陶芸日記をジャンルに揚げながら、ここ数回は「くるま」のテーマばかりだった
羊頭狗肉と言われそうなので、陶芸のお話に立ち戻りましょう
素焼きする前なら、ヒビが出たものは粘土に戻せるのですが
何とか修復できないかと思うこともあります
かなり昔、素焼き前に現れたヒビの修復にチャレンジしました
この方法なら慣れれば90%以上の成功率だと思います
ヒビが出るのは、多くの場合は縁
傷に水を含ませた筆でなぞるります、眼に見えない傷にも水が浸みこんで、傷の範囲が良く分かります (写真の→)
傷に水をしみ込ませて、竹串でしっかり傷を押さえてつぶします
片側で、肉厚の1/3以上程度は竹串でつぶす
裏表両方から傷をつぶします
水が浸みこんだ状態で、細い粘土紐を載せて、空気を追い出すように、つぶれた溝を埋めていきます
このとき使う粘土紐は固いほうが良い、というのはこの後に乾燥してできるヒビを最小限にしたいからです
箆で粘土紐を均します
側面はこんな状態
乾燥したら、傷が無いかチェックします
多くの場合、ごく小さな傷がまた出るので、小傷なりに上記の処理を繰り返します
たいがいの場合、2,3回ほどこの処理をすれば、傷は無くなります
2回目はヒビが小さくなるので、その分、潰しも小規模にします
1回目と同じ程度に潰すとまた乾燥でヒビが出ます
Aを拡大したのがBで、充填した粘土が乾燥して収縮すると小さなヒビが形成されます。 これをCの様に小さく補修しますが、Dのように1回目と同じ規模で潰して粘土を充填すると、またBと同程度のヒビになる
細かいものの視力に自信が無ければ、最終確認はルーペで
馴れれば、90%以上の成功率
ただ、修復したものの方が使用によるヒビ発生が、無傷の物より早く出てくる気がします
その理由はいくつか考えられますが、修復しながら考えてください