涼しくなったら自転車でこの店にビリヤニ食べに行こっ、と楽しみにしていたのだが、Yoshito氏のまさかの連発訪問レポートに足元が怪しくなってきた。同氏は普段から同じラーメン屋に立て続けに通う習性をお持ちだということはこれまでの記事で十分わかっていたはずなのに、まさかビリヤニ屋に続けていくとは思わず油断していた。足元がどう怪しいかって?今すぐにでも自転車を漕いでその店に行きそうになっているんだ。自宅からの想定距離45km。このインドと同じくらいの暑さの中、自転車で行ったら死ぬ。

 

まず氏のビリヤニ・レポート第2弾を読んでいただきたい。

 

おれは若い頃に腐りかけたマトンを食べて死ぬ思いをして以来、マトンは食べられない体になってしまった。前回のYoshito氏のレポートはマトン・ビリヤニについてであり、マトンこそビリヤニの王道とは分かってはいても、若干受け付けない部分があったことは否めない。

 

それが今回はおれの願いが聞こえたのだろうか、チキン・ビリヤニを食べておられる。氏の観察眼の内、まず瞠目させられるのはマトンとチキンでは使っているスパイスが違うのではないかということに気づかれた点である。心あるシェフなら食材に合わせてスパイスを調整することは十分考えられるし、おそらくこの店でもそうされているものと思われる。

 

それから写真を拝見して驚いたのは一人前のビリヤニにチキンのドラムスティックが2本も入っている点だ。これは食後の皿に残された2本の骨でわかる。ドラムスティックといえば、一般的に一番うまくて人気の部位である。普通の店なら、たとえインドでもドラムスティックを2本は入れないだろう。手羽とかサイとかとの組み合わせになるはずだ。贅沢である。あるいは氏が日ごろ積まれた徳が形を伴って現れた僥倖かもしれない。それとも1本はやや小さく見えるから手羽元だったのかもしれない。なにしろ標準的日本人からするとインドというのは謎が多すぎるので何があってもおかしくはないのだ。おれが食べに行ったら手羽先が1本しか入っていないかもしれない。でもいろんな魔訶不思議なビリヤニ屋から高度な訓練を受けているおれは驚くことはないだろう。

 

後は前回のレポートに寄せた内容とそう変わらない感想だったのでいたずらに紙面を稼ぐのはやめる。

 

ただ1点念を押しておきたい。

ビリヤニ一人前は写真のようにかなりの盛りである。これ、日本の米で同じかさだったらYoshito氏も力士並みの大食いの範疇に入るが、ビリヤニに使うバスマティライスはとても軽い。実際に氏が完食されている通り、「案外食えちゃう」程度の量である。私はビリヤニを注文するときは必ずライス大盛りをお願いする。たいてい無料でライスの量を増やしてくれるか増やしてくれたふりくらいはしてくれる。

 

最後に一つ指摘しておかねばならない。Yoshito氏がヨーグルトと呼んでいる白いたれのようなものは実際ヨーグルトの一種でライタというものだ。ビリヤニに味変をくわえることができる。書かれている通り、食べるとさわやかな感じがするのはおそらくスパイスと一緒にハーブが入っているからだろう。またライタは消化を助けるとドバイで聞いたことがあるが、多分本当だろうと思う。

 

Yishitoさん、それライタって呼んでくださいね。いつも楽しい記事をありがとうございます!