1997年。

高校を卒業して、浪人生活に突入した。

福井を出て、京都の予備校に入った。


多浪の奴らは楽しくやっていたが、

冗談じゃない。

俺は一年こっきりが勝負で、ひたすら勉強した。

勉強が嫌いな俺にとっては、苦行の一年だった。


寮住まいだったが、テレビの持ち込みは許されず、

唯一のメディアがラジオだった。

それも、電波の悪い部屋で、ピンポイントで電波が入るところに置いて聞いていた。

当時の京都は、fmが3局くらい入った。

そのうち、時間帯によってお気に入りの番組ができて、局を変えては聞き入った。


日曜日の17時からのユーミンの番組が好きだった。

ハガキへの答え、批評と、ほぼユーミンの曲が流れるというシンプルな構成だったように思う。


さっき、テレビのカバー番組で、

守ってあげたい

をカバーしていた


守ってあげたい

あなたを苦しめる

すべてのことから


辛い辛い勉強ばかりの日々から救われた気がした。


男とか、女とか言うのはナンセンスな世の中なのかも知れないが、

男ながら、かなり無理をしないと俺は女性を守れない気がする。気が弱いのだ。

守ってあげると言われれば、どれだけ痛みが癒えるだろうかと思う。


そんなことはいいか。


昨年訪れた寮のあたりの街並みは、あまりに変わっていた。

ラジオを聴く学生はなく、きっとYouTubeでも見ているのだろう。