こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで

 

デス・レース2000

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

理由があるエクストリーム描写!

 

本作は、残酷上等なエクストリーム描写で有名な作品!

 

近未来のアメリカで政府公認で行われている公道レースは、途中で人間を殺害するとポイントアップするという、トンデモナイ設定!!!

 

↑高齢者を殺害すると+100ポイントです!

 

 

あ。今、お読みになってムカッとされました?

 

 

けれどそういう感情を持っていただく事が、この映画を製作したロージャー・コーマン氏の目論見!

 

本作は、エクストリーム描写満載の映画を作る事で、残酷描写を糾弾するという逆転の発想で作られた逆説的な発想の映画なのです😊

 

 

 

 アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

脅威の戦争と大恐慌の結果、恐怖を求める人々の死のゲームを描くアクションSF。製作はロジャー・コーマン、監督はポール・バーテル、脚本はロバート・トムとチャールズ・グリフィス、撮影はタク・フジモト、音楽はポール・チハラが各々担当。出演はデイヴィッド・キャラダイン、シモーヌ・グリフィス、シルヴェスター・スタローン、メアリー・ウォロノフ、ロバータ・コリンズ、マーティン・コーヴ、ハリエット・メディンなど。日本語版監修は野中重雄。イーストマンカラー、パナビジョン。1976年作品。

 

えっ!

 

脅威の戦争(?)と大恐慌の結果だったのあせるあせる

 

 

…私、この解説を読んで初めて知りました!!

 

本作は、ロジャー・コーマン製作の映画の鉄則である

 

①上映時間90分以内!

②ヌードシーンは必ず挿入!

③カーチェイスと爆発は必須!

 

というルールに則って作られたグラインドハウス系の娯楽作品。

 

↑車とは思えない大爆発あり!

 

 

ですので上映時間は80分かっきりしかなく、ストーリーの細かい説明はほとんどなく、近未来の覇権国家アメリカで年に一回行われるアメリカ横断公道レースの顛末が描かれた作品。

 

西暦2000年に開催された記念すべきレースに参加する事となったレーサー5人は、いがれも残虐な人間ばかり!

 

西部開拓時代の伝説の斥候名を冠するカラミティ・ジェーンは、牡牛のうな角のある車で人を突き殺し、ネオナチどころかモロにナチスのハーケンクロイツを車体に刻印しているマチルダは、優勝した後で再びナチスを再興すると宣言し、ローマ帝国の暴君ネロを自称する男は、レース中に女性や赤ん坊を発見と、殺して高得点を取れると大喜びするような外道たち!

 

↑カラミティー・ジェーンは突き殺し!

 

↑マチルダはナチス再建を礼賛し…

 

↑暴君ネロは嬰児殺しに狂喜するデス・レース。

 

 

…なんか、気分が悪くなるような内容ですね😟

 

 

けれど、そんな非道なレーサーたちの中でも観客に絶大な人気があるのは、何度大事故を起こしても手術を受けて復活して来る不死のチャンピオンであるフランケンシュタインと、彼を倒すためなら銃器の使用も躊躇わない、イギリスの種馬と呼ばれるマシンガン・ジョーの二人!

 

↑誰も素顔を見た事がないフランケンシュタインと…

 

↑誰にでもマシンガンを炸裂させるマシンガン・ジョー!

 

 

そんな恐ろしい人間たちが集まって開催されるデス・レースは、ローマ時代のコロッセオと同じように、人々の暴力衝動を満たして行政への不満をそらすための剣闘士のような存在だったのです!

 

↑行け!フランケンシュタイン!!

 道中でいっぱい人を殺せよ!!

 

 

けれど今回のレースは、3日間行われる試合の最中に、レーサーたちが次々と謎の死を遂げていく不穏な空気に満ちたレースとなっていくのです…

 

↑ネロが狙った赤ん坊はトラップ人形でした!

 ネロのライオン号は木っ端微塵!

 

 

さて、2000年を記念して解されたデス・レースは、一体どんな結末を迎えるのでしょう?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑エクストリームなデス・レースがスタートです!

 

 

 

嫌悪感を体感せよ!

 

先ほども書かせて頂きましたが、本作で描かれる残酷描写は常軌を逸したもの!

 

あまりの酷さに目をそむけたくような殺し方は、観客に不快感を与えるように撮られているのですが、これは製作者側があえて過激に演出したもの。

 

↑酷い残酷描写が80分続く本作!

 

 

本作はどんでん返しのある映画ですので、詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作のラストで観客に映画が訴えているのは、こんな殺伐なものを観て喜ぶ人間ってどうなの?という俯瞰した眼差し!

 

↑アメリカはフランケンシュタインを愛していると叫ぶレポーター!

 …こういう人って、皆さんどう思いますか汗

 

 

そう。

 

これは暴力を好む観客たちに対して、逆療法的に暴力描写を観るのに嫌悪感を抱かせようとする逆転の発想。

 

 

今回のレースで、残虐な虐殺者として有名なフランケンシュタインは、なぜか行動で一般人を殺さず、死を弄ぶレース関係者や、人命を軽んじる悪徳医師たちだけをひき殺して行き、漸粉映画を期待していた観客も、いつしか他の残虐選手よりもフランケンシュタインを応援するようになっていくのです。

 

介護が必要な老人たちを公道に置き去りにして、フランケンシュタインにひき殺してもらおうと画策していた医師たちは、わざと老人を避けたフランケンシュタインによってひき殺されてしまいます!

 

↑悪い医師たちを次々とはねるフランケンシュタイン!

 あれっ?彼は本当に悪人なの?

 

 

残酷な描写の映画を作って、暴力への嫌悪感を訴えるという手法は、とても勇気がいる上に、批判される覚悟が必要な行為。

 

 

けれどロジャー・コーマン氏は、批判される残酷な作品を作った事を2001年宇宙の旅と同じ質問を観客にする事で真意を訴えます。

 

 

人類は武器を持って戦えるようになってサルから進化したが、その場所から今の時代まで進化は止まってしまっている。人類が相手を攻撃する行為を卒業して、次のステップに行けるのだろうか?

 

 

2020年現在。

 

残念ですがまだ人類は、コーマン氏の訴える次のステップへとは至っていないのです…

 

↑NOMORE 残虐な世界!

 

 

 

という訳で次回は

 

国家が消滅する時

というテーマで

 

アンダーグラウンド

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格

①文明が崩壊してもデスレース続ける世界に興味がある方へ…
 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」


音譜マッドマックス 怒りのデス・ロード(序論)
音譜マッドマックス 怒りのデス・ロード(本論)
 
②本作と同時代の壮壮絶カーチェイス&クラッシュ映画に興味がある方へ…
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 「激走!5000キロ」

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