こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑭というテーマで
ロマン・ポランスキー 初めての告白(2012)
(原題:ROMAN POLANSKI: A FILM MEMOIR)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
TSUTAYA発掘良品第69弾は、ドキュメンタリー作品がセレクトされている唯一のシリーズ!!
セレクトされた作品はすべて映画監督をフィーチャーしたものであり、ロマン・ポランスキー、ウディ・アレン、ロバート・アルトマン、サム・ペキンパーという4人の大監督のインタビューを映画化したものとなっております😊
発表当時はブライアン・デ・パルマ監督の「デパルマ」と、デヴィド・リンチ監督版の「デヴィッド・リンチ:アートライフ」という2作品も発掘良品の棚に並んでいたのですが、正式なラインナップからは外されていました
↑「デパルマ(2015年)」
↑「デヴィッド・リンチ:アートライフ(2016年)」
↑正式な第69弾のラインナップはコチラ!!
ちなみに、第69弾で選ばれた4人のうち、ロマン・ポランスキー監督とウディ・アレン監督は、女性問題でトラブルを起こした過去があり、ロバート・アルトマン監督とサム・ペキンパー監督は、孤高の一匹狼系の監督!!
本シリーズのドキュメンタリーで見えて来るのは、4人の監督の人生は、映画以上に映画的だったという事なのです😆😬😘😉
↑4人の映画監督の人生の軌跡とは?
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
…う~ん。
確かにこの解説は間違ってはいないのですが、この書き方ですと、特定の人物に焦点あてたドキュメンタリー全てに当てはまってしまう内容ではないでしょうか??
本作の場合、とても重要になっているのは2点。
1つは、2009年から2010年にかけてスイスで自宅軟禁となっていたポランスキー監督のインタビューであるという事!!
ポランスキー監督は、2009年に開催されたチューリッヒ映画祭の「生涯功労賞」授与式に出席するためスイスに滞在中に身柄を拘束され、1977年に少女との淫行の容疑でアメリカで逮捕されて有罪の判決を受け、釈放後にアメリカから出国した過去があり、身柄を拘束されたのは、スイス政府がアメリカの身柄拘束要請に協力したため!
↑当時のポランスキー監督と出国した時の飛行機!
1977年の淫行に関しての問題と、1969年に起こったポランスキー監督の伴侶であるシャロン・テート氏の惨殺事件は、彼の経歴に暗い過去を残す事となり、彼の人物評や作品解説をする際にも、注意を要するポイントとなってしまいます…
↑ポランスキー監督がロンドンに滞在中に
チャールズ・マンソンたちによって襲撃され
惨殺されてしまったシャロン・テート氏。
ですが本作において描かれているのは、シャロン・テート氏が殺害された当時のマスコミの状況は、ロマン・ポランスキー監督を殺害の主犯とする印象操作!!
真犯人であるチャールズ・マンソンの存在が明らかになるまでの間マスコミは、ロンドンでシャロン・テートの主演作品の脚本を執筆中だったロマン・ポランスキー監督に対して、黒幕ではないか?、痴情のもつれではないか?、果ては悪魔崇拝ではないか?といった下衆の極みのような報道を続けていたのです!!
↑まるで殺人犯扱いの当時のマスコミ!!
悪魔崇拝???
はい。
それは、ロマン・ポランスキー監督がシャロン・テートと結婚した直後に「ローズマリーの赤ちゃん」という悪魔降誕の映画を撮っていたから
↑妊娠していたシャロンが殺されたのは
悪魔の子供が生まれるのを怖れたからじゃない?
…当時からマスコミは最低の存在でした
…ですが第二次世界大戦当時、愛する母親をナチスにアウシュビッツ送りされ殺された過去があるロマン・ポランスキー監督が、妻を殺そうなどと思うものなのでしょうか?
↑ポーランド系ユダヤ人として拘束されていた
ポランスキー一家の中で、母親だけが
収容所送りとなって死亡してしまっています…
↑むしろ彼は、新しい家族の誕生を祝福するような
人間ではなかったのでしょうか?
さて、ロマン・ポランスキー監督自身が語った、自身の人生とは一体どのようなものだったのでしょうか?そして拘束されたポランスキー監督は、アメリカへ引き渡されてしまったのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑現在はスイスで新しい妻子と暮らしている
ポランスキー監督は収監されてしまったのか?
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作のもう一つの重要ポイントは、ロマン・ポランスキー監督にインタビューしているのが、長年彼の事を良く知るビジネスパートナーで映画製作者であるアンドリュー・ブラウンズバーグ氏であるという事!!
↑アンドリュー・ブラウンズバーグ氏
彼はずっとロマン・ポランスキー監督のそばにいた人物であり、スクープを狙う芸能記者でも、イデオロギーに染まった人権活動家でも、書物などでしかポランスキー監督の事を知らない映画評論家でもない、友人としての眼差しでポランスキー監督へのインタビューを行い、ポランスキー監督もまた、できるだけ彼に自分の想いが伝わるよう話を続けていくのです。
そう。
インタビューというのものは、強制的に自分の望みの答えを引き出すものではありません!
もし単なるビジネスパートナーであれば、ポランスキー監督もインタビューには応じなかったと思いますし、ブラウンズバーグも火中の栗を拾うようなインタビュー役は引き受けなかったと思います。
だからこそ本作は、センシティブな問題を抱えて生きているロマン・ポランスキー監督の半生を語った貴重な資料であると共に、二人の男性の友情を描いたドラマのようなドキュメンタリー作品となっているのです😊
↑お互い第二次世界大戦を生き抜いてきた
ユダヤ人である2人だから語れる
「戦場のピアニスト」の製作話も必聴なのです😊
という訳で次回は
1年1作品監督!!
というテーマで
映画と恋とウディ・アレン
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品!
「テナント 恐怖を借りた男」
1976年に作られた本作は1969年に妻が惨殺されたロマン・ポランスキー監督によって作られた「精神がズタズタになってゆく男を描いた作品」。
主役を演じているのはロバート・アルトマン監督自身!!
女性が身投げした部屋で一人暮らしをする事となった男の話なのですが、これって監督自身の心の中の映画なのではないでしょうか…