文通を趣味とする者である。

 

政府はどうやら郵便料金を値上げするらしい。自分が文通に利用している25グラム以下の定形封筒は現在の84円から110円になる見通しだ。26円の値上げ。

 

26円。まだ安いと言えば安い。文通相手のお一人は北海道の方だ。東京から北海道までたった110円で手紙を届けてくれる。しかし26円といえば現在の84円の31%にあたる。物価の上昇が激しいと言っても一気に30%も値上げになる商品は珍しい。うちの最寄り駅から新宿までの電車片道切符は300円だが、それがいきなり390円になるようなものだ。5000万円の家が6500万円になる。安いとは言えない。

 

自分の場合、3人の方と文通していてそれぞれほぼ2か月に一度手紙を出す。つまり年間で18通出すことになる。

18通x26円=468円

年間468円追加で払うことになる。まあ許せる範囲だ。

 

総額でいうと、

18通x110円=1,980円

ラーメン2杯分。まだまだかわいい趣味といえる。

 

この値上げを理由に文通をやめる人はほとんどいないと思う。自分は便せんも封筒も100円ショップの安物を使っているが、こういうものに結構お金をかける人が多い。500円程度の値上げは安いと考えるかもしれない。



なお、封書ではなくてミニレターというものがある。一枚の特殊な便せんの3辺を追って糊付けすればそのまま投函できる。それだけでなく25グラム以下であれば手紙を書いた便せんを入れて送ってもよい。これは現在の料金は63円だから値上げ前の封書よりもっと安く済ますという大逆転の一発である。金券ショップでも売っているからさらに何円か安くなる。なお、25グラムというと普通の便せんで7枚程度になる。書き足りないことはない。

 

郵便書簡(ミニレター)とは? - 【ホンネ不動産ジャーナル】不動産で損をしない為のコラムを更新中

 

一方、はがきも値上げになる。現状63円だが85円になるという。

これはちょっと考えてしまう。

はがきといえば年賀状だ。職場では毎年100通ぐらいは送っていると思うのだが、だとすると年賀状だけで8,500円も払うことになる。毎年何社かの取引先が年賀状廃止を決めている。ろくに読まれもしない年賀状はやめてしまおうかと考えていたのだが、この値上げは年賀状をやめるきっかけになるかもしれないし、そういう事業所も多いのではないかと思う。

 

手書き派の自分としては郵便事業の縮小はさみしい気がする。メールにLINEが全盛のこの時代、どうしようもないことではある。しかし自分の経験からするとメールはともかくショートメッセージは会話を短くする。意味さえ伝わればよい。そういう傾向に走る。LINEなど便利に使っているようだが、逆にいつの間にかLINEにもてあそばれていたりする。意味さえ伝わればいいはずだったのにその真意が伝えられなくなっている。つまり用件だけを伝えるのには大変便利だが、自分のように気持ちや感情まで伝えようとするとうまくいかない可能性がある。



ここで一つ予言をしておく。

メールやLINEが便利であり、ユーザーがどんどん増えていることはことは認める。我々の子供世代など年賀状以外に手紙を書いたことがないけどLINEならやっているという子だってたくさんいるだろう。

 

しかし時代はいつも行き過ぎるとより戻す。LINEに飽きた若者たちが一斉に手紙を書くことに燃える時代が訪れる。おい、手紙っておもしろいな!おれは日記までつけ始めたぜ!わあカレシからラブレターが来ちゃった!お前そのイカした封筒どこで買ったの?ねえ住所交換しない?そういう若者たちが街にあふれる時代が来る。アホかと思って笑ったりしてもいいが、ああそういえばあのLotusとかいうやつが言っていたことは本当になった、と驚くことになろう。まあ実際はもっと静かなブームだろうが。手紙って書いてみると楽しいものだし、受け取った時の楽しみはメールなんかとは比較にならない。

 

ビリヤニを啓蒙し始めてここまで広まるのに少なくとも30年はかかった。手紙ブームの招来まではもっと時間がかかるかもしれない。その頃には自分はこの世にいないかもしれないが一応予言だけは残しておく。

 

まあ、予言なんて数打ちゃ当たる、というところがある。死ぬ前にたくさん予言しておくのもいいか。ノストラ騙す。

 

これ以上書くと話が関係ない方向に向かってしまいそうなのでこの辺にしておく。