こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑯というテーマで
タンゴ・レッスン(1999)
(原題:THE TANGO LESSON)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
今月のラインナップはコチラ↑
本作は1995年に公開されたイギリスとフランスの合作映画。
タイトルからもお分かり頂けるように本作はタンゴ・レッスンの映画ですが、若い男女がダンス大会に向けてタンゴの猛練習をするような青春映画ではありません!
本作は、サリー・ポッターという映画監督が撮った、映画の仕事に行き詰りを感じているサリーという女性監督が、タンゴ・ダンサーの情熱的なステップに魅了されて個人レッスンを依頼するという、現実と映画の世界が入れ子構造となっている作品なのです😄
ダンスに魅了されるサリーを演じるのは
本作を撮られたサリー・ポッター監督ご自身!
本作は、映画監督サリーを
映画監督サリーが描いた入れ子構造作品です。
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
はい。
皆様が作品をご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は映画監督という束縛される世界に住んでいるサリーが、奔放なステップでタンゴを踊り、自由を謳歌しているパブロに近づいて行く物語。
自分の脚本に絶対の自信を持っているサリーでが、ヨーロッパ映画の玄人好みの彼女の演出はアメリカでは受け入れられず、配給会社からNGを出さてしまいます
次々と殺されるビビッドな色の服を着るモデルと
彼女たちをつけ狙う足の無い男。
これは、誰も観た事のないプロットよ!!
タイトルは「RAGE(憤怒)」に決定😘
自信の新作をアメリカの配給会社に
売り込みに出向いたサリーですが
アメリカで受ける映画は娯楽作品だと言われ
受け入れてもられませんでした…
一方、ラテン気質フルスロットルのパウロは、誰にも束縛されない自由な人生を謳歌していますが、その代償は、愛していた人と次々と破局してゆく根無し草のような日々!
エスカレーターさえダンスの舞台に出来る
天才パウロは生粋の自由人ですが
自由過ぎるが故に恋人とは次々と破局!
誰かと親しくなっても、結局傷つくんだよ
そう。
自由と束縛は二律背反の感情であり、人間はの感情は常に、タンゴのダンスをするように自由と束縛の間を交錯してゆくものなのです!
自由、束縛、自由、束縛、自由、束縛、、、
まるでサリーとパオロの人生のように
常に入れ替わるタンゴのステップ!
私見ですがそんな本作は、サリー・ポッター監督が、人生とは何かを自分自身に向かって問いかけているような禅問答のような作品。
お互いに惹かれるようなるサリーとパオロは、些細な事や感情のすれ違いによって言い争いをする事もありますが、それでも2人が出会えたことで生み出せるダンスがある以上、彼らの出会いは価値あるものを生み出す可能性を秘めているのです😊
パウロと仲違いしたサリーですが
気が付けばレベルの高いタンゴ・ダンスが
踊れるようになっていました。
自由と束縛は相反する感情ですが
それでも人と人と出会う事は
新しい何かを生み出していきます。
まるでその事を証明するように、
サリー・ポッター監督自身が
タンゴをマスターした事によって
本作のような素敵な作品が
生まれて来たのです😘
という訳で次回は
内側を向き続ける人生
というテーマで
ルードヴィヒ 神々の黄昏
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品作品!
「ウィズネイルと僕」
本作は1980年のイギリスを舞台にした一種のロードムービー!
ロードムービーとは、1970年代に多く作られた“今の日常を捨てて遠くへ行きたい”という思いを持って旅に出た人たちの体験を描いた道中記のような作品で、多くの場合、窮屈な世界から飛び出して新天地に向かって旅立ったはずの主人公が、旅先で厳しい現実に直面し、夢の理想郷など存在しない事を痛感していきます…
ですので本作のラスも観ていて辛い展開なのですが、1988年のイギリスで作られた本作は、本作を撮られたブルース・ロビンソン監督自身の体験を描いた内容となっており、人と人とが出会う事による何かの誕生が描かれた作品となっているのです😊