随分前のクラス会で、高校時代の友人と話していてびっくりしたことがある。
なんと、彼のおじい様、職業野球(戦前戦中のプロ野球)の選手だったんだって。キャッチャーだったと。
ひえー、と思って聞いていたのだが、なんとそのおじい様、沢村栄治と対戦して2塁打を打ったことがあると。
野球ファンならだれでも知っている戦前の名投手、沢村。剛速球でならし、来日したアメリカチームもキリキリ舞いさせたとか。ただ残念ながら戦死された。
その沢村と戦ったとはそれだけで伝説ではないか。で、おじい様はまだ健在だというのだった。どこまで驚けばいいのだか。半分マジでそのおじいさんに話を聞きに行こうかと思った。
最近、野球の実況を聞いていて、ついていけなくなっていることに気が付く。カウントをストライクより先にボールを数えるのにもまだ違和感があるし、聞きなれない変化球が多い。
自分が野球少年だったころは、こどもは腕を傷めるから変化球を投げてはいかん、とされていた。今もそうだろうか。
投げてはいかんと言われても投げてみたくはなる。当時の変化球といえば、カーブ、シュート、フォーク、シンカー、ナックル、パームあたりが「きみは名投手」というこどもむけの本に出ていた。
こどもでもカーブくらいなら投げられた。ゴムボールを使えばフォークのように指で挟むこともできたし、無格好だがシュートらしき球も投げられた。
それが今では、ツーシーム、フォーシームとかカットボール、スプリットなどは、聞いたことはあるけれど、どう変化するのか分からない球が多い。それが高校野球でも普通に投げられているようだ。
ただ、こどものころから、知ってはいたがどうも誤解している魔球に、チェンジアップ、というのがある。この球種は今でも投げられているようで、よく耳にする。自分は、あるいは当時の子供は、チェンジアップというのは速そうに見えて実は遅い球と認識していた。大間違いではないかもしれないが、小学生だった自分はまず、豪速球を投げると思わせて不動明王のごとき憤怒の顔を作り、グワンと振りかぶり、思い切り右腕を後ろに引いて、どりゃーと速球を投げるふりをしてリリースの瞬間弱々しく山なりのボールをほわっと投げる、それをチェンジアップだと思っていた。
プロ野球でそんなチェンジアップ投げたらただの珍プレーだな。