こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑪というテーマで
拳銃の報酬
原題は「ODDS AGAINST TOMORROW」(1959)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本作は「ウエスト・サイド物語」(1961)や「サウンド・オブ・ミュージック」(1965)のロバート・ワイズ監督作品!
おお。
どちらも、多くの人から今なお愛され続けている名作ミュージカルですから、本作も、楽しいエンターテイメント映画?
いいえ。
本作は、人生に行き詰った男たちの哀れな末路を描いた「闇金ウシジマくん」のような、観終わった後にズーンと気持ちが沈むようなサスペンス映画なのです…
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
白人対黒人の映画!
はい。
本作は老人の仲介で、金に困った白人と黒人がトリオを組んで、銀行強盗を実行しようとする映画!
老人は元警官のデイヴ。
彼は法廷侮辱罪で1年間服役する事になって失職し、金に困っていた男。
そんなデイブは長年の経験から、警備の緩い銀行を発見し、3人の人間がいれば銀行強盗可能だと確信します!
↑毎週木曜日の夜、工場の従業員の賃金が集まる銀行!
行員たちは、決まった時間にコーヒーの出前を取るから、
出前の人間のフリをすれば、銀行を襲撃可能だ!!
デイブは、腕が立つけれど金に困っている二人の男を仲間に選び勧誘する事にします!
↑やぁやぁ久しぶり。ちょっといい話があるんだが…
一人は無職のスレイターという白人の男。
スレイターは前科があって仕事にありつけず、年上の女性に養ってもらっていますが、そんなヒモのような状況が我慢できず、なんとかして金を稼ぎたいと思っていた男。
↑昼食代もなく、愛人に恵んでもらう日々のスレイターは
そんな状況かせ情なく、金を必要としていました…
もう一人は、黒人のジャズミュージシャンのジョニー。
ギャンブル狂で借金で首が回らないジョニーは、妻とも離縁されてしまい、愛する娘に何もしてあげることができず、金を必要としていました。
↑胴元から借りた金を明日までに返せと言われたジョニー。
う~ん。
スレイターもジョニーも、人生に行き詰まっている感じですね…
最初は銀行強盗を躊躇していた二人ですが、どうしても金が必要になった結果、遂にはデイブの誘いに乗り、仲間となる事を承諾しますが、黒人に激しい偏見を持っているスレイターは、黒人のジョニーと組む事に我慢できず、ジョニーに対して常に見下したような態度をし続けていたのです!
↑元々怒ると我を忘れるタイプのスレイター。
老人だと見下されて激怒し、軍人を殴り倒すような暴力男です。
さて、スレイターとジョニーがいがみ合った状態で決行された銀行強盗は、果たしてどんな結果になったのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑一触即発の二人が組んだ銀行強盗の顛末は?
本作の原題は「拳銃」とも「報酬」とも関係のない「ODDS AGAINST TOMORROW」というタイトル。
「ODDS AGAINST」 というのは「見込みなし」とか「勝ち目なし」という意味の言葉ですから、「ODDS AGAINST TOMORROW」は「明日の見込みなし」とか「明日の勝利なし」というような絶望的なタイトル。
金もなくも、明るい未来も描けない3人の男が、人生の最後にすがったのは、銀行強盗という大博打でしたが、その博打のオッズは「勝ち目なし」!!
賢明な皆様は、既にお察しだと思いますが、勝ち目のない彼等のオッズとは「銀行強盗」に対してではなく、彼ら3人の「明日」の事!!
銀行強盗が成功しようと失敗しようと、彼等の明日のオッズは「勝ち目なし」!
おそらくですが彼ら3人も銀行強盗する前に、薄々その残酷な事実に気づいています。
↑強盗実行前の空き時間で、ウサギを撃とうとして
何となくタイミングを外してしまったスレイター。
↑缶に石を投げて無為に時間を潰すデイブ。
↑海に捨てられた人形を人間見間違うジョニー。
3人とも、時間を無駄に費やしていますね…
そう。
人生とは、日々の誠実な努力によって有意義になってゆくもの。
人生を無駄に費やして来た3人の男たちは、自分たちが成功するイメージも湧かないまま、人生を賭けた大勝負を始めてしまい、哀れな結果を享受する事となるのです…
↑勝ち目のない勝負をした人に待っているのは何なのでしょう?
彼等に待っていたのは「STOP DEAD END」の看板でした…
という訳で次回は
芸能界残酷物語
というテーマで
悪徳
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
「ハイ・フィディリティ」
「フルモンティ」
「俺はまだ本気出してないだけ」