本日は

「ノア 約束の舟」


という作品を通して

想像力と
人間の原罪と許し

というテーマについて

考えてみたいと思います。






前回は

「ポンペイ」

という映画を通して

ディザスター映画
の魅力

について考えてみましたが

ポンペイとほぼ同時期に

DVDリリースされた本作も

一見すると

ディザスター映画に見えます

(^^)


↑別バージョンのポスター。

大災害の映画に見えますね(^^)







理由は

扱っている内容が

旧約聖書に記されている

地球人類(ほぼ)全滅

という

超弩級ディザスター
な神話

「ノアの箱舟」

がテーマの映画だから。






これは当然

ものすごい
世界の破滅

を期待しちゃいますよね!


↑動物たちも雄雌一体しか生き残れなかった
神の意思によって起こされた
生物を一掃する大洪水

それが「ノアの箱舟」です。







けれど意外なことに

この映画における

大洪水による破滅の描写

あっさりしているのです。






だからこそ

ディザスターを
期待していた方にとっては

この映画は

何じゃこりゃ?

という感想だったようで


作品として
ものたりない!

作った意味が解らない!


といった酷評が多いようです


。゚(T^T)゚。






けれど

この映画の監督は

ダーレン・アロノフスキー






あの

「レスラー」

「ブラック・スワン」

そして

「レクイエム・フォー・ドリーム」

といった

追い詰められた人間の
精神の危うさ

を描くことを得意とする監督です。






※ちなみに「ポンペイ」の監督は

ポール・W・S・アンダーソン。

「バイオハザード」や「三銃士」みたいな

エンターテイメント系映画が
得意な監督さん

ですね!


↑ディザスター映画ず観たいなら
コチラですね(^^)







だから

「ノア 約束の舟」


ディザスター映画
ではなく

追い詰められた人間の
精神の危うさ

という視点で観てみると

かなり深刻なテーマが
描かれている作品

だということが

分って頂けるのではないかと思います。






本作は

他者を断罪する人間の
原罪は
果たして許されるのか

がテーマ。





ちょっと難しいので

解説してみたいと思います。






神が
人間を裁く



これは

人間の作り主がならば

権利がある

ような気がします。






けれど

ノアは人間であり

神ではありません。






けれど

洪水で人間を滅ぼす

という命令に対して


了解したしまた!

じゃあ、ウチの家族以外は
人類全滅ってことで!


と言えるものでしょうか?






また


ノア以外の人間は
罪で汚れた罪人だから

死んで当然の
存在だった


という考え方も

ちょっと納得できません。






ノアだって

アダムとイブの子孫






ヘビに誘惑されて

神の命令に背き
知恵の実を食べてしまった
人間の子孫

ということでは

他の人と違いはありません。






また

洪水に流されてしまう人の中にも

善人はいたはずです。






生まれたての
赤ん坊


罪のない
少年少女たち






彼らも


神の命令だから
助けなくってもOK!


なのでしょうか…






だからこそ、

この映画では

神の啓示を受けた
人間の視点

を描きます。






ノアは善なる人。





けれど

だからこそ彼は常に

リンゴとヘビの夢

を観ます。

↑神に背いた瞬間のイメージは
何度も彼の夢に!






自分自身が
神との約束を破った
人間の子孫

なのだ

ということを

自覚して生きているノア。







そんな彼に

神から

他の人間の全滅に
協力せよ

という指令を受けたとしたら…






生物たちを
守るために箱舟を作れ


という命令には

疑問の余地はありません。


↑動物たちを救うことは
崇高なお仕事ですね(^^)






では


全人類が死んでいくのを
誰一人助けることなく
見棄てて

自分の家族だけが
生き残れ


という命令には

何の疑問もなく

従えるのでしょうか?


↑誰も箱舟には入れず
人類が絶滅するのを見ている。

これは善行なのでしょうか…






言い換えれば

人類を全滅するのを
見物している

というのは

善き人間に
耐えられること

なのでしょうか?


↑家族以外の人間は
誰一人救わないという選択って
簡単に出せるものなのでしょうか…







だからこそノアは

洪水が起こった後の船の中で

洪水が去った後の世界での
とてつもないプラン


家族たちに伝えるのです。


↑息子には恋人がいます。
けれど彼女は子供を産めません。

ということは
洪水の後の世界で人類は…






驚く家族たち!






この展開は、読み違えると

父さんが狂った!

という

シャイニングな展開

に見えるかもしれません。

↑家族を愛していたハズの父さんが
家族を斧で殺しに来る
「シャイニング」






果たしてノアの決断とは

どんなものなのか?





そしてその決断は

本当に実行に移されるのか?






それは是非、皆さん自身で

ご覧になって頂ければと思います。





人間は

罪がない存在
ではありません


↑アダムとイブの息子のカインは
人類最初の殺人(しかも近親!)
という罪深い存在です




時に

自分の罪を
断罪せざる得ない日

が訪れるかもしれません。






だからこそ

この映画における

ノアの
重く深い自己断罪


それに対する

許しのあり方


真面目に生きてきて
自分の罪深さに
絶望してしまった人

にとっては

心の救済

になるのではと思います。





ノアは

神を受け入れ

人類を滅ぼすことに
手を貸し

自分の罪深さに
悩み苦しみ

生きることに
絶望してしまいます。







そして

そんな

自分自身の罪深さに思い悩み

生きることに絶望してしまっている人間は

現代にも沢山いるような

気がするのです…






ではまた(*^ー^)ノ


ちなみに
この文章の資料を集めている時に
原作っぽいアメコミを発見!

どんな話なんでしょう(^^)




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