こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日想像力とRAT-TAT-TATというテーマで

 

ウエストインディーズ・ギャング(2016)

(原題:LE GANG DES ANTILLAIS)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力とRAT-TAT-TATとは

 

今月のテーマは、近年増加しているRAT-TAT-TAT(ラッタッタ)と軽快に銃を撃ちまくるガン・シューティング作品をセレクトして、エンターテイメント系のアクション映画をご紹介されて頂く"残弾無制限のガン・アクション"特集🔫

 

ゲームやコミックのようなガン・アクションの世界をお楽しみ頂ければ幸いです😆

 

 

 

 

 

現実世界に銃撃はあるのか?

 

本作は2016年に公開された実話をベースにしたフランスの映画。

 

邦題は「ウエストインディーズ・ギャング」ですが、英題は「GANG OF THE CARIBBEAN (ギャング・オブ・カリビアンズ)」

 

 

邦題も英題と同様「ギャング・オブ・カリビアンズ」でも良いのではないかと思いますが、ひょっとすると某社の海賊映画と混同される可能性を考え「ウエストインディーズ・ギャング」にされたのかもしれません😅

 

「パ〇レーツ・オブ・カリビアンパクリ?」

と思われないようにしたのかも??

 

 

ですがそんな本作はコミカルな映画ではなく、フランスに強制的に移住させられた移民たちの子孫の現状を描いた作品なのです…

 

コミカルなシーンもありますが、

基本的にはシリアスな社会問題の作品です!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「Netflix」さんのページの紹介文によれば、本作の解説は以下の通り。

 

1970年代、西インドから移民としてやってきたジミーはフランスでの生活に失望し、ギャングの一員に。

やがて、男は裏切りと暴力の波に飲み込まれていく。
 

 

 

はい。
 
解説にある通り主人公ジミーは1970年代に西インドから移民としてフランスにやって来た男!
 
 
 
1964年に仏領となったインドシナ諸島の人々に対しフランス政府は、国内の労働力を確保するためにビュミドム (BUMIDOM)という名の移民局を設立し「職業訓練を受け就職できると」と言って無料でフランスへ招き入れる政策を開始し、ジミーは父親と一緒にフランスへ移り住む事になりました。
 
 
おおっ。
 
職が無くて困っている人に就業機会を与えてくれるなんて、フランスって慈愛に溢れた素晴らしい国ですね😘
 
 
 
…えっと汗
 
ですがビュミドムの甘言に乗ってフランスに来たインドシナ諸島の人々に待っていたのは、清掃員や家政婦などの職業訓練だったのです!!
 
 
清掃員や家政婦などになるために7000kmの距離を旅してフランスに来た訳ではないと怒ったインドシナ諸島の人々に対してフランスは、帰国の為の旅費は出さないと言ったため、多くのインドシナ諸島の人々は、母国に帰る事もできずに低所得労働者としてフランスに留まらざるを得ない状況へと陥ってしまいます😨
 
映画の冒頭は当時のニュース映像が流れ
インドシナ諸島の人々がフランスで
意図した仕事とは異なる職種しか与えられず
帰国も叶わなかった事が説明されます。
 
 
ジミーは、そんなインドシナ諸島の人々の中でも、更に過酷な生活をして来た男!
 
フランスへ行く3日前に父親が死んでしまい、単身でフランスに来た当時13歳だったジミーは、頼るべき保護者もない状態で一人で生きなければならなくなってしまいます…
 
天涯孤独となった直後に
フランスで暮らす事になったジミー!
 
 
13歳でフランスに来たジミーは、仕事らしい仕事に就く事ができず低賃金の肉体労働者。
 
自分と同様にインドシナ諸島からフランスへやって来たリンダと恋仲になり、オディールという娘も生まれたジミーでしたが、ほぼ無職のジミーはリンダにも見限られホームレスになってしまいます。
 
カフェの掃除をしているジミーですが
家はありませんのでホームレスです。
 
 
 
…これでは、ジミーにもオディールにも未来はありませんね汗汗
 
だからジミーは、同じような境遇の3人の仲間と一緒に郵便局強盗を決行する事にします!
 
 
 
銀行とは違って警備が手薄な地方郵便局は強盗にはうってつけ!!
 
その上、仲間の一人が郵便局で働いているので、お金がいつ集配されるのかも分かっているので無駄足を運ぶ事もなく、ジミー達の郵便局強盗は成功し、ジミーはオディールと簡易ホテルに滞在する事ができるようになります。
 
「白人たちは黒人の顔の見分けもつかない!」
そんな4人は覆面もせず強盗を敢行!
ジミーは生活費以上の現金を手に入れます。
 
 
ですが後になって、彼等が郵便局を襲った時、ジミーが幼い頃に隣に住んでいた白人の女性が居合わせていた事が判明し、ジミーは口封じのために、その女性を殺害するよう仲間に命じられてしまったのです!!
 
思い出してみるとジミーが口をふさいだ女性は
以前、仲良くしてもらった隣人でしたあせるあせる
 
 
 
さて、果たしてジミーは自分の身を守るために、旧知の女性を殺害したのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
女性の家を訪問したジミーの明日はどっちだ!?
 

 

 

【私の感想】他国民を自国に招くという事は…

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はフランスが多くの植民地で行ってきた自国にとって都合の良い移民政策が、社会にどのような影響を及ぼしていったのかを理解する事ができる作品!

 

ビュミドム(移民局)の言い分は、他国民を自国で働かせる事については考えても、働きに来た人間がフランス人と同等の生活を送りたいという願いを叶えうという想いは、持ち合わせていなかったのです…

 

 

そう。

 

人を自国に招くという政策は、その人を自国民と同等に扱うという事!!

 

 

 

人権を語りながらも、植民地の人たちの人権については一顧だにしなかったフランスの政策は、チュニジアや、ベトナムや、インドシナ諸島の人々を母国から分断した結果、フランスを恨み悪事に走る人間を育成する結果を招いているのです…

 

スラブ系の移民たちとトラブルを起こし

黒人たちと銃撃し合う状況は

ビュミドムが生み出したものなのです…

 

 

 

私見ですがそんな本作は、13歳で単身渡仏したジミーの辛い人生を描いた映画であると同時に本作の原作をジミー自身が執筆し、世界的に評価されている事を理解し、たとえジミーのように豊かな才能があったとしても、家族もなく教育も受けられないのであれば強盗へと転落するかもしれない事に想いを馳せる作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

ジミーの父親は生前ジミーに向かってに

「地域に居場所がない者は、家庭にも居場所がない」

と言っていました。

 

本作はそんな「地域」も「家族」も

フランスの政策によって奪われたジミーの

魂の叫びのような作品なのです…

 

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

気楽に殺ろうぜ!

 

というテーマで

 

ヒットマン

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい"フランスの植民地迫害問題"の作品

「アルジェの戦い」

本作は、アルジェリア独立戦争の顛末を

ドキュメンタリー・タッチで描いた作品。

 

かつてフランス革命で

人民の主権を勝ち取ったフランスは

自治を勝ち取ろうとする

アルジェリア人に対しては

苛烈な弾圧を行っていたのです!