こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑮というテーマで
ソフィーの選択(1982)
(原題:SOPHIE'S CHOICE)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
発掘良品とは、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。
本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄
↑今月のラインナップの詳細はコチラ!
本作は5~7年前に起こった忌まわしい出来事を抱えて生きるソフィーという女性が主人公の作品。
本作の舞台は1947年ですが、忌まわしい出来事が起こったのは1940年初頭。
そして本作が公開されたのは、忌まわしい出来事から35年が過ぎた1982年であり、私が本稿を書いたのは、忌まわしい出来事から75年が過ぎた2022年という事になります!
7年後、35年後、そして75年後。
時代を経る事によって忘れられてゆく事柄もあるのではないかと思いますが、本作で描かれている回しい出来事は、2010~2020年代に、とある国で行われている可能性があると囁かれている事なのです…
↑少女ソフィーが体験した忌まわしい出来事とは…
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
え?
主人公はソフィーじゃないの?
はい。
本作主人公は南部からNYへ単身移り住んで来たスティンゴという文学青年!
部屋を間借りして文筆活動に勤しもうと考えていたスティンゴは、ブルックリンにある壁がピンク色の家の1階の部屋を借りる事にしますが、その家の2階には、製薬会社で研究をしているネイサンという変わり者の男性と、彼の恋人のソフィーが住んでいました。
↑アヴァンギャルドな外観の家に
住む事に決めたスティンゴでしたが…
↑初対面のスティンゴの部屋の窓から
突然侵入して来たネイサンは、
それ以上にアヴァンギルドな男でした!
芸術に造詣が深いネイサンは、大学教授の娘でポーランド出身のソフィーを深く愛していましたが、ちよっとした言動で逆上する事も多く、ソフィーは常にネイサンの機嫌を損ねないよう細心の注意を払っているよう見えました。
↑普段はソフィーを溺愛しているネイサンですが…
↑怒るとソフィーに暴言を吐いて泣かせて
どこかへ出て行ってしまいます!
天衣無縫な生き方を貫いているネイサンと、横暴なネイサンに対しても常に優しい気持ちで接し続けてるソフィーは理想的なカップルのように見え、スティーボは二人と親友になっていきますが、ある日、ソフィーの知り合いのポーランド人の大学教授と出会ったスティンゴは、ソフィーの父親がポーランドで研究していたのが「ユダヤ人不要論」である事を知って仰天!
ソフィーはスティンゴに対して、自分の父親はユダヤ人迫害が日常となっていた第二次世界大戦直前のポーランド国内で「ユダヤ人擁護」に尽力した人だったと聞かされていたのです
↑ユダヤ人を擁護した罪で捕まり
ユダヤ人収容所へと送られていたソフィー。
なんて可哀そうな過去の女性だ!
と同情していたスティンゴでしたが…
↑ソフィーの過去をしるポーランド人の教授は
彼女の父親はユダヤ人迫害の急先鋒だったと
資料を見せてスティーボに教えます。
さて、果たして本当のソフィーとはどのような過去を背負って生きて来た女性だったのでしょうか?そして、そんなソフィーとネイサンは、どうなってしまうのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑ネイサンはスティーボの文才に対して
惜しみない称賛を送りますが
スティーボの心の中には、少しずつ
彼らに対する疑念が湧いてくるのです…
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作の原題は邦題と同様「SOPHIE'S CHOICE」。
ですので本作は、ポーランドでユダヤ人排撃を唱えていた学者の娘ソフィーが自身で行った様々な選択と、その結果について描いてゆく作品!
父親と考えに従ってユダヤ人不要論を支持し、父親を信奉する助手と結婚もしたソフィーでしたが、ポーランドにドイツに侵略されると、現地人である彼らは邪魔者扱いされ、ナチスドイツに迎合した思想も無視され、収容所送りとなってしまいます!
↑もしドイツに支配下されたとしても
生き延びられるようナチスに迎合する選択をした
ソフィーの家族でしたが…
↑その選択も空しく、ソフィーの家族は
バラバラにされ収容所送りに…
そして収容所送りとなった後も、ソフィーは何度も利己的な選択をして、その度に、かけがえのないものを失っていったのです…
↑死体を焼く煙漂うダッハウ収容所で
ドイツ語が堪能なソフィーは、
将校の家の給仕として雇われますが
そこでのソフィーの選択もまた
残酷な結末を迎えます。
そう。
人間が行う近視眼的な選択とは、必ずしも自分が望んでいたような結果となるとは限らないのです。
↑ユダヤ人のネイサンの書斎には
反ナチスの書物だらけ!
彼には嘘をつきとおすしかないという
ソフィーの選択は正しかったのでしょうか…
そんな本作は、実は裏でナチスに加担していながら、それを隠して戦後を生き延びようとする人々の、暗い心の奥底を描いたような作品!
長い物には巻かれろ的な考えでユダヤ人迫害に目を背けていたソフィーのような人々は、きっと本作が公開された1980年代になったとしても、過去の忌まわしい事実をひた隠しにして生きていたのではないでしょうか?
私見ですが、民族迫害というのはユダヤ人に限ったものではなく、現在の世界でも独裁的な国家によって行われ続けている事!
そしてきっと、そんな利己的な目的のために民族迫害に目をつぶったり、進んで協力している現代の人々も、これから先長い間、その忌まわしい過去を背負ったまま、生き続けなくてはならないのではないでしょうか?
ソフィーの選択は、やるせない結果となっていきましたが、2020年代の民族迫害を支持する選択をした人々にもねやるせない結果が待ち受けているよう思われますが、皆様はどう思われますでしょうか?
↑どんなに楽しそうでも真実は明かせない!
そんなソフィーの悲しい選択は、
私たちの選択でもあるのだと思います…
という訳で次回は
70年代末期ブロンクス!
というテーマで
ワンダラーズ
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品!
「クンドゥン」
中国によるチベット侵攻を描いた告発映画である本作は、妨害工作に屈した配給会社によって、ダライ・ラマの人生の映画のように宣伝されたため、観客は集まらず7億ドルの赤字となってしまいました…
ですが本作は、リアルタイムで香港やウィグルでで起こっている文化破壊の恐怖が描かれた今、観るべき作品!!
他国の文化破壊にあまり関心のない方は、是非一度本作を観た上で、どちらの側に就くべきかを考えて頂ければ幸いです。
どうぞ良き選択を…