小遣い帳はきっちりつける方だ。

今はスマホのアプリで管理している。

 

もちろんつけ忘れはあるだろうけれど、かなり細かく記録している。大きな金額はともかく、たとえお参りした時のお賽銭5円でもつける。1円玉を拾ったら、多分それもつけるだろう。

 

別に神経が細かいわけでもないのだけれど、つまり記録をとることが好きなのだ。自転車旅行などすると距離や時間のログは必ずとる。

 

お金についてはプライベートでもそうなのだが、仕事の上だとさらに細かい。

 

毎月毎月建て替えて支払った現金は手書きのリストと領収書をセットにしておく。だからできるだけ領収書はもらっておく。クレジットカードで払ったものはネットからカード会社の請求明細リストをダウンロードして印刷し、これも領収書と揃えておく。こんななので、社内で自分で使ったお金に使途不明金というのはまずない。こういう自分こそ与党の国会議員になるべきなのではないかとも思うが、そういうのに興味はない。

 

 

海外出張する。

家を出たところから支払い記録は始まる。財布に支出書き込み用の紙を折りたたんで入れてあり、買い物のたびに、あるいは一日の終わりに書き込んでおく。これは各国の通貨ごと列を設けてある。

 

お金にうるさい税理士が、何もここまでしなくてもいいですよ、というくらいであるから、かなり細かいと思っていいだろう。しかし小遣い帳は金銭の出納だけが記録、読み取れるだけではない。いろいろ背景が透けて見える。

 

ちょっと古い記録だが、2018年3月にドバイとリヤド(サウジアラビア)とバンコクに行ったときの記録がこれだ。

 

 

こういう記録をとっておくと支払方法が現金からクレジットカードにシフトしたこともわかるし、出張先の物価の変動も読み取ることができる。2018年当時はほとんど現金払いだったが今は外国の商店などでもカード払いが普通になっていた。

 

1の成田空港へ行くバスも当時は現金で払っていたようだ。今は事前にカードで払っている。というか、そもそも今は地元から成田に行くバス路線は廃止されて、もうない。こういう歴史もわかる。

 

2は日本円を米ドルに両替した記録だが、当時の為替レートが1ドル108円だったこともわかる。今は155円だから、この6年で円の価値は対米ドルで2/3に落ちた。

 

6は観光税と書いているが、どうやら宿泊税のようで当時2日でAED6となっているが、今回はホテルで1日でAED10請求された。

 

8のビリヤニは多分同じ店だと思うが今回はAED16.5だった。あまり上がっていない。

 

15のリヤドのホテルも現地払いしていたのかと思うと隔世の感がある。今はホテルは100%オンラインで前払いだ。

 

全体的にみると「水と菓子」という項目が多い。これは酒が手に入らないことと、暑い環境にいたことに関係するだろう。突発的に「歯ブラシ」を買うことはあっても出費はほとんどが食事と移動手段である。

 

出張帰りにバンコクに寄るようになったのは、多分この頃か少し前からである。バンコクに至ってはほとんどが食費だ。3月17日にバンコクに入ったようだ。タイに入るとことごとく領収書がない。つまり屋台などの領収書を出さないところばかり使っていたということになろう。今でもそうだ。

 

34のカオマンガイは82バーツは今と変わらないか。その下のバミー(ラーメン)は「x2」となっているのでおかわりしたってことか。今は一杯55バーツで売る店は少ないのではないか。今回はバンコク空港の社食みたいなところでは70バーツだった。

 

44のレックというのはバンコクの中華街の有名海鮮料理だ。領収書がないのは妙だが、自分としてかなり高額の食事をしている。とはいっても当時のレートで1400円程度だが。なにかデカいエビフライを食べた記憶があるが、見た目勝ちで味はまあまあだったような。あれ以来食べてないからそうだったんだろう。

 

このリスト、何か途中で終わっているなと思ったらしぶとく紙の裏に続きがあった。

 

 

 

3月18日には鉄道でアユタヤに行ったことになっている。なんだか最近のことのようでもう6年前のことか。アユタヤの帰りの鉄道は5バーツ(18円)余計に払って快速列車の乗ったようだ。多分選んだわけではなくて、たまたま来た列車が快速だったのだろう。

 

🌻

 

この細かい支出記録だが、今回の出張では全くつけなかった。初めから大幅に予定が狂い、疲労し、なんだか記録をつけるのがおっくうになってしまった。途中からやる気を出そうにも出せず、投げた。領収書だけは大量にたまった。それを封筒にまとめて入れる。もう決算の時期だが、税理士にはそのまま出す。ざっと5万円使いました、と言えば、これまでの実績で何とかしてくれるだろう。