息子が留学に旅立ったのは今週の月曜日だった。

 

朝早く、スーツケースをガラガラ引っ張って出かけて行った。

 

歳を取ると見送られるより、見送ることが多くなる。まあ、そうであるべきなのだが。

 

実は留学とは大げさで、出かけた先は鳥取県の大学だ。しかも明日帰ってくる。最後の一日は大阪で遊んで帰るというので551の豚まんを買って帰るようにお金を渡しておいた。

 

息子は土木を専攻している大学院生だが、何度話を聞いてもどういう研究をしているのか理解できない。理解できない頭を持っているわけではない。聞いている時にはいつもすでに酔っぱらっているからだろうと思っている。

 

毎月、息子あてには土木學會なる団体から会報が送られてくる。おれのところに届く月一の会報は青少年ペンフレンドクラブからのレターパークというものだ。土木學會誌はそこそこ厚みがあるが、レターパークはペラペラだ。なんだか格差を感じる。

 

その土木學會の会報、土木學會誌なるものをパラパラ読んでみるが、まったく理解できない。なお、この会報、大正4年から綿々と続く伝統あるもので現在でも4万人の会員読者がいる。会員全員集めたら東京ドームが8割方埋まるからちょっとした所帯だ。

 

一方、土木學會は土木工学について一般の理解を広げるためにも努力は惜しんでいない。「土木偉人かるた」とか、子供向けに「ポケドボカードゲーム」なるものも発行している。

 

🌻

 

これは会報ではないがちょっと気になる雑誌がある。時々新聞に公告を出しているのが目につく。その雑誌は「月刊住職」。

 

8月号画像

 

今年が創刊50周年のこの雑誌、年間購読料が18,000円だから各号1,500円と安い雑誌ではない。しかし、日本では寺はコンビニより多いから結構購読者はいるんじゃないかと思う。しかし素人がわざわざ買って読むのにはちと高い。

 

内容はもちろん住職としての仕事のことが多い。例えば8月号の特集は、『現代に生きる老若男女の問いにズバリ答え切る「3分間説法」』である。

 

「鶴岡八幡宮の神社本庁離脱は明治時代の神仏分離と関係があるのか」というアップデートでかつ寺ではなくて神社の問題にも手を突っ込んだ感のある記事もある。神仏分離だから寺も関係しているわけだが。

 

「住職ルポ 壮絶な体験を経て新寺建立しネットの中傷被害者に寄りそう女性住職」といちょっと変わり種のルポもある。

 

そのほかにも、法律や税金に関する相談コーナーもある。寺社経営も楽ではないのだろう。

 

「コラム盆踊り全国漫遊記」という軽くて楽しそうなコーナーもある。

 

こうして目次だけ追っても何か読んでみたくなる雑誌だ。しかし、繰り返すが1冊1,500円は素人には高い。図書館にもあるかどうか怪しい。どこか読ませてくれるところはないものか。やはり行くんだったらお寺だろうか。「月刊住職読ませてください」と素人が訪ねていくのも気が引ける。目次だけで満足しておくか。