本日は
「ブロークン」
という作品を通して
想像力と
カプグラ症候群
というテーマについて
考えてみたいと思います。
カプグラ症候群
とは
神経症の一種。
自分の親しい人間が
別の何か
に入れ替わっていると
思い込んでしまうことです。
普段接している
自分の家族や恋人や友人が
別の何か
かもしれない…
そんなことが本当にあったら
ちょっと怖いですよね…
当然、現実には
そんなことはあり得ないと
思われます。
けれど、だからこそ
映画の題材としては
面白いのではないかと思います
(^^)
考えられるのは2つ!
①
妄想である
②
本当に
別人に入れ替わっている
どちらが正しいのか判明するまでは
観ている私たちも
疑似カプグラ症候群
を体験することになるのです。
今まで紹介させて頂いた映画の中では
「インベーション」
が
このテーマを扱った作品ですね。
「インベーション」の回はコチラ
本日の
「ブロークン」
は
そんな
カプグラ症候群に
なってしまった女性
が
主人公のホラー映画です。
↑映画は終始
モスグリーン~ブルーグレイ
の色合い。
温かみのない映像は
観ている私たちを不安にします
彼女は
交通事故を起こし
事故の記憶を失ってしまいます。
彼女は事故の前に
自分そっくりの人
が
街を歩いているのを目撃します。
同じ服を着て
自分の車に乗っている
自分そっくりの女性。
彼女は気になって
後をつけ
彼女が入っていったマンションへと
入っていくのです。
そして…
次のシーンでは
車を運転していた彼女が
事故を起こします。
つまり
マンションに入ってから
車を運転するまでの間の記憶が
彼女にも私たちにも分からないのです。
↑怪我をした彼女は
大切なことを
忘れてしまっていたのです…
だから
観ている私たちも
彼女が変になってしまったのか
本当に周囲の人が
別人になってしまったのかが
分からない
実存的不安
を感じることになるのです。
この映画を監督したのは
ショーン・エリス
という
フォトグラファー。
↑ややダークなテイストの作品も
撮られるタイプの写真家さんです(^^)
写真で人を撮るというのは
写真の中の人を
新たに生み出す行為
です。
はたして
写真に写った人というのは
元の人間と同じ存在なのでしょうか?
ひょっとしたら
写真の中の人物って
元の人は全然違う
別の何か
なのかもしれない…
↑この二つの中の人物は
本当に同じ人間だと
言い切れるでしょうか…↓
そんなことを考えると
ちょっとゾクッとしてきませんか?
実存的不安とは
今までごく普通だと
思っていたこと
が
本当にそうなのかな?
と
不安になる事。
恋人も…
あれ?
この人、ホントに前の彼氏?
さて
彼女の失われた記憶の中にいた
もう一人の女性とは
一体、何だったのでしょう?
それは是非、皆さん自身で
ご覧になって頂ければと思います。
映画のラストまで
何が真実なのかが見えてこないから
観ている私たちも最後まで落ち着けない…
気がつけば
映画を観た私たちも
カプグラ症候群
になってしまっている。
これは、そんな
不安を伝染させるような作品
なのです
ではまた(*^ー^)ノ
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