本日は

「ポンペイ」


という作品を通して

想像力と
退場の花道

というテーマについて

考えてみたいと思います。






エンターテイメント映画

というのは

見せどころ


ポイントになるジャンル

だと思います。






例えば

アクション映画

なら

アクションシーン


どのくらい凄い
アクションを
見せてくれるのか?






モンスター映画

なら

モンスターの
怖さや破壊力や
無敵さを


どうやって
見せてくれるのか?






どちらのジャンルでも

見せどころ

がしっかりしていると

いつまでも
忘れられない名作

と言われるのではないかと思います

(*´∇`*)






では

ディザスター(災害)映画

の場合は

どんな
見せどころ

があるのでしょう?






本日の

「ポンペイ」


世界史でも有名な

ディザスターの一つである

ヴェスヴィオ火山
の噴火

をテーマにした映画。


↑絵画などでも有名ですね。

こちらは
カール・ブリューロフ作
「ポンペイ最後の日」







ヴェスヴィオ火山の噴火によって

近くにあったポンペイという街が

火砕流によって地中に埋もれたというのは

歴史的事実


↑大都市ポンペイは
一瞬にして
街ごと火砕流に飲み込まれたので
発掘されるまで
伝説の街だったのです…







つまりこれは

誰も避けられなかった
大災害の映画

なのです。






けれど

映画のこのポスターを観た時


↑なんで、火山を前にして
熱いキスシーンが!?






そして

日本のキャッチコピーである

たとえ世界が滅びても
生きて、守る。

というのを観た時

なんだかなぁ

という不安を感じてしまいました。






ディザスター映画は

恋愛映画でもアクション映画でも

ありません。







けれど

この雰囲気は…

↑アップで、もう一度…






破滅ではなく

ヴェスビオス火山は

噴火しちゃったけど

僕たちは

愛の力で乗り越えちゃいました


\(^▽^)/






という感じの

ディザスター感のない
ゆるい作品

かもしれない…






と思っていたのですが

それは

杞憂

でした!





この映画は

かなり正統派の
ディザスター映画です


ヾ(@°▽°@)ノ






というよりも

中途半端なディザスター映画のように


何人かの善人は
無事生き残りましたとさ


というご都合主義的な展開ではなく

善人だろうが
悪人だろうが

天変地異の前には

なすすべもない


という

突き放した結末

なのです。






じゃあ、

実録映画みたいなもの?




いいえ。



エンターテイナー映画としての面白さも

ちゃんと用意されています。






この映画の魅力は

登場人物たちの

退場の花道



ちゃんと用意されているところ!





登場する人物は

ローマ人に征服され
復讐の機会を待ち続けている
ケルト人の奴隷剣闘士

↑もちろんそれは
主人公の彼!







主人公の一族を全滅させ
今はポンペイの市長の娘を狙う
ローマの悪徳評議員

↑徹頭徹尾悪人なので
ある意味
アイデンティティは確立されています(^^)







評議員の色目を嫌い
ローマから逃げてきたお姫様

↑心優しいお姫様。

でも超ワルおやじの手にかかりそう…







評議員のボディガードの
冷酷だけど強いローマ剣闘士

↑これぞ正統派ローマ剣闘士!

という感じの
ピカピカな装備です(^^)







そして
後1人を倒せば
自由の身になれる約束の
ポンペイの黒人剣闘士

↑悪いね!
明日勝って自由になるのは
このオレだぜ!







などなど

様々な背景を背負って

ポンペイに集まった人々。






善人も悪人もいます。






そして

そんな各々が

ふさわしい死

を迎えていくのです。






善人には
誇り高き死



卑劣漢には
みっともない死



悪党には
無慈悲な死






そして

愛を貫く二人には

一体どんな死が
用意されているのでしょうか?


↑奴隷剣闘士とお姫様。
一体何があったの?

そして彼らはどんな結末を…






それは是非、皆さん自身で

ご覧になって頂ければと思います。






俳優や観客へのサービスで

愛する二人だけが
都合よく生き残ってしまう映画

にすれば

きっと

観た瞬間は満足できても

ポンペイの悲劇の映画としては
記憶に残らない作品

になったと思います。






けれどこの作品は

上手に

登場上人物全員に
退場の花道
を与えてあげた

とこで


ディザスター映画としても

そしてエンターテイメント映画としても

かなり良質な映画に

なっているのではないかと思います。



↑退場の花道の傑作といえば
「さらば宇宙戦艦ヤマト」

敵も味方も、ほぼ全員が
上手に退場していく号泣映画。

果たして
「ヤマト2199」では
全員を散らせることが
できるのでしょうか。







ポンペイ最後の日は

決して甘ったるいものではなく

夢も希望も
全てを飲み込んでしまった

破滅の日

だったハズなのですから…





ではまた(*^ー^)ノ



人智を超えたディザスターの火山噴火。

現代に起こらないことを
祈るばかりです…



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