こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑯というテーマで
アルジェの戦い(1976)
(原題:LA BATTAGLIA DI ALGERI)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
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本作はかつてフランスの植民地だったアルジェリアの独立運動をリアルに描いた作品。
フランスと言えば、フランス革命時にラファイエットによって「人間の自由と平等、人民主権、言論の自由、三権分立」などを提唱したフランス人権宣言を採択した国です。
執権階級による支配を認めず
法の下の平等を求める17の原則を記した
フランス人権宣言!
ですがフランスは、自国の植民地だったアルジェリアの統治においては「人間の自由と平等、人民主権、言論の自由、三権分立」の全てを抑圧するような圧制を行っていたのです…
アルジェリア人の自由と平等、
人民主権、言論の自由、三権分立を否定し
軍を使って制圧したフランス!
あれ?フランス人権宣言は??
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は独立を望むアルジェリア人たちに対し、私たちは世界で初めて市民革命を成し遂げ、人間の自由と平等、人民主権、言論の自由、三権分立を確立したと誇らしげに語っているフランスが、植民地制度を維持するためにアルジェリアに軍を派遣し、独立派を弾圧していたという恥ずべき歴史が描かれている作品。
フランス人の入植者たちは
アルジェリア人を見下しており
住む場所も分けられていました…
そう。
人間は利己的な視点で、倫理を語る事がある生き物。
自国フランスにおける市民の革命運動を誇らしげに語るフランス人は、いざ自分たちが為政者側に立つと、人間の自由と平等も、人民主権も、言論の自由も、三権分立も植民地には認めないというダブルスタンダードを当然の如く行っていたのです…
左がアルジェリア人の住む貧民街
右がフランス入植者の住む高級住宅地。
あれ?フランス人権宣言は??
私見ですがそんな本作は、ヨーロッパ人たちの倫理観のダブルスタンダードが良く分かる作品であると同時に、現代においては、覇権主義的な野望を持った国家が他国を植民地化する事に成功しても、維持する事はまず間違いなく不可能であり、占領下の国民の怨嗟の声は国内に満ち溢れた時、最終的には占領した側が撤退するしかなくなってしまうであめう事を、アルジェリアのケースとして描いた作品であり、今の時代こそ、みておくべき作品ではないかと思います。
アルジェリアの独立派を徹底的に弾圧し殲滅したフランス軍でしたが、その2年後起こった、アルジェリア国民全員の怨嗟の声の前に、フランスはなすすべもなく徹底する事となってゆくのです…
ストで圧政に反抗するアルジェリア人を
強制的に働かせるフランス軍!
そんなフランス軍が行進しても
喜ぶアルジェリア人なんて一人もいません。
市民革命を自慢していたフランスは
市民の怒りは国を崩壊させる力がある事を
失念していたのです…
という訳で次回は
AIだって恋をする!
というテーマで
エレクトリック・ドリーム
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品作品!
「パリは燃えているか」
第二次世界大戦時にナチスドイツの占領下にあったパリが、いかにして灰燼になるのを免れたかを描いた怒涛の2週間を描いた本作は“知らざるパリ攻防戦”!
フランス自身も、他国に占領された時は草の根的に抵抗し、ナチスドイツを撤退させていたのです…