こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑰というテーマで

 

サランドラ(1977)

(原題:THE HILLS HAVE EYES)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、惜しまれながらも2022年3月に終了を迎えた、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

 

 

 

サランドラなんて無かった!?

 

本作は1977年に公開されたアメリカ映画。

 

邦題は「サランドラ」という意味不明なタイトルとなってしまっていますが、原題の「THE HILLS HAVE EYES (ザ・ヒルズ・ハブ・アイズ)=丘は見ている」という謎めいたもの!

 

丘が見ているってどういう意味?

 

 

 

あれ?

 

邦題で「ヒルズ・ハブ・アイズ」と言えば、2006年に公開された同名のホラー映画が存在しますよね汗汗

 

日本では2007年に公開された

「ヒルズ・ハブ・アイズ」という作品!!

 

海外版のポスターも怖そうですねあせる

 

 

…はい。

 

ここが日本の映画配給会社の困ったところ!

 

 

賢明な皆様は既にお気づきだと思いますが、2006年の「ヒルズ・ハブ・アイズ」は、1977年に公開された「THE HILLS HAVE EYES」のリメイク作品なのですが、1977年作品の邦題が「サランドラ」という意味不明なタイトルとなってしまっているために、2つの作品の関連が分からなくなってしまっているのですあせるあせる

 

タイトルがウソなだけでなく

「あなたの眼が破れます」ウソ+1

「戦慄のジョギリ・ショック」ウソ+2

「劇中登場しない変なナイフ」ウソ+3

という4つのウソ広報で宣伝された本作が

「ヒルズ・ハブ・アイズ」の原作とは

ちょっと想像できませんね😅

 

 

ちなみにそんな本作は、実在されたと言われいる15世紀のアイルランドに生息していたと言われているソニー・ビーンという食人一家をモチーフにした、サスペンス・ホラーなのです…

 

語るもおぞましい食人一家とは!?

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

カリフォルニアの砂漠地帯を舞台に、退職警官一家と食人一家の闘争を描く。
シトヘスの恐怖映画祭でグランプリを受賞している。
製作はピーター・ロック。
監督・脚本・編集は恐怖映画専門のウェス・クレイヴン。
撮影はエリック・サーリネン、音楽はドン・ピークが担当。
出演はスーザン・レイニア、ロバート・ヒューストン、ヴァージニア・ヴィンセント、ディー・ウォーレス、ジェームズ・ウィットワース、コーディ・クラークなど。
「サランドラ」とはギリシャ神話の化物とのことだが、映画の内容とはまるで関係ない

 

 

…「キネマ旬報社」さんには珍しく感情的な解説ですね😅

 

 
ですが作品内容は上記の解説通りの「退職警官一家と食人一家の闘争」を描いたホラー映画!
 
退職警察のボブの一家は、娘の結婚式をカリフォルニアで執り行うためにトレーラーハウスで人気のない砂漠地帯を疾走していました。
 
無人の砂漠を疾走するボブのトレーラー。
 
 
メイン街道を通ってカリフォルニアへと行きたかったボブでしたが、妻のエセルから、叔父から遺産として相続させた土地がこの近くなので見てみたいと頼まれ、仕方なく人気のない道を行く事としたのです。
 
途中で立ち寄ったガソリンスタンドの老人は、ボブたちの向かう方向には何もないから引き返せと警告されますが、無視して突き進んだボブたちの車は、上空を轟音で飛ぶ航空機に気を取れて運転を誤って藪に突っ込んでしまい車が壊れてしまいます!
 
航空機に気を取られたボブは
路上のウサギを避けるため藪に突っ込み
車を壊してしまいました!
 
 
人気のない砂漠で立ち往生してしまったボブは、ガソリンスタンドまで戻って助けを求める事にします。
 
ボブは、妻のエセル、長女のリンと夫のダグと赤ん坊、次女のブレンダと長男のボビーの6人を車の近くで待機させる事にして出発しますが、そんなボブの家族を丘の上から双眼鏡で見つめている怪しい人影には気づかなかったのです…
 
ボブの家族を見つめる謎の人影!
 
 
 
さて、果たして人通りのない砂漠で孤立無援の状態におかれたボブの一家には、果たしてどんな運命が待っていたのでしようか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
元警官のボブ以外はごく普通の家族。
果たして彼らは食人一家を撃退できるのか!?
 
 

 

【私の感想】 アメリカの恐怖伝説

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、前述させて頂いた通り本作は、15世紀のアイルランドに生息していたと言われているソニー・ビーンという食人一家をモチーフにして作られたホラー映画。

 

怠惰で粗暴な性格だったソニー・ビーンは父親の元から逃亡し、性悪な女性と洞窟暮らしながら沢山の子供を作り、子供たちと共に旅人を殺害して人肉を食して生活していたといわれており、本作においては、ガソリンスタンドの老人のジュピターという名の粗暴な子供が老人の妻を殺害して砂漠へと逃亡し、性格の悪い女性と洞窟で暮らして家族を作っている事が後に明かされます。

 

老人が語る奇怪なジュピターの物語を聴き

絶句してしまうボブ。

 

 

 

え?

 

そんな話は、あり得ない?

 

 

…本当にそう言い切れるでしょうか?

 

 

 

 

そう。

 

人の住んでいない広大な土地がある国には昔から「人里離れた場所には、退化した人間が生息しているかもしれない」というフォークロア(伝説)が存在するのです!

 

人肉を喰うソニー一家ような人間は

本当にいないと言い切れる?

 

 

 

本作は、そんなフォークロア伝説を現代に蘇られたホラー作品!

 

砂漠にすむジュピターの家族にとっては、荒野で立ち往生していたボブの一家は、大切なタンパク源であり、自分たちの子孫を増やすための苗床でもあったのです!!

 

飼っている鳥を生で喰うジュピター!

タンパク質を摂取できる機会がない砂漠では

動物の血肉は貴重な食糧!

 

おいおいおいおい。

もっと旨そうなものが落ちてるぜ!

 

 


私見ですがそんな本作は、人肉を求めて歩ボブの一家に襲い掛かるジュピター一家との息詰まる死闘を描いたサバイバル・ホラー映画であると同時に文明が及ばない隔絶された地で、人間はどこまで退化してしまうのかを考えさせられる反文明社会の存在を描いた作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

本作に似た文明と隔絶された土地で

生死の危機が訪れる映画は

1970年代に多く作られています。

 

「脱出」「悪魔のいけにえ」などは

文明社会を否定した人々の

成れの果てを描いた作品だと思われます。

 

ですが一度は廃れたはずの

退化した人間のホラー映画は

何故か2000年以降に復活し

存在感を増してます!

 

「クライモリ」「襲撃者の夜」

「マーダーライドショー」そして

「ウィンターズ・ボーン」などは

本作の子孫のような存在ではないでしょうか…

 

 

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

恐怖の人肉ソーセージ!

 

というテーマで

 

ブラック・エース

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい食人家族の映画!
「肉」

本作の原題は

「WE ARE WHAT WE ARE」

 

アメリカの諺に

「We are what we eat」
(私たちは食べたものからできている)

というものがあるようですが

もし食べたものが人肉だったら…

 

本作は禁忌の食人によって生じる

クールー病について描いているのです…