まだ先のことであるが、海外出張を予定している。

 

すでに予約支払い済みの航空券やホテル。軒並み値上がりしている。物価の上昇もあるだろうが、こうした国際価格には円安も大いに影響しているはずだ。

 

何度も出張している先なので、各国の小口の現金を持っている。いくらあったか確認しておくか。

 

思ったより少ない。ということは円を換金しないといけない。円安の今、不利である。参ったなア、と思って今日のドル円レートを見ると、今日もかなり円安に動いていて1米ドル152円に迫っている。1万円をドルにしても66ドルにしかならない。物価が何割か値上がりして嘆いても、円という通貨はそれ以上に弱くなっている。

 

今の仕事に就いて、米ドルが最高の時は1ドルが75.30円だった。12、3年前のことだ。1万円を替えれば132ドルになったことになる。自分は何もしないでも、日本国1万円の価値は132ドルから66ドルになった。これはなんだか国力をそのまま反映しているようにも見え、暗澹たる気持ちになる。

 

国を憂いている場合ではない。自分が持って行くお金のことを考えねば。いくら円安でも現金持たずに出張するわけにもいかない。換金せねば。とっとと換金したほうがいいかもしれない。日々、円安が加速しそうである。財務省が為替介入したらそれはチャンスだが、口先介入さえこの頃はニュースにもならない。

 

まてよ。金庫にはこれまで訪れた国の小口の現金がある。もう行かない国やしばらく行く予定のない国の通貨を今円に替えたら割高になって得ではないか!そう思いついた。フィリピンペソ。2200ペソほどある。最後に行った頃の1ペソは2.1円だった。それが今日は2.7円になっている。2200ペソは4600円だったのに今日は5900円の価値になる。1300円の為替差益!換金ショップに持って行けばかなり手数料をとられるが、それでも家内に気付かれずに5000円余りを懐に入れることができる!しめしめだ。がはは。

 

ほかの通貨にも同じことが言えるはずだ。日本円は対米ドルだけでなく、各国通貨にも軒並み下落している。この小口外貨の山は、宝の山、言葉は悪いがおれのヘソクリになりうる。

 

国ごとに分けられた封筒を漁る。台湾、香港、中国。多分また行く。マレーシア、シンガポール。ごくわずかしか残っていないか。バングラデシュ、パキスタン、クエート、エジプト、スーダン、、、なんだ、日本じゃ換金できそうもない通貨ばかりだ。それにエジプトとスーダンは何年か前に通貨切り下げをしたから逆に損をするだろう。

 

一瞬、宝に埋もれた夢を見た。世の中、そううまくはいかないものだ。ははは。