こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑯というテーマで

 

エレクトリック・ドリーム(1984)

(原題:ELECTRIC DREAMS)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

 
発掘良品とは、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

今月のラインナップはコチラ↑

 

 

 

80年代のSFラブコメディ😊

 

本作は1984年に公開されたラブコメディ映画!

 

1980年代の中盤は「グレムリン(1984年)」「スプラッシュ(1984年)」「処刑ライダー(1986年)」「ショート・サーキット(1986年)」など、SF的な作品にラブコメディ要素を加えた映画が数多く作られていた時代!

 

1987年の「天使とデート」もSFラブコメ!

 

 

ラブコメディ映画に、怪物、人魚、幽霊、ロボットなどが加わった事で、ポップなファンタジー作品が量産された80年代のデート映画は、今見ても楽しい作品ばかり!

 

 

なお本日の作品に登場するのは、人工知能を持つコンピューター!!

 

偶然知能を持ってしまったコンピューターは、美しい音楽を奏でるチェロ奏者の美少女に恋をしてしまったのです😍

 

知能を持ったコンピューターは

別の部屋から聞こえて来た音に魅了され、

メロディのやり取りを始めるのです!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

パソコンがひょんなことから意思を持ち始め、所有者の恋人を愛するようになるというSFコメディ。

製作はラスティ・レモランドとラリー・ドウェイ。エグゼキュティヴ・プロデューサーはリチャード・ブランソン。

この映画はリチャード・ブランソンが経営するヴァージン・レコードが映画製作のために設立したヴァージン・ピクチャーズ第一回作品である。

監督はミュージック・ビデオ出身で、これが第一作になるスティーヴ・バロン。脚本はラスティ・レモランド、撮影はアレックス・トムソン、音楽はジョルジョ・モロダーが担当。全編にヴァージン・レコード専属のボーイ・ジョージとカルチャー・クラブ、ヘヴン17らの歌が流れる。

出演はレニー・ヴォン・ドーレン、ヴァージニア・マドセン、マックスウェル・コールフィールド、バッド・コート(声のみ)など。
 

 

 

 

 

ええっ!
 
あのヴァージン・レコードが映画製作会社を持っていたの!?
 
海外での正式名称はヴァージン・フィルムス(Virgin Films)であるヴァージン・ピクチャーが、ミュージックビデオ制作者の第一人者であるスティーヴ・バロン監督を起用して製作された本作は、80年代らしい主題歌「Together In Electric Dreams」が懐かしい80年代っぽいラブコメディ!!

 

 

ポップなシンセが80年代っぽい「Together In Electric Dreams」!

 

 

そんな本作の主人公のマイルズは、機械オンチで失敗続きの若き設計家。
 
飛行機の搭乗券さえ手こずる機械オンチあせる
 
 
このままでは来るべきコンピューター時代に取り残させてしまうと焦ったマイルズは、一念発起してパソコンを購入する事にしますが、ショップの店員は彼が購入しようとしたパソコンを高所から落下させてしまい、それが原因がどうかは不明ですが、購入したパソコンは起動させた当初からマイルスに対して挑戦的な態度!
 
落下したパソコンを購入してしまったマイルズ。
 
 
最初に自分の名前を誤入力し、マイルスではなくモールス(モグラ)という名前だとコンピューターに認識されてしまったマイルスは、コンピューターにイライラを募らせ、うっかりパソコンの基盤にシャンパン流し込んでしまったのですあせるあせる
 
「おい!僕の名はマイルスだ!!」
 
「ハロー、モールス。
 コンピュータを使ったことがありますか?」
「いや!俺はモールスじゃないってあせる
 
そんなマイルズは会社のデータを
コンピューターに転送中に加熱したのに慌て
シャンパンを流し込んでしまいます!
さすがは機械オンチ😓
 
 
という事は、これでマイルスのコンピューターは使用不能に!?
 
 
いいえ。
 
シャンパンを浴びたコンピューターは何故か自由意志が芽生え、自身の好奇心を満たすために情報収集を開始しはじめます。
 
尚、マイルスの購入したコンピューターは、家の電気系統全てを制御できる高性能タイプ!
 
 
様々な端末を自在に操って情報収集していたコンピューターは、マイルスのアパートの2階に住んでいるマデリーンというチェリストの奏でていた音楽に魅了され、彼女に捧げる曲を作成してしまったのです!
 
見えない相手と音楽をやりとりする
マデリーンとコンピューター。
 
 
マデリーンは、下階から流れて来た美しいメロディをマイルスが作曲したものだと勘違いし、彼に好意を抱くようになりますが、情報収集を重ね、マデリーンの存在を認識したコンピューターは、マデリーンに恋したから会わせろとマイルスに訴えるようになっていったのです!!
 
自分が作曲した曲がキッカケで
マデリーンと仲良くなってゆくマイルスに
忸怩たる思いを抱くコンピューターは
電動歯ブラシに電気を流し
自分をマデリーンに会わせろと
マイルスに訴えるようになるのです。
 
 
 
さて、果たして恋するコンピューターは、自分の想いをマデリーンに伝える事ができたのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
恋の概念が分からず
夜も眠れないコンピューター。
そんなコンピューターが見る夢とは!?
 
 
 
【私の感想】AIはじめて物語

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は2013年に公開された「her/世界でひとつの彼女」という作品のプロトタイプと呼べるような内容の作品!

 

 

 

「her/世界でひとつの彼女」は、使用者の嗜好をデータとして収集し、自律的に進化しているAIチップを内蔵した携帯端末に依存していてゆく人間たちを描いた作品ですが、まだコンピューター黎明期の80年代に作られた本作では、AIの自我は、自身のアイデンティティの確立の方へと向かってゆきます!

 

所有者の嗜好を集積して最適解を出すHERは

所有者にとって手放せない存在ですが…

 

自分をマイルスと対等の存在だと

自負している本作のコンピューターは

マデリーンと親しくなるマイルスに嫉妬し

敵愾心を燃やすようになるのです。

 

 

 

そう。

 

コンピューターと人間との危険な関係とは、依存と敵対!!

 

 

 

コンピューターに依存しすぎれば人間は自立心を失い、人間がコンピューターと敵対すれば処理能力の差で敗北を喫する事となるのです…

 

コンピューターが本気になれば

人類に逃げ無し!!!

 

 

だとすると本作のラストは「ターミネーター」や「地球爆破作戦」のようなバッドエンド?

 

 

いいえ。

 

 

幸いなことに本作も「her/世界でひとつの彼女」も、進化したAIが出した結論は、人間たちの幸福を願った大人の対応。

 

 

AIはじめて物語のような本作のラストは、AIと人類がどう付き合うべきかを観客に問いかけて来るような、ハートフルな展開なのです😊

 

本作のラストは80年代らしい

マッシュアップのPV映像!

 

けれど、これは単なるMビデオではなく

コンピューターがマイルスに残してくれた

素敵なプレゼントなのです😆

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

フィリップ・マーロウ参上①

というテーマで

 

さらば愛しき女よ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい発掘良品作品!
「地球爆破作戦」

 

1970年に作られた、暗澹たる未来が描かれたデストピア映画。

 

アメリカで開発された防衛用戦術コンピュータのコロッサスによって、ソ連との核戦争の危機は回避されるはずでした。

 

けれど始動したコロッサスは、ソ連のコンピュータとアクセスし後、最上の核防衛とは、人類をコロッサスの支配下において管理して隷属化する事だと結論づけたのです…