こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力とマカロニ大活劇というテーマで

 

情無用のジャンゴ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

情無用じゃないジャンゴの映画!

 

本作の邦題は情無用のジャンゴですが、本作に登場するジャンゴは、他のキャラクターすりずっと人間的な情愛を持っている常識人!!

 

ではいったいどうして、こんな冷酷なタイトルなの?

 

 

それは恐らく、イタリアの原題である「SE SEI VIVO SPARA」て゜はなく、アメリカ公開時の「DJANGO KILL! IF YOU LIVE SHOOT!」というタイトルのDJANGO KILL! を日本語訳したからだと思います。

 

ちなみにイタリア語の「SE SEI VIVO SPARA」は、「もし生き残っていたら撃て」という意味深なタイトル。

 

 

けれど恐らくですが、本作で描かれている西部の世界で生き残る事は至難の業なのです…

 

↑この映画の西部の街は普通ではないのです…

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

フランコ・アルカッリとドキュメンタリー映画出身のジュリオ・クエスティの共同脚本を、クエスティが監督したイタリア製西部劇。撮影はフランコ・デリ・コリ、音楽は「悲しみは星影と共に」のイヴァン・バンドールが担当した。出演は「ガンクレイジー」のトマス・ミリアン、「南から来た用心棒」のロベルト・カマルディエル、「殺しのビジネス」のマリル・トロ、ピエロ・ルッリなど。

 

…あれれ?

 

映画の内容に関する解説がほとんどありませんね汗

 

けれど本作は、映画の内容を正確に説明する事が極めて難しい作品なのです!

 

 

 

主人公のジャンゴは、映画の冒頭、北軍の金塊輸送車襲撃の一味に加わり、仲間たちと莫大な金塊を手にする事に成功します😊

 

↑水浴びをしていた北軍に不意打ちを仕掛けて全滅させます!

 

 

けれど、金塊が手に入ると強団に加わっていた白人集団が裏切って、ジャンゴを含めたメキシコ人たちを荒野で虐殺してしまったのです!

 

↑白人たちの裏切りで、今度はジャンゴたちが全滅!!

 

 

ですが殺されたメキシコ人たちも、ただでは死にませんでした!

 

彼らは死ぬ直前に馬を荒野に解き放ったため、生き残った白人たちは徒歩で荒野を横断しなくてはならなくなったのです!

 

 

 

…だけど、もうジャンゴは死んじゃったんでしょあせる

 

 

 

いいえ。

 

 

仲間が全員死亡したにも関わらず、ジャンゴだけは死を免れ、2人のメキシコ人の旅人に救出され、金塊を取り戻すために白人たちを追いかける事にします!

 

↑焚火をしていたメキシコ人に発見された瀕死のジャンゴ!

 

 

けれど、白人を追ったジャンゴは、荒野の寂れた街で住人たちの襲撃を受け、縛り首となっていた白人たちを発見するのです!!

 

↑不審な白人が街やって来たぞ!吊るせ!吊るせ!!

 

↑あっという間に白人たちは首吊り死体に…

 

…という事は、まず北軍が全滅し、北軍を襲ったメキシコ人が全滅し、その後、メキシコ人を全滅せた白人も全滅してしまったの!?

 

 

はい。

 

なんだか、すごい状況ですね汗

 

けれど全滅の連鎖は、これで終わりではなかったのです!!

 

 

 

さて、死が次の死を呼ぶ恐ろしいループの世界で、果たしてジャンゴは生き延びる事ができるのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑復讐のために追っていた白人は全滅していました。

 あとは、金塊の行方だけですね…

 

 

 

然るべき人が然るべき時期にめぐり逢う映画。

 

と、ここまでの解説だと、アウトレイジのような暴力連鎖の映画のように思われるかもしれませんが、本作は、どちらかというとエル・トポ地獄の黙示録のように、一見するとよく分からない映画!!

 

 

物語の途中に意味深なシーンが挿入され、観ている観客が不安になってゆく本作は、シュールな作品と言って良い気がいたします。

 

↑白人たちが街で見たもの① 裸の赤ん坊

 

↑白人たちが街で見たもの② 笑い続ける男と子供を踏む男

 

↑白人たちが街で見たもの③ 誰かの腕を噛む女

 

↑白人たちが街で見たもの④ 一人で歌い踊り続ける少女

 

↑こ、この街はなんだか普通じゃねぇな汗汗

 

 

ちなみに、これらのシーンの説明は一切なし!!

 

その上、白人を追って街に到着したジャンゴは、街の住人たちの傍観者のような存在となり、映画のラストまで精彩を欠いた無力な存在となってしまうのです…

 

↑街の酒場の息子は、自分を街から脱出させてほしいと

 ジャンゴに頼みますが、彼は助けず見殺しにしてしまいます…

 

 

…そこにいるのに無力って事は、幽霊みたいな存在??

 

 

 

はい。

 

 

これは私見ですが、本作におけるジャンゴは「殺しの分け前/ポイント・ブランク」という作品に登場するリー・マーヴィン演じる無力な殺し屋とよく似た存在のような気がするのです…

 

↑「殺しの分け前/ポイント・ブランク」の殺し屋

 

 

 

彼は、銀行強盗のトラブルで仲間に殺されたけれど生きていた男。

 

そんな男は、自分の分け前を求めて妻や仲間の元へと向かいますが、彼らと出会っても話がかみ合わず、その後、彼と話した相手はみんな死んでしまうのです。

 

 

おお!

 

本作と全く同じ展開ですね😮

 

 

 

なお、劇中ではハッキリとは語られていないので正しいかどうかはわかりませんが、ポイントブランクの殺し屋は既に死んでおり、自分が幽霊となっている事を意識せず、分け前を求めて徘徊しているのではという意見が多い作品。

 

↑幽霊なので、銃を撃っても人は殺せません…

 

 

 

 

では、本作のジャックはどうなのでしょう?

 

荒野で銃撃されたジャンゴは、ひょっとすると死者となって、その後も金塊を巡って争い続ける人間の愚かさを眺めていたのかもしりませんね…

 

↑映画の後半で、悪党に捕まり拷問されるジャンゴですが…

 これは本当の光景?それとも死に瀕したジャンゴの脳内妄想?

 

 

本作は恐らく、死について考えるためのヒントとなるような映画。

 

ですので、デッドマンラブリー・ボーンジェイコブス・ラダーなどと同様、然るべき人が然るべき時期にめぐり逢う映画なのではないかと思いますが、皆さんはどう思われますか?

 

 

 

 

という訳で次回は

 

ガンマン十戒

 

というテーマで

 

怒りの荒野

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆