こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑪というテーマで
現金に手を出すな
原題は「TOUCHEZ PAS AU GRISBI」(1954)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本作の邦題は「現金に出を出すな」。
ちなみに「現金」の読み方は「げんきん」ではなく「げんなま」。
「だんなま」は、堅気の人が使わない読み方だと思いますので、「げんなまに手を出すな!」というセリフは、暗黒街の住人を描いた本作の題名としては、なかなかカッコいいと思います😊
ただし問題点は、本作には「げんなま」が全く登場しないという事
その理由は、フランス語の原題「TOUCHEZ PAS AU GRISBI」の訳し方を間違ってしまったから!
「TOUCHEZ PAS AU」 → 手を出してはいけない
てすが
「GRISBI」はスラングで、「げんなま」以外に「隠匿物」という意味もあり、本作の内容としては「隠匿物」が正解!!
本作は、主人公の隠匿物を奪おうとする悪党と対決する映画なのですが、日本では「げんなま」が登場しないにも関わらず「現金(げんなま)に手を出すな」という不思議なタイトルとなっているのです😓
↑「現金(げんなま)に手を出すな!!」
…いや、げんなまは出てきませから手は出せません
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
…作品についての解説がまったくありませんね
本作の主役マックスは、パリの暗黒街で"てきる男"として誰からも一目置かれている裏家業の男!
腕が立つだけでなく、頭脳明晰で人情家もあるマックスは、暗黒街のボスたちとも対等に話ができる顔役でしたが、決して偉ぶったりせず、一般人のような生活を送っていました。
↑全然、裏家業っぽい雰囲気がないマックス
ですがマックスが相棒にしているリトンは、マックスとは正反対の魯鈍な男。
マックスが話しかけてもあまり反応もせずボーッとしているリオンは、観客の目から見てもあまり頼りなる相棒とは言えません
けれどマックスは、そんなリオンに対して怒る事もなく、常にフォローし続けていたのです!
↑マックスが親しげに話しかけても無反応なリオン。
そんなマックスは、半年前にリオンと組んで金の延べ棒の強奪に成功!
金の延べ棒をいきなり現金化すると、足がついてしまうと判断したマックスは、ほとぼりが冷めるまでの間、2人の金塊を管理する事にしていたのです!
↑さりげなく新聞を読み、事件が未解決なのを確認するマックス。
(うん。このまま事件が忘れられれば、俺たちの勝ちだ!)
けれど、リオンが恋していたナイトクラブのジョジ―という女が、楽屋でリ麻薬密売をしているアンジェロという男と抱き合って何かを話ているのを見て、マックスは直感的に理解したのです!
…リオンがジョジ―に、金の延べ棒の事を話してしまったのだという事実を!!
↑出来る男のマックスがもてるのは分かりますが
唐変木のリオンがモテモテなのはどうして?
(むむ。ジョジーがリオンに言い寄ってるは何故だ?)
↑おっと失礼!
(おいおい。アンジェロとジェシーは付き合ってるのか?
だとしたらジェシーがリオンに近づいた理由は、、、)
さて、マックスとリオンが盗んだ金の延べ棒は、一体どうなってしまうのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑ナイトクラブを出た後リオンと別れて帰宅したマックスは
自分の後をつけて来る二人組がいるのを知って
自分たちがアンジェロに狙われてるいる事を理解します!
(俺もリオンも絶体絶命になっちまったな…)
ここまでの展開は映画開始から約30分なのですが、ここまでマックスは、状況証拠だけでリオンがジョジーに金の延べ棒の事を話してしまった事に気づいてしまいます。
…マックスって、本当に頭の切れる男ですね!
はい。
けれど、そんな出来る男のマックスは、好きな女性に絶対秘密にしておかなければならない秘密をペラペラしゃべってしまうようなリオンとコンビを組んでいたのでしょうか?
↑不審者を撃退したマックスが、リオンを心配して電話すると
なんと、リオンの家にはアンジェロ自身が訪問してました!
咄嗟に電話で対処方法を伝授するマックス!!
けれどリオンは危機一髪だった事を気づいてませんでした…
それについてはハッキリと説明されてはいませんが、恐らくですがマックスの人生にとっては、リオンのような友人がいる事がそばにいていれる事が、生きてゆく上での支えとなっていたからだと思われます。
もしマックスと同様の頭が切れる友達が相棒だったとしたら、それってマックスにとって安心できる相棒なのでしょうか…
勘が鋭く、頭の回転が良く、他人に本心を見せないマックスは知っていたのです!
もし自分のような友人がいたとしたら、そんな男には絶対に心を許してはいけないのだという事に…
↑リオンはバカもするし、ミスもします。
けれどマックスを裏切る事だけは絶対にないのです!
そう。
人生における幸せとは、心休まる人と一緒に過ごせる日があるという事!
切れ者のマックスは理解していたので。
リオンと一緒に話したり食べたりしている時こそ、自分の人生において一番心休まる瞬間なのだという事を…
↑マックスが密かに用意していた、秘密の隠れ家には
なんとリオンの寝間着まで用意してありました!
大人のお泊り会ができるのもリオンだからなのです😊
という訳で次回は
正気か?狂気か?
というテーマで
暗殺の詩/
知りすぎた男どもは、抹殺せよ
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
「リトル・ランボーズ」
「君のためなら千回でも」
「男たちの挽歌」