前回の高川山から一ヶ月少々、まあこの時期は毎年年中行事が多いのですが、ご存知の方もいらっしゃる通り、実は長きに渡りかなり無理矢理住んでいたボロ屋から引っ越すべく、住宅メーカーと度重なる打合せが始まったため、ここから山のペースはかなり落ちます。

しかし、どうしても今年中に済ませておかなければならない宿題があったのです。今年の5月、いくつかのミスが重なり道半ばの白岩小屋跡で心折れ、ほとんどビバーク的テント泊をして出発地に戻ってきた雲取山の三峰ルートからの登頂です。

前回の失敗山行を読んでくださっている方もたくさんいらっしゃいますが、この投稿まで随分空いてしまったので、前回のいくつかのミスとはどんな失敗だったかというと…

リサーチ不足で三峰神社駐車場入りが遅れたため、出発が二時間近く遅れた。
前回の鴨沢ルートからの登頂と同じテン泊装備が負担となり、よりハードな三峰ルートでグンとペースが落ちた。
昼食以降ペースがさらに落ち山荘到着時にはもうテントスペースが取れない状態になってしまった。

ですから今回の変更点、注意点は「小屋泊装備でザックを軽く」「開場前に駐車場入りして朝早めの出発」そして、一番の楽しみの簡略化、つまり山ごはんの簡略化です。

標高1,504mにある霧藻ヶ峰休憩所。この先から本当の三峰ルートが始まります。平日だったため小屋番の新井さんは不在でした。残念‼︎


霧藻ヶ峰休憩所から先、いきなり急勾配を下り始め、三峰ルートは本番開始です。帰りはここの最後の急登を登り切って霧藻ヶ峰休憩所、というわけです。

急勾配を下り切ったところが「お清平」。前回はもう、ここで昼食でした。

お清平通過が前回よりはるかに早く、一度脚が覚えた道ということもあって快調です。

鎖場はここ一箇所ですが、全体的に鴨沢ルートよりはるかにテクニカルで、全く別の山とも言えます。


この三峰ルートは前白岩山、白岩山、とアップダウンを繰り返しピークを超え続けるので、鴨沢ルートに比べて体力度も高い、ほぼ縦走的コースです。


前回はこの「前白岩山」の先の「白岩小屋跡」でギブアップして幕営しましたが、今回はまだ午前中です。


白岩小屋跡の先のピーク「白岩山」は、ゴールの「雲取山荘」より既に標高は上です。これからまだアップダウンがあるとはいえ、気持ちの上でも余裕を持てます。


白岩小屋跡から先は未踏のルートですが、快調な今回はワクワクしながらの山行です。

地図上でしか知らなかった「芋の木ドッケ」。芋の木はコシアブラ、ドッケは突起のなまりだそうです。


グングンと山の奥へと進んで行きます。自分たちのミスで前回は中途半端なところで引き返してしまい、悔し涙を流しましたが、やっぱりこうでなくちゃ‼︎
近年食害が問題視されていて「かわいい」だけでは済まなくなってきている鹿もよくる見かけましたが、うーん、やっぱりかわいい💕

鹿さん、こっち見てポーズ決めてくれちゃうので、ついつい一枚二枚ラブ


晩秋の空は秋という季節を惜しむが如く、澄んだ青に僅かな寂しさを落とした色合いが胸を締め付けます。

雲取オータムブルー?


霧藻ヶ峰以降、距離もまだかなりあるので、貪欲に歩を進めていきます。山の地図にある標識と同じ文句をコース上に見つけて「おー、これかあ、あったあった‼︎」

まあ、危険だよって意味です。もちろん油断大敵です。山では一つ間違うと命の危険が常に隣り合わせです。でも、今回はもう、心折れたりしません。


失敗は人間を強くする。この山行ほどそれを感じた事はありません。もちろんそれは前回、半年前の失敗です。情けなさと悔しさ、そして山の人たちの心いきに号泣までしました。

今回、強くなった私たちの全身を拒むものは何一つありませんでした。

やがて、夢にまで見た雲取山荘の姿が目に入ってきました。

今度は嬉しさに目が潤みました。


話に聞き、テレビで観、目指し、辿り着けず、それ故憧れが募った「雲取山荘」。

遂に辿り着いた雲取山荘にメインザックをデポして、アタックザックで山頂を目指します。

やったー‼︎ 西暦2017年に標高2,017m‼︎ 歓喜の記念撮影です‼︎


山頂をしばし味わって、山荘へ戻ります。本当に山が好きでやってきた人しかいない、といった感じの山荘です。いいなぁ‼︎

11月下旬の標高1,800mですから、すっかり冬です。部屋の中は名物「豆炭炬燵」。朝までポカポカでした。


木に包まれたこの安心感。山小屋っていいなぁ。心が溶けていく。ずーっといたい。ヒュッテねこにゃんの原点はこんなところかもしれません。

廊下には本がいっぱいの本棚で、まるで図書館のようです。


夕食は山小屋定番のハンバーグ定食で、ご飯、味噌汁はホカホカです。レストランのような高級ハンバーグじゃないのに、やっぱり美味しいんです。
これも、いくつもある「山の魔法」のひとつです。

日が落ちて、暗くなってきて楽しみにしていたイベントの時間がやってきました。
イベントといってもナチュラルイベントです。
テレビで観た、星空と東京の夜景のコラボレーションです‼︎

撮影の予行演習が足りず、写真のクォリティは寂しいですが、夢に見た情景が眼前に。「これだよね、テレビで観たの‼︎」


夢は叶いました。


翌朝、これ以上あるだろうか、という優しく美しい夜明けが待っていました。

今年も良い一年だったね、と言ってくれているような優しい空、雲、山塊のシルエットでした。


山って、いいですね。

山を愛する人、山の仲間って、いいですね。

山がある限り、多分私たちはずっと幸せです。


さて、私たちねこにゃん夫妻の山人生はこれからもまだまだずっと続きます。

そして2018年6月、埼玉県入間市に私たちと山を愛する友達の登山ベース、語らいの場となる「街の山小屋、ヒュッテねこにゃん」が完成しました。
このヒュッテや山で増えていく山の友達。これからもその輪を広げていきたいと思います。

「ねこにゃんの山ブログ」、シーズン2.5は今回で終わり、次回からはいよいよシーズン③〜「山友の輪を広げよう‼︎」です。

ひとつの山行だけを取り上げる今までとは違って、色々エピソードを取り上げていこうと思いますので、どうかお楽しみに‼︎