中小企業庁は、5日(火)に価格交渉促進施策に係るフォローアップ調査結果を発表しました。≫
これは、この価格交渉促進施策として毎年3月と9月を『価格交渉促進月間』と設定して、中小企業(下請事業者)が適切に価格転嫁し易い環境を作る為に価格交渉・価格転嫁の状況を取り纏め、場合に拠っては下請中小企業振興法に基づき、経済産業大臣名で親事業者に対して指導・助言を行うものです。
中小企業庁に拠ると、今回の調査は今年4月21日(月)から5月30日(金)迄の間に全国の中小企業30万社を対象にアンケート形式で調査を行い、回答した65,725社の内10社以上が『主要な取引先』とした446社及び71の国の機関並びに地方公共団体の①価格交渉・②価格転嫁・③支払条件の状況を10点満点で評価して平均点を算出したものとのことです。
先ず、このフォローアップ調査結果では、①価格交渉及び②価格転嫁に於いては最低評価『エ』の企業は無かったものの、③支払条件については(株)シャトレーゼ(資本金5,000万円、山梨県甲府市)や三菱鉛筆(株)(資本金44億9,700万円、東京都品川区東大井)など15社が最低評価『エ』となったとのことです。
また、福島県郡山市と兵庫県神戸市が、①価格交渉と②価格転嫁の点で評価(ア~エの4段階)が下から2番目の『ウ』だったとのことです。
因みに、この15社は、代金支払方法が現金払いでは無く2026年(R8年)1月に施行される改正下請法で禁止される手形支払としており、然も手形交付から支払い迄の期間が下請法が定める60日を超え、更にはこの手数料に相当する割引料を受注企業に負担させる悪質な例も有ったとのことです。
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特に、(株)シャトレーゼ(資本金5,000万円、山梨県甲府市)に於いては、今年3月27日(木)に公正取引委員会が製造委託商品の未受領(法・第4条第1項第1号)及び無償保管(法・第4条第2項第3号)などの下請法違反で再発防止等を求める勧告を受けていますし、5月22日(木)には甲府労働基準監督署が違法な時間外労働をさせた労働基準法違反で同社管理職社員を書類送検しています。
更には、出入国在留管理庁は、(株)シャトレーゼ(資本金5,000万円、山梨県甲府市)に対して今年5月2日(金)に特定技能制度で雇用したベトナム人従業員157名に給与等を支払っていなかったとして出入国管理及び難民認定法に基づく業務改善命令を発出しています。
中々これだけの違法行為を行う企業経営者も如何なものかと思いますが、こうした状況でも企業が存続出来る法律等も如何なものかと思います。
(旧来で有れば雇用確保の観点から若干許容される雰囲気も有りましたが、結局社会全体が疲弊することが分かった現在に於いては絶対に許されるものでは有りません。)