こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑫というテーマで

 

大列車強盗団 

(原題:ROBBERY)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

西部劇に非ず!

 

「大列車強盗団」というタイトルは、何となく西部劇やマカロニ・ウェスタンを想像してしまいそうですが、1963年にイギリスで起こった大列車強盗事件を基に作られた疑似実録映画!!

 

↑事件の詳細が記されているウィキペディアはコチラ

 

 

これまでの発掘良品でも、ボストンで実際に発生した連続殺人鬼の顛末を描いた「絞殺魔」や、実際の一家惨殺事件を基にトルーマン・カポーティが書いた小説を映画化した「冷血」などの疑似実録映画はありましたが、強盗事件の実録映画は本作のみ!!

 

 

 

 

移動郵便局の貨物列車を狙った前代未聞の列車襲撃は、数人の精鋭メンバーによって実行されたのではなく、列車の運行の情報を収集する係から奪った金を海外へ密輸する係までの多数の人間が関与する事になった、正に大強盗団とでもゆうべき組織犯罪だったのです!

 

↑奪った金を仕分けするのにこの人数!!

 彼等はギャングではなく寄せ集めの大強盗団です!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

エドワード・ボンド、ピーター・イェーツ、マーク・スタインの三人が書きおろした脚本を「太陽と遊ぼう!」のピーター・イエーツが監督したもので、イギリスで実際に起った強盗事件に取材した作品。

なお、この事件の映画化作品にはMGM配給のドイツ映画「史上最大の列車強盗」がある。
撮影はダグラス・スローカムで、スコットランドヤード内のロケが見もの、音楽はジョニー・キーティングが担当。出演は製作者の一人でもある「カラハリ砂漠」のスタンリー・ベイカー、「007 カジノ・ロワイヤル」のジョアナ・ペテット、「ズール戦争」のジェームズ・ブースほか。
製作はジョゼフ・E・レヴィン、マイケル・ディーリー、スタンリー・ベイカー。
ん?
 
この解説だと、事件の映画化作品は「史上最大の列車強盗」では?

 

 

 

…えっと汗

 

まず、ドイツのTV映画である「史上最大の列車強盗(1966年)」はソフト化されておらず現在視聴する事ができないないので比較できないのですが、「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

一九六三年八月八日未明スコットランドのグラスゴーからロンドンへ向った郵便列車が、ロンドン郊外で襲われ、二六三万ポンド(二六億円)が盗まれた。

映画はこの事実を詳細に再現して探偵小説を読むような面白さに仕立ている。
ストーリーと脚色は、ヘンリー・コラーツが書き、「わらの女」のロバート・マラーが潤色した。監督はジョン・オルデンとクラウス・ペーター・ウィットの二人。

撮影は「武器の報酬」のジェラルド・ギブスの指揮の下にハンブルクスタジオ(屋内)やイギリス(屋外)で行われた。音楽はハインツ・フンク。出演者はホルスト・タッペルト、ハンス・コッシー、グンテル・ノイツェら、主要な役を演じる俳優はじめ、ほとんど、なじみのない者ばかりだが、「大勝利」のハンス・ライザーやジークフリート・ロビッツ、「地獄道28」のカイ・フィッシャー、「恋人たちの世界」のイザ・ミランダなどの顔もある。製作はエゴン・モンク。黒白、メトロスコープ。

 

二つの解説を見比べると、本作は「強盗事件に(を?)取材した」作品であり、一方の「史上最大の列車強盗」「事実を詳細に再現して探偵小説を読むような面白さに仕立ている」作品だと推測されますので、本作は取材した証言を基に作った再現フィルムのようなテイストであり、「史上最大の列車強盗」は列車強盗の顛末を描いたエンターテイメント系作品のようなテイストだと考えられます!

 

↑「史上最大の列車強盗」のポスターはコチラ!!

 

 

 

ですがそんな本作も、オープニングの直後はまるで007シリーズのようなアクション作品!!

 

 

 

ロンドン市街で白昼堂々、車で移送中のダイヤが強奪される強盗事件が発生!!

 

 

犯人は、数人のチームで動く強盗団!!

 

彼等はターゲットの車に時限式の麻酔ガス発射装置を取り付けておき、運転中に麻酔ガスを噴出させて運転手を昏睡させ、車を路上に乗り上げさせ、意識不明の乗客の持っていたダイヤを強奪してしまいます!

 

↑強盗団① 交通警官に化けてターゲットの車を開けて

 麻酔ガス発射装置を仕掛ける

 

↑強盗団② ターゲットの車の後ろに張り付いて追跡!

 

↑その後、時限式の麻酔ガスで運転手は意識不明!

 ターゲットの車は路上に乗り上げます!

 

↑強盗団③~⑥ 事故現場に都合よく交通警官と救急車!

 窓を破って睡眠中の運転手とダイヤの管理者を確保!

 

↑2人を救急車に収容して、あっという間に撤収!

 もちろん救急車は事前に盗んだもの。

 

↑はい!ダイヤの原石頂戴しました😄

 

 

 

…なんかルパン3世みたいですね。本当にリアルな映画なのでしょうか汗汗

 

 

 

はい。

 

ここまでの展開は、明らかにフィクション!

 

ですが彼等が綿密な計画を練ってチームワークで行動する強盗団である事はご理解頂けたかと思います😁

 

 

 

売れば大金になるダイヤの原石をゲットした彼等でしたが、首謀者のポールは、ダイヤの資金を元手にして仲間を増やし、郵便列車で運ばれる現金の強奪を計画していたのです!!

 

連休後の輸送列車は、数百万ポンドが運ばれる黄金列車!

 

 

ポールは、列車の運行係か、資金の洗浄屋、強奪した列車を動かせる運転手など、ありとあらゆるメンバー(総勢15名!)を集めて、史上最大の列車強盗を敢行したのです!!

 

 

 

さて歴史上類を観ない大強盗団は、一体どんな列車強盗を実行したのでしょう?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑乗っ取られてしまった列車は夜の線路を進んで行きます。

 多数の強盗たちが待ち構えるポイントへと…

 

 

 

群がる蟻と、崩れる一穴

 

本作で驚かれるのは、人間がいかに儲け話に弱いかという事!

 

 

金に糸目をつけず多くの協力者を買収する事に成功したポールは、誰一人殺害する事なく列車大強盗を成し遂げ、後はそれぞれが金を持って逃走するだけという状況まで持って行きます!

 

これだけの大人数が関与した事件にも拘わらず、事件を未然に防げなかったのはポールの手腕と、金のチカラ!!

 

 

ポールは金のチカラを利用して、事件に直接関与しなかった人間たちを列車強盗団のサポーターにしていったのです!

 

 

…お金のチカラって、本当にすごいですね。

 

 

 

ですがそんなポールの完璧な計画は、意外なところから漏洩してしまいます!

 

漏洩のキッカケは事件とは直接関係のないひき逃げ未遂事件!

 

 

 

ポールの古参の仲間だった運転が得意なジャックは、宝石強盗で逃走する際、幼稚園児を引きそうになる危険運転を行い、幼稚園の教員に顔を目撃されてしまっていたのです!

 

↑無謀な運転で子供たちを危険に晒したジャックは…

 

↑手痛いしっぺ返しに会う事になったのです…

 

 

 

 

そう。

 

 

多くの人間は金のチカラによって支配できるかもしれませんが、旧知の仲の人間の性格は、金のチカラが及ばないものなのです…

 

↑完璧に遂行した列車強盗計画は蟻の一穴で…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

男の恋、女の恋

 

というテーマで

 

モナリザ

 

という映画をご紹介させて頂ければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします😊

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛