「 粉引 (こひき) 」 別名 「 粉吹 (こふき) 」
朝鮮の李朝で、磁器は官窯のみに許された
一般の人が使う器を作る民窯では、鉄分の多い土しか使えなかったそうだ
白い器に憧れた人は多かったに違いない
雑粘土の表面をオリンなどで白く化粧した器が、磁器の代用だったとか
この民窯の白化粧した雑器が日本に入ってきて、白い粉を吹いた ( 粉吹 ) ような茶碗が茶人にもてはやされ、「 粉吹 」 または 「粉引 」 となった
「 粉引 」 「 粉吹 」 の特徴は、粉を吹いたような、または白砂のようなサラッとした白さ
陶芸をやっていると、必ず一度はこの粉引きにひかれて作ると思う
「 粉吹 」 と言うと、光沢があまりない感じだが、作家さんによっては光沢が結構あったりする
粉引と白化粧の境界は、あまりはっきりしないと感じるが、
本物の粉引茶碗を見ると、これが本物の粉引だと分かる気がする
粉引の多くは、火間と呼ばれる、化粧がかからない部分がある
この角皿の右上隅は、火間に飾りを付けたつもり
縁が焦茶色いのは、化粧が剥がれるのを防ぐために処理するとこうなる (詳細は次回か次々回)
粉引きの化粧泥は市販されている
白化粧泥も市販されている
自分で化粧泥を作ると、他の人と味の差を付けられる
下の処方なら、ほぼ粉引きや白化粧に使える基本の処方だと思う
カオリン:陶石:蛙目粘土(または木節粘土)=
40~50:20~30:20~30
全体で、100にすれば良い
私はこれに、2種類の添加物を加えている
45:25:25でも良いけれど、%の計算が面倒になる
上記の、蛙目粘土または木節粘土を、胎土に使用する赤土で10%(およそ半分)ほどを置き換えると、化粧に黄色味が出て、民芸調になる
また、胎土が10%でも入ると、化粧と胎土との馴染みが良くなって、白化粧の欠点である剥がれが起きにくい
( まだまだ、記帳したいことが沢山あるので、次回以降に続く )