こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と荒野の三七五六四というテーマで

 

荒野のみな殺し(1966)

(原題:DEGUEJO)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★荒野の三七五六四とは?

今月は、2020年9月に開催させて頂いた"2020年9月"の続編として、勧善懲悪のアメリカの西部劇とは異なり、悪党が主役だったり、戦いの後に虚しさが残る虚無的な作品だったりするマカロニ・ウェスタンの魅力を発掘してゆくシリーズをお送りしております🤠😊🤠

 

 

マカロニ・ウェスタン・マサカー

 

本シリーズのタイトルは「荒野の三七五六四(皆殺し)」

 

皆殺しという言葉をタイトルに使用するのには若干躊躇したのですが、マカロニ・ウェスタンを語るのであれば"皆殺し"は避けて通る事ができないテーマ!

 

敵も味方も、仲間も家族も、女性も子供も容赦なく虐殺されてゆくマカロニ・ウェスタンは、本家アメリカの西部劇とは、かなり趣が異なりますが、戦争や革命や暴力的な抗争が実際に起こった際には、無関係な人が巻き込まれる大虐殺が発生する事は歴史が証明しています。

 

 

マカロニ・ウェスタンは、そんな大虐殺(マサカー)を描く事が許されている、ある種のダーク・ファンタジーのようなジャンル!

 

人間はどこまで残酷になれるのかを描いているマカロニ・ウェスタンは、エンターテイメン系トのアクション映画とは、一線を画したものが少なくないのです…

 

↑邦題に「みな殺し」が付いている本作は

 最初から最後まで虐殺の嵐が吹き荒れます!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

R・S・ウォレンとウィリー・リーガンの共同脚本をジョゼフ・ウォレンが監督した西部劇。

撮影はステファン・サンター、音楽はアレクサンドル・デレヴィトスキーが担当。

出演はジャック・スチュアート、ダン・ヴァディス、ジア・アーレンほか。製作はウィリー・リーガン。イーストマンカラー、ガースコープ。

 

 

…随分サッパリとした解説ですね汗汗
 

 

本作はミステリー・タッチ仕立てのマカロニ・ウェスタン。

 

映画の冒頭、荒野の牧場で暮らすサムという老人と息子のノーマンの元に、瀕死の男が馬に乗ってやって来ます。

 

驚いたノーマンは男を助けようとしますが、男は「クック大佐に危険が迫っている」と言い残して死亡してしまい、その直後に男を追跡して来た二人のガンマンが、サムとノーマンに向かって銃撃を仕掛けて来ました!

 

銃の名手のノーマンは咄嗟に反撃して一人を殺害し、もう一人は逃走しますが、サムは射殺されてしまいます!

 

↑突然現れた男を助けようとした

 サムとノーマンでしたが…

 

↑男を追跡してきたガンマンと銃撃戦となり

 サムは亡くなってしまいますあせる

 

 

死んだ男にも、襲撃して来た男にも面識がなかったノーマンでしたが、クック大佐というのは南北戦争に従軍していたサムが仕えていた将校だと知っていたノーマンは、父親が殺された謎を解明するために、街で暮らしているフランクとローガンという戦時中のサムの同僚に協力を依頼して、3人でクック大佐が住んでいる別の街へと向かう事にしたのです!

 

↑紳士的なフランクと酒飲みのローガン!

 

 

クック大佐の住んでいる街の名はデンジャー・タウン!

 

なんだか不吉な響きがする名前の街ですが、到着してみると街はまるでゴーストタウンのような様相!!

 

僅かに残っていたのは女性たちだけだったのです。

 

↑これがデンジャー・タウン!

 まるで廃墟じゃないかあせるあせる

 

 

 

さて、一体デンジャー・タウンには何が起こったのでしょう?そしてクック大佐はどこに消えてしまったのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑デンジャー・タウンまでの道中で

 山賊に襲われたフォランという行商人を助け

 4人となった一行!

 果たして彼らに待ち受ける運命とは!?

 

 

 

マカロニ・ウェスタンの掟 "治安0の世界"

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、主人公のノーマンは何もしていないにも関わらず父親のサムを殺されてしまいますし、デンジャー・タウンは何者かによって廃墟同然にされてしまいます!

 

 

…あれ?

 

でも西部時代にだって、保安官や州兵や自警団などの治安維持機構があったんじゃないの?

 

 

 

ですが、この映画はマカロニ・ウェスタン!!

 

マカロニ・ウェスタンの世界では、正義をなす保安官や正しく機能している治安維持機構はあまり登場せず、登場したとしても保安官は無法者たちの襲撃にあって瀕死の重傷を負ってしまったり、治安維持機構は汚職にまみれ、市民の安全を守ってくれなかったりするのですあせるあせる

 

 

 

つまりマカロニ・ウェスタンは治安0の世界!!

 

治安0だからこそ、悪党は欲望をむき出しにして皆殺しを敢行しますし、悪党に敵対する側も悪党たちを皆殺しにする事に躊躇が無いのです!!

 

 

 

そう。

 

そんなマカロニ・ウェスタンは、治安が0になってしまった世界をシミューレートしたような映画!!

 

 

 

クック大佐の隠していた秘密を暴くためなら、どんな手段を使っても構わないと考えている悪党が街に襲来しても、治安を維持する人間がいないのであれば、その先に待っているのは"住人全員皆殺し"なのかもしれないのです…

 

↑悪党に捉えられていた

 デンジャー・タウンの男たちが解放された!

 歓び迎えに走る恋人たち!

 

↑けれどこれは、恋人もろとも殺害する

 悪党たちの狡猾な罠でした!

 さぁ、さっさとクック大佐の秘密を教えろ!

 そうじゃないと女性も恋人もみな殺しだ!!

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

持つべきは良き相棒!

というテーマで

 

待つなジャンゴ引き金を引け

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

 

★おまけ★

併せて観たい三七五六四(みな殺し)映画
「スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ」

↑マカロニ・ウェスタンの定番である「みな殺し」を

 全滅エンターテイメントに昇華してみせた
 三池崇史監督の手腕はお見事!!

 

 本作で他国でもマカロニ・ウェスタンを

 作る事が可能である事が証明され
 2000年代以降、様々な国で

 マカロニ・ウェスタンが生み出される事と

 なったのではないかと推察します😊