★はじめに★
2015年9月21日。
ちょうど三年前の今日でした。
ちょっとしたきっかけで山に心を惹かれ、初めて登山装備で夫婦揃ってウキウキ出かけたのが霧ヶ峰でした。コースは、きっかけとなったアニメの登場人物と同じ、反時計回りの周回で、最後に車山の坂を登るパターンです。
初の本格トレッキングで、まだ体力、経験共に無く、「キツい、キツい」と文句を言いつつも、今までにない夢のように楽しい時間を味わった私たちは、もう既に、山の深ーい魅力という底なしの沼にハマっていたのでした。
そもそも最初は、登山装備に身を固め、用具を使うことが、目的の半分でしたし、体力的にも二本脚だけで歩ける日帰り登山で帰りに温泉くらいのつもりでいました。
それがいつのまにか、多くの人のパターンで、最初は考えもしなかった岩場、鎖場、雪山、縦走、小屋泊、テント泊、もうなんでもござれです。
山って不思議です。山でできる事は全部楽しんでみたくなっちゃうんです。
そして何歳で始めようと素晴らしい山の世界は私たちにとてつもない感動を与えてくれます。
そんな素晴らしい世界をひとりでも多くの人に発信する。それも山から感動をもらった人間の大切な役割だと思っています。
そこで、初登山から10ヶ月後、山に登り始めて最初の目標にした富士山に登頂した後、山に対する自分の思いを少しでも多くの人に伝えるためのエッセイを、このアメブロで執筆し始めたのです。
エッセイは最初の一年目がシーズン①「山へ行こうよ」、シーズン②が「山へおいでよ」なのですが、シーズン①と②の間で、自分の心の置き場が日頃住んでいる町から感動の場である山に変わっています。それは普段生活している時もつねに山々に心を馳せている自分がいつのまにかいたからでしょう。
★山は、たくさんの「心と心」の出会いの場★
山の魅力、山の魔法、これはシーズン①や②でも度々触れてきましたからここでは触れません。
ただ山ですれ違う人って、街中ですれ違う人と比べてはるかに少ないと思うのです。まあ、今私たちが暮らしているような「へき地」は別として。
なのに、登山開始から下山終了まで私たちは何回「こんにちは」と言うでしょう。
「慣例だから」と言えばそれまでですが、挨拶を交わした相手が直後に転んだり、呻いてしゃがみこんだりしたら駆け寄って面倒を見たりしませんか?
それは最初の挨拶で、それまで全く知らなかった者同士に心の接点ができたからでしょう。
そしてそれがきっかけでその山行がにわかパーティ登山となったり、そのまま山友になる事だってあるんです。
それはやはり山の魔法なんでしょう。海や街中ではあまり考えられないですよね。
「こんにちは」
「こんにちは」
「あたっ‼︎ あいたたっ‼︎」
「どうしました?」
「いや、ちょっとコケちゃっただけですから。大丈夫です。」
「こちらは初めてなんですか?」
「はい、そうなんです。」
「それでしたら、この山は浮き石も多いので、よろしければご一緒しませんか?」
「いいんですか?私、遅いですけど、よろしければ‼︎」
これ、山だからでしょう。
★山友を増やそう★
山の世界にどっぷり浸かってから、泊まりでの山行にも赴くようになりました。山で泊まるにはテント泊か小屋泊になります。テント泊にはテント泊にしかない楽しみ、醍醐味がありますが、小屋泊も同じです。
山小屋ではほとんどが相部屋、食事は相席。まるで部活の合宿です。登山道でのあっという間の接触に比べてなんと濃密な時間を共有する事でしょう。
他にも、山小屋の名物にご主人の講話があったりとか、とにかく山小屋は疲れた体を回復するだけでなく、スタッフ、同宿の登山者との心の交流で心も満タンになるのです。
いつしか、山小屋を立つ時その愛しさに涙が滲むようになりました。そして、山小屋が嫌いな人なんて(特定の山小屋を嫌う人はいるかもしれませんが)いないだろうな、と。
そんな中で特に思い出深い山小屋がいくつかあります。南アルプス仙丈小屋、北アルプス大天荘、奥多摩の雲取山荘です。
仙丈小屋。ご主人やスタッフが明るく楽しく、ホカホカご飯がおかわり自由。もてなしの暖かさに涙が止まらなかった、また絶対お邪魔したい山小屋です。
大天荘。まさかこんな高標高で本格インドカレーが食べられるなんて‼︎ インディアンランチと掃除が行き届いて綺麗なペンション風の山小屋です。
★街に山小屋があったらー★
とにかく山は素晴らしい感動、思い出を両手では抱えきらないほど持たせてくれました。それと同時にたくさんの友達を作ってくれました。
そんな山の友達と色々な山に行ってみたい。
山小屋でのしみじみとしたひと時をもっともっと味わいたい。
たまには集まって山への想いを語り合いたい。
そんな時、長年耐えた中古の雨漏りボロ屋から引越す条件がトントンと揃ったのでした。
まず、今の所沢よりちょっと不便な入間にですが、今の所よりぐんと安い土地が見つかりました。そこは安い予算でセミオーダーで家を建てられるローカルなハウスメーカーの土地でした。
そして晴れれば秩父連山も望めて、家からすぐトレッキングルートがあることがわかりました。
よし‼︎ 今度の家を出来るだけ山小屋のようにしてしまおう‼︎
★山を愛するということ★
今回の一連の動きは、全て山を中心に考えたものばかりで、また、山の友達と楽しい時間を過ごすことを考えたものばかりです。
山に赴くようになり、やがて山に恋い焦がれ、山がなくては生きていかれないようになりました。
でも、「山を愛する」って、どういう事なのだろう。
これは人によってそれぞれかもしれませんが、山そのもの、そして山を愛する仲間を大切にする事なのではないだろうか、と僕は思うのです。
今回の家を、思い切って山趣味に傾けてしまったのもそのに表れですが、それらも含めてこのエッセイのシーズン③で「山を愛するという事」という広大かつ深遠なサブタイトルをつけたわけです。
入間市宮寺の、畑を見下ろす好立地に構えたアーバンヒュッテをベースにどれだけそのテーマに迫っていけるか。今シーズンは単なる山行毎の紀行ばかりでなく、開催イベントや接客などから感じた事などを述べていこうと思います。
手前が駐車場。奥が建築予定地。向かって左前方に秩父連山が見えます。面積は60坪、17年10月に購入しました。
前の中古住宅に25年以上、あちこちボロボロになっても引越しの条件が揃わなかったのが嘘のようです。
これも、山の魔法?
門を出てそのまま歩いて登山道のような方へ行く途中、右側にある茶畑の向こうには丹沢から奥多摩の山塊が。
久しぶりに見た、基礎工事。家が一番小さく見える時。「家も、庭もなんだか狭く見えるなあ」
予算から建坪を出し、その条件の中でこちらの希望に沿った間取りの図面を引いて行く。設計士さんは魔術師かと思いました。
一階はリビングダイニングをめいっぱい、とか二階は三部屋とか、話をしながらどんどん形が出来上がっていきます。
あとは、キッチンやバスルーム、トイレを標準仕様のものから選んだりオプションを希望したり、窓の位置、コンセントの位置、内装の壁紙、床を選び、屋根や外壁を選び、あっという間に完成イメージが出来上がりました。
この段階で設計士さんがCGで家の全体像を作成してくれました。
西側が玄関です。屋根が森の緑、外壁が木の幹のこげ茶の木目。お気に入りの山小屋のイメージがまざった感じです。
南側から。音楽室兼サロン、ダイニング。二階は居住空間と山の部屋兼宿泊室です。
あとは出来上がるのを待つばかりです。前の家の荷物整理、ゴミ出しなど、引っ越しの作業が膨大で、その合間を縫って大工さんたちに差し入れ持っていきます。
基礎工事がやっと終わりました。この上にいよいよ、私たちの夢が積み上がっていきます。
爽やかな青空のもと、柱が組み上がっていきます。
いよいよ棟上げ。クレーンまで出動。家の建築って、大変です。
屋根がつきました。思った通り、落ち着きのある針葉樹の緑です。
外装もイメージ通りです。夢が少しづつ形になっていきます。
家を作るって、すごい作業です。でも、計画を立てて、打ち合わせをして色々決めていく時が一番ワクワクしていたような気がします。
次回はいよいよ感激の竣工、家具選び、オープニングです。
アーバンヒュッテは、なにかプライベートペンションのようで、なんだかとっても素敵です‼︎












