こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力とあの映画というテーマで

 

悪魔の性キャサリン(1976)

(原題:TO THE DEVIL-A DAUGHTER)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

悪魔の性ではなく…

 

悪魔の性キャサリン!!

 

タイトルの意味が良く判りませんが、なんだかすごく煽情的な邦題ですね😓

 

 

 

こんな邦題になっている理由は恐らく、作中に授精や出産のシーンが描かれているから!!

 

ですが主人公のキャサリンは“悪魔の性”という言葉をイメージするようなキャラクターではなく、物静かな若い修道女!!

 

↑こちらがキャサリン。

 “悪魔の性”という雰囲気はありませんね😊

 

 

 

ちなみに原題のTO THE DEVIL-A DAUGHTER」悪魔に娘を捧げる”という意味だと思われますので、本作は「悪魔の性キャサリン」というより「悪魔のいけにえ・キャサリン」という感じの邦題がふさわしいのですが、ご存知のように1974年に公開された「THE TEXAS CHAIN SAW MASSACRE(テキサス・チェンソー・大虐殺)」という作品が「悪魔のいけにえ」という邦題で公開されてしまったため、本作の邦題を「悪魔のいけにえ」にするのが難しくなってしまったのだと思われます…

 

↑「悪魔」も「いけにえ」も付いていない作品に

 「悪魔のいけにえ」と付けてしまったために…

 

 

↑「悪魔のいけにえ」という原題の本作は

 「悪魔の性キャサリン」という変なネーミングにあせるあせる

 …適当な邦題って、後の作品にも迷惑をかけるのです!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

クリストファー・リー、N・キンスキーの好演も光るホラームービー。

教会を破門された神父に娘・キャサリンを売り渡した父親は、神父が子供たちを集めて悪魔復活の儀式を行っていたことを知り驚愕する。

そこで娘を取り戻そうと神父の下へ向うが…。

監督:ピーター・サイクス 製作:ロイ・スケッグス 原作:デニス・ホイートリー 脚本:クリストファー・ウィッキング 出演:リチャード・ウィドマーク/クリストファー・リー/ナスターシャ・キンスキー/オナー・ブラックマン

 

はい。
 
解説にある通り本作は、キリスト教会を破門されたマイケルという神父が登場する作品!
 
彼が破門された理由は、神を崇拝するのではなく、人間の中に神のような存在を誕生させ、神に代わって崇拝の対象としようと考える神父だったから!
 
↑破門されている最中にも思いを巡らせるマイケル。
 「キリストは、神によって遣わされた人間だ!
 ならば再度、神に遣わされた人間を誕生させて
 現代の人々を救おうではないか!」
 
 
マイケルは破門された後、独自の教団をドイツに設立し、20年を費やして秘密裏に“神の子再誕計画”を進めてきました!
 
↑忠実な部下たちと共に計画を進めるマイケル。
 
 
彼の計画は、信者の女性に子供を出産させ、ピュアな人間として育てておき、18歳ととなった時にマイケルの崇拝する神と融合させて、現人神を誕生させようとするもの!
 
キャサリンは、マイケルが神と融合させるために大切に育てて来た女の子だったのです!!
 
↑さぁキャサリン、遂に運命の時が来たよ!
 
 
 
という事は、キャサリンはやっぱり悪魔の子?
 
いいえ。
 
 
 
キリスト教に置き換えれば、キャサリンは聖母マリア!!
 
マリアは処女で懐妊する事になりますので、マイケルは18歳になるまで彼女を修道女として育てて、男性を近づけさせなかったのです!
 
 
 
後はキリストの時と同じように、神の御業で処女のマリアが懐妊されれば、新たなる神の子が降臨です。
 
神がマリアを懐妊させる場所は、かつてマイケルが破門された教会!!
 

↑かつて私が破門された場所こそ、

 新しい神の子再誕に相応しい!!

 

 

マイケルは、キャサリンを一足先に教会のあるロンドンへと向かわせ、自身はキャサリンの胎内に入る神の子を召喚する手続きを行う事にしますが、ロンドンでキャサリンを預かるはずだったキャサリンの実の父親は、マイケルを裏切ってオカルト研究者の権威のバーニーという作家に、キャサリンを保護するよう依頼していたのです!!

 

↑バーニーは大英博物館に席を置く

 オカルト研究の第一人者!

 

 

さて、果たしマイケル神父の考える新たなる神の子とは、一体どんな存在だったのでしょう?そしてバニーは、マイケルの野望を阻止する事ができるのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑キャサリンの胎内に入る神の子は

 マイケルの部下の女性の胎内で

 予め育んでおきました!

 順調に育った神の子を体内から取り出す時

 母体は死んでしまい、仲間たちは悲しみますが

 マイケルだけは邪悪な笑みを浮かべるのです!

 

 

 

信じる者は承諾する!

 

本作は、ジョン・カーペンター監督の「パラダイム」のようなゴシック・ホラー!

 

「パラダイム」も、次元の彼方から神のような存在が人間の体を依り代として再誕しようとしている状況下を描いた作品であり、キリストが霊的に受胎したというのを反転させ、もし悪魔のような存在が神と同じ手法で人間を受胎させたとしたら?という恐怖を描いています。

 

↑人間を超越したものが胎内に入ったらどうなるの?

 (「パラダイム」より)

 

 

 

 

 

聖書には、マリアが天使に出会って処女懐妊を告げられた時、彼女はそれを信じ、神の子を出産する事を承諾したと記されています。

 

では、幼い時からマイケル神父の下で育てられたマリアは、天使ではない何かに出会って処女懐妊を告げられた時、それを否定するのでしょうか?

 

 

 

そう。

 

人間は神のような存在の善悪を把握する事などできません。

 

 

 

だからこそ人は、もし神ではない存在から使命を与えられたとしても、その存在を信じているのだとしたら、盲目的に従うのではないでしょうか?

 

↑「マリアよ。新しい神の子を産みなさい!」

 これって断れるでしょう?

 

 

 

ちなみに、マイケル神父が信奉しているのはアスタロト!!

 

アスタロトは40の悪魔の軍団を率いる強壮な大公爵だと言われる存在なのです…

 

↑「キャサリン!君の信じている神のシンボルは

  逆十字架じゃないか!!」

 「そうよ!私は幼い時からずっとアスタロト様を

  信じて来たのよ!!」

 

 

 

 

 

 

さて、本シリーズも残すところ後5作品!!

 

ラスト5作は、ちょっとマイナーだけどおススメの“あ”の映画BEST5をご紹介させて頂ければと思っています😊

 

 

 

という訳で次回は

 

人災地獄

というテーマで

 

アフターショック

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆