映像化したような本作は
、今は亡きチェコスロバキアの
映しい風景や、習慣や風俗、
そして美しい女の子たちが
映像として今も息づいています。
共産主義政権だった
チェコスロバキアでは、
本作のような創造力を
豊かにするような作品は
共産党当局によって
禁止されてしまいますが、
監督のヤロミール・イレシュ氏は
本作の撮影を強行して
作り上げたのでした!