高校野球を見ている。


高校野球に限らず、学生アスリートにとっては、

引退前最後の季節となる。


俺は何をしていたかな、と思う。

高校では、幽霊部員でバレーボールをしていたから、さしたる思い出もない。


中学の最後の夏は忘れない。

バレーボールは6人でプレーするが、

俺は7番手だった。

いつも2セット目のどうしようもない場面で投入され、大した見せ場も作れず、終わっていた。


義田、2セット目、アタマから行け。

と1セット目の終わりに監督に言われ、奮起した。


相手チームは堅守かつ攻撃も多彩で、

勝てるのかと思ったが、とにかく俺ができることをするだけだった。


背が低いぶん、スパイクやブロックで役には立たなかったが、レシーブには自信があった。


とにかく、拾って、拾って、拾いまくった。

セッターに返すことはできず、

とにかく落とさないだけで精一杯だった。

セッターは全力で走ってきて、レフトのエースへオープントスをあげる。

エース、ねじこむ。


気がついたら1セットもぎ取っていた。

だが、そんな戦術が通用したのは1セット限りで、俺たちはチカラ尽きた。


みんな、泣いていた。

俺は泣けなかった。

まだやれる。終わったのにそんな思いが不思議とあった。


それが、中3の夏の日。