こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日もグラインドハウス今昔物語というテーマで
ダークレイン(2015)
(原題:LOS PARECIDOS)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★グラインドハウス今昔物語とは?
本作は、いわゆるカルト作品に分類されるような奇妙なホラー映画!
きっと80年代に作られていたら、「イレイザーヘッド」のようにマイナー映画館のレイトショーで上映されていたに違いありません!
↑別ポスターも怖そうな雰囲気です 🎃 😈 💀
ですがもし本作が、場末の映画館のレイトショーで上映されていたとしても、絶対に観に行ってはいけません😖
本作は、観客に不安の種を埋め込むような危険な作品!
ですのでご覧になる際には、見知らぬ人がいない場所で観る事をお勧めいたします…
↑このような寂れた場所でご覧にならないよう
十分にご注意ください…
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
その上この解説は、作品を理解して書かれているようには思えませんので、もう少しだけ解説を加えさせて頂ければと思います😊
本作はメキシコの田舎のバス待合所を舞台にした一幕劇!
大雨が降った影響で、いつまでたってもバスがやって来ない寂れたバスの待合所に、ウリセスという男がイライラしながら座っていました。
↑メキシコ全土が大雨に見舞われてバスは遅延!
ウリセスがイライラしていた理由は、まもなく出産予定の妻の入院しているメキシコシティにある病院に一刻も早く行きたかったから!!
チケット売りのマルティンを怒鳴りつけるウリセスですが、いくらマルティンに悪態をついても状況が変わる訳でありません…
広いバスの待合所には、ウリセスとマルティンの他には、妊娠八カ月のイレーヌと、年老いたメキシコ人のまじない師の女性、そしてマルティンの同僚のローザの5人だけ…
身重のイレーヌを心配したウリセスは、彼女と話しながらバスが来るのを待ち続けますが、バスは一向に到着せず、代わりに若い男性と、子供連れの女性がやって来ます。
彼等はタクシーのに乗って待合所にやって来ましたが、この時点で異変が起こり始めます!
最初の犠牲者はマルティン。
マルティンは突如痙攣を起こして倒れてしまいますが、彼が倒れた場所は職員の控室だったため、異変には誰も気づきません!
↑ラジオを聴いていた時に突如痙攣を起こして
床に倒れてしまったマルティン!
次の犠牲者はマルティンの同僚のローザ!
ローザは女子トイレでイレーヌと話していた時、やはり痙攣を起こして倒れてしまいます!
↑痙攣するローザ。話していたイレーヌも仰天!
イレーヌは、助けを呼ぶために待合室へと戻って行きましたが、そこでは、電話ボックスで通話をしていたウリセスにシャーマンの老婆が襲い掛かり、ウリセスの事を悪魔だと罵っていたのです!!!
↑この悪魔!と言ってウリセスを攻撃する老婆!
????
なんでウリセスが攻撃されなきゃならないの?と観客は呆気に取られてしまいますが、老婆が部屋の隅に隠れるように引っ込んでしまった後、更なる事件が発生します!
女子トイレのローザの様子を見に行ったウリセスたちが広間に戻ると、職員控室から頭を包帯でグルグル巻きにしたマルティンが走り出してきて、ウリセスに向かって「俺の顔を返せ!」と怒鳴りながらライフルを向けて来たのです!!
↑昏倒していたマルティンがミイラ男のような形相で登場!
↑「俺の顔を返せ!」と意味不明の発言をしながら
マルティンはウリセスに銃口を向けて来たのです!
あ?
今、意味不明な映画だと思われませんでしたか?
ですがこの後、更なる驚愕の事態が発生し、なぜマルティンやシャーマンの老婆が、ウリセスを攻撃したのかが理解できるようになっていくのです😄😆😁
さて、果たして深夜のバスの待合所で起こった奇妙な昏倒事件は、どんな秘密が隠されていたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑申し訳ありませんが、ネタバレ回避のため
これ以上解説はできません!
マルティンやローザの身に起こった事は
一体何だったのでしょうか?
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はとある80年代のグラインドハウス系映画(もしくは、その映画の原作となった1961年のTV番組)にインスパイアされた可能性がある作品!
その作品とは、ジョー・ダンテ監督の「こどもの世界(IT'S A GOOD LIFE)」(またはミステリー・ゾーン第31話“こどもの世界”)!!
ジョー・ダンテ監督の「こどもの世界」は、1983年に公開された「トワイライトゾーン/超次元の体験」というオムニバス映画の中の1エピソードで、簡単に説明すると「マンガのような世界に迷い込んでしまった大人たちが体験する恐怖」を描いた作品です。
↑このシーンが有名ですね
「マンガのような世界」と書くと、楽しそうな世界に思えるかもしれませんが、マンガというのは、残酷表現も自由自在ですので、妙な世界に迷い込んでしまうと、生きて帰れない可能性だってあります
↑例えばプーさんの「ズオウとヒイタチ」の世界に
迷い込んでしまったら、生きて帰れるでしょうか…
本作のウリセスたちが、訳も分からず奇妙な状況に巻き込まれていくのと同様、「こどもの世界」の人々も意味不明の世界に迷い込んでしまい、動揺しながらも、そこで生きるためのルールを理解して順応していきます。
↑新世界のルールに順応しないと…
トワイライト・ゾーンの「こどもの国」のラストは、一応ハッピーエンド(風)になっているのですが、いつ意味不明に戻ってしまうかは誰にも分からない危うい状況の中で幕を閉じます。
そして本作は、そんな「こどもの世界」の当時要人物のその後を描いたような作品!!
「こどもの世界」では語られなかった、意味不明の世界が生まれてくる理由や、その力の源はどこから来るのかが語られている本作は、コミックテイストの世界の中に底知れぬ不気味さを残した、超次元の世界に支配されてしまう人間の世界の映画なのです…
↑本作も「こどもの世界」も、漫画的なルールが
現実を浸食してゆくというホラー映画!
そう。
アリが人間の存在を気がつく事ができないのと同様、我々人間もまた我々より高位の存在に気づけず、知らぬ間に、新しいルールの世界へと連れていかれてしまっているかもしれないのです…
という訳で次回は
たのしいしのえんそく
というテーマで
リトル・モンスターズ
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たいグラインドハウス系映画
「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」
知らない間に世界のルールが変えられてしまっている映画と言えばコチラも!
子供っぽい純粋な夢が現実化した世界とは、実は恐ろしいものなのかもしれませんね…