こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑫というテーマで

 

ウィズネイルと僕 

(原題:WITHNAIL AND I)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

イギリスのロードムービー

 

本日の作品は、1980年代のイギリスを舞台にした一種のロードムービー

 

 

ロード・ロムービーとは、1970年代に多く作られた“今の日常を捨てて遠くへ行きたい”という思いを持って旅に出た人たちの体験を描いた道中記のような作品。

 

 

ロード・ムービーと言えば「イージー・ライダー」「真夜中のカーボーイ」「バニシング・ポイント」などが有名ですが、どの作品も舞台はアメリカ!!

 

↑消失点(バニシング・ポイント)に向かって旅しよう!

 

 

ロード・ムービーでは、窮屈な世界から飛び出して新天地に向かって旅立ったはずの主人公が、旅先で厳しい現実に直面し、夢の理想郷など存在しない事を痛感していきます…

 

↑あれれ?NYではカウボーイがモテモテのハズでは…

 

 

つまり、ロードームービーとは、理想郷探しの残酷な結末を描いた、見ててちょっと辛くなる映画!

 

 

ですので本日の「ウィズネイルと僕」も、ラストは辛いものとなってゆくのですが、1988年のイギリスで作られた本作は、70年代のアメリカで作られたロード・ムービーとは、少々趣の異なるラストとなっているのです😊

 

↑廃車同然のジャガーで、いざ理想の地へ!!!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

「キリング・フィールド」の脚本でアカデミー賞にノミネートされたブルース・ロビンソンが、自ら監督、脚本を務めた半自伝的作品。

1960年代末のイギリスを舞台に、2人の売れない俳優の日常を描く。

出演は「エイリアン3」のポール・マッギャン、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」のリチャード・E・グラント。
 

…え汗

 

これ、ら監督の半自伝的作品だたのあせるあせる

 

 

 

なぜ驚いたかと言うと、本作に登場する主人公と友人のウィズネイルは、あまりにもダメダメな青年だから!!

 

 

主人公の僕(I)は、やや神経質で臆病な俳優志望の青年。

 

↑いつも何かにビクビクしている神経質な僕

 

 

そんな主人公は、同じく俳優志望のウィズネイルという悪友と同居生活を送っていますが、彼等が住んでいたのは1969年のカムデンタウン!!

 

カムデンタウンとは、パンクな人々が集まって来るロンドン屈指の自堕落タウンですので、2人もとんでなく自堕落な日々を送っています…

 

↑悪友ウィズネイルは常に酒と麻薬が手放せない男!

 

 

汚れに汚れた部屋、食事もままならず痩せて行くカラダ、麻薬の売人が勝手に部屋に出入りするような最悪の環境!

 

こんな生活をしていたら遠からず破滅すると考えた僕は、イギリスの田舎へと旅をして、身も心もリフレッシュしようとウィズネイルに提案します。

 

↑皿を洗わな過ぎたシンクの底からは異様な音が!!

 もうヤダこんな生活あせるあせる

 

 

ですが大冒険する勇気も金もない2人は、アメリカのロードー・ムービーのような行く宛てのない旅に出る事なんてできません。

 

だから2人は、ウィズネイルの叔父のモンティの家を訪ねて、彼が所有している田舎の別荘にしばらくの間宿泊させてもらう事にするのです!

 

↑元俳優だったモンティの同情を買って別荘の鍵をゲット!

 

 

さて、そんなウィズネイルと僕の、新天地での生活は、一体どんなものだったのでしょう?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑すいませ~ん!この辺で薪を売ってる店ありますかぁ?

 薪さえ調達でない2人の明日はどっちだ!?

 

 

 

悪友の存在意義とは? 

 

ウィズネイルと僕は、役者志望であるにもかかわらず全く役が回って来ない不遇な日々にいら立つ成功を夢見ている青年!

 

↑なんで俺たちにはオファーが来ないんだむかっむかっ

 

 

神経質で心配性の僕と違い、異常なくらい自信家な上に口が上手いウィズネイルは、なんとなく芸能界で成功しそうな雰囲気を持つ男!

 


ウィズネイルは常に、僕をダシに利用したり、救援を求める僕を危険な場所に置き去りにしたり、裏切ったりします!

 

↑「お~い。柵の鍵をかけないと牛に襲われるぞ!」

 鍵をかけなかったのウィズネイルは瞬時に逃走!

 「え~。僕、牛に突き殺されるの!?」

 

 

…こんな悪友とは早く別れてしまった方が良い気がしませんか?

 

 

 

では一体どうして、何度もウィズネイルに酷い目にあわされながらも、僕はウィズネイルと一緒に暮らし続けていたのでしょうか?

 

本作は半自伝的な作品という事ですので、真意は僕であるブルース・ロビンソン監督に聴いてみないと分からない事ですが、恐らく僕にとっては、ウィズネイルと一緒にいる理由は辛い現実から目を背けていられるから!!

 

ウィスネイルは酒と麻薬で辛い日常を忘れているのですが、僕はウィスネイルとのグダグダな日々に耽溺する事で、辛い日常を忘れようとしていたのだと思います…

 

↑この益体もない日々に乾杯🍺

 

 

 

ですが、こんな日々にはいつか決着をつけなくなるのが人生というもの。

 

本作が1969年の話だとするなら、1946年生まれのブルース・ロビンソンは当時23歳!

 

 

 

もしや前途洋々な青年ではなく、役者としての可能性が閉ざされつつあった時代を描いた本作はきっと、中々夢を叶えられず悶々としながらも、同じような状況の友人と夢を語りながら悪ふざけを繰り返していた方たちにとって、自分の若き日の思い出を蘇らせてくれる楽しくも辛い青春映画となっているのです😊

 

↑酒を切らしたウィスネイルは、ライターオイルを一気飲み!

 …ああ、なんと愚かで絶望的なのに楽しい日々!!

 

 

 

本作の公開から8年後の1996年。

 

本作にソックリのスコットランドを舞台にした青春映画が公開され大ヒットします。

 

 

 

その作品のタイトルは「トレインスポッティング」

 

↑ダメダメな5人の若者が登場する「トレインスポッティング」は

 本作と非常によく似た青春映画なのです😊

 

 

 

 

そう。

 

先が見ない人生において最良の鎮痛剤は、悪友が傍にいてくれる事なのかもしれないのです…

 

↑では、本作のラストはどうなるのでしょう?

 涙失くして観れない不遇な時代の終焉は必見です😥

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

暗闘サバイバル!

 

というテーマで

 

ピッチブラック

 

という映画をご紹介させて頂ければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします😊

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛