こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑭というテーマで
闇のバイブル 聖少女の詩(1969)
(原題:VALERIE A TYDEN DIVU)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
本日の作品は、ファンタジックな夢物語!
似たタイプの作品としては「ファンタズム」や「ピクニック・アット・ハンギングロック」や「ひなぎく」や「エコール」などが挙げられると思いますが、発掘良品はストーリー重視の作品が多いので、本作のようなタイプが選ばれているのは、大変珍しい事だと思います😊
もし引き続き、発掘良品のような別シリーズを企画されるなら、感動麗品みたいなうタイトルで、美麗な映画をセレクトしてみるのも楽しい気がいたします😘😍😉
映像の美しさを楽しめる作品でもあるのです!
↑女の子の美しき幻想世界へようこそ
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
解説にある通り本作は、多感な少女に降りかかる恐怖を幻想的な映像で描くファンタジックホラーとして観る事もできると思います!
主人公の少女ヴァレリアが住む村に旅芸人の一座がやって来ますが、座長らしきイタチと呼ばれている男は、悪魔のような容貌に変身する吸血鬼でした!!
↑不気味な顔を持つイタチは吸血鬼!
父母を亡くし、祖母と二人で暮らしていたヴァレリアでしたが、イタチは祖母を襲って吸血鬼にしてしまい、若さを取り戻した祖母は、ヴァレリアの叔母と名乗って一緒に暮らし始めます!
↑祖母を誘惑したイタチは、祖母の血を吸って…
↑祖母は吸血鬼に!!
↑独りぼっちになったヴァレリアでしたが
若くなった祖母は親戚だと偽り、彼女と同居生活に!
さて、吸血鬼となった祖母と暮らす事となったヴァレリアは、果たしてどうなってしまうのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑ヴァレリアは吸血鬼となった祖母と
どのように暮らしていけば良いのでしょうか…
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、上記の解説は、多くの部分を省略させて頂いていますので、実際に映画をご覧になった方はきっと「こんなに分かりやすいストーリーではなく、もっと色々な出来事が起こる、夢の中の出来事のような映画だ」とおっしゃるのではないかと思います!
そう。
恐らくですが本作は、少女の夢を映像化する事を目的として作られた作品!!
サルヴァドール・ダリの絵が、ダリという絵描きの心の中のビジュアルを映像化したものだとするなら、少女の夢を映画化したような作品があったとしても不思議ではないと思います😆
↑ヤン・シュヴァンクマイエル監督による「アリス」は
シュヴァンクマイエル監督の頭の中で描いた
誰も見た事のないような悪夢の不思議の国!!!
本作は1969年にチェコスロバキア(現在は消滅した国家)で作られた作品!!
公開当時、共産主義政権だったチェコスロバキアでは、本作のような創造力を豊かにするキッカケとなるような作品は共産党当局によって禁止されてしまいますが、監督のヤロミール・イレシュ氏は撮影を強行し作り上げました!
そんな本作に映されていたのは、今は亡きチェコスロバキアの映しい風景や、習慣や風俗、そして美しい女の子たち!!
↑美しいチェコスロバキアの家庭!
↑不思議な調度品!
↑幻想的な婚礼風景!
↑こんな光景は、まだ残っているのでしょうか…
本作は、ヴァレリアを演じたヤロスラヴァ・シャレロヴァの可愛さを撮ったロリータ映画であると仰る方もいらっしゃいますが、私としては創造力のある世界を否定する共産主義政府の政策に対して、魂の自由さを示して見せたチェコスロバキア魂を刻み込んだような幻想譚ではないかと考えています😘
そんな本作は吸血鬼が登場するにも関わらず、あまり恐ろしくない童話のような牧歌的な作品!
ほぼ同時期にチェコスロバキアで作られたヴェラ・ヒティロヴァ監督の「ひなぎく」が、灰色の圧政社会でも自由に生きる女の子たちを描いたものだとすれば、本作はチェコスロバキアの昔ばなしを思い出させてくれるような魂の鎮痛剤だったのではないでしょうか?
↑「ひなぎく」が当時の女の子の魂の自由さを
描いた映画だとするならば…
↑本作は、共産主義下のチェコスロバキアにおいて
自分たち国の文化、風俗、習慣、人々を称賛した
「この国の事を忘れないで」というメッセージを
夢を通して描いた作品ではないでしょうか…
という訳で次回は
個々が私の守る場所
というテーマで
プレイス・イン・ザ・ハート
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品!
「WALKABOUT 美しき冒険旅行」
こちらも美少女映画として語られる事が多い作品ですが、私としては「現代人にとっての通過儀礼とは何か?」をビジュアル的に描いた哲学的な作品ではないかと思います😊